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HubSpotとは?主要機能と使い方を徹底解説!

2021年8月6日 (公開 :2020年8月31日)

世界有数のマーケティングオートメーションツールとして知られるHubSpot。CRM、Eメールマーケティング、チャット、フォーム、CMS、SNS連携、SEOなどインバウンドマーケティングに必要な機能をワンパッケージになっています。豊富な機能があるため、その機能や使い方がわからない人も多いでしょう。このブログでは、HubSpotの主要機能の使い方をわかりやすく紹介していきます。

📚目次

 

 1 HubSpotとは

 2 主要機能の使い方

   A CMS

   B チャット機能

   C ミーティング調整機能

   D フォーム・CTA機能

   E メールマーケティング機能

   F マーケティングオートメーション機能

   G SEO機能

   H SNS連携

 3 他のMAとの比較

 

HubSpotとは

DMや電話マーケティングなどプッシュ型である従来の「アウトバウンドマーケティング」に対し、ブログやSNSなどで掲載するコンテンツを通して顧客に見つけてもらうというプル型の「インバウンドマーケティング」という概念を生み出したHubSpot社。この会社がインバウンドマーケティングを実践するのに最適なツールとして作ったのが『HubSpot』であり、今や120カ国で8万6000社以上が導入している世界最大級のマーケティングオートメーションツールとなっています。

インバウンドマーケティングを行い、実際に顧客を獲得し、さらにLTV(顧客生涯価値)を高めるには、マーケテイング、セールス、カスタマーサービスの各チームが連携して活動しなければ効果は高まりません。HubSpotはこの3つのチーム向けのツールを1つのプラットフォームに集約しており、HubSpotだけ活用すれば効果が出るように設計されています。これができるのはCRM、SFA、MA、CMSといった独立で存在しているツールを1つのパッケージとして提供しているから。CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援)ではSalesforceなどが有名であり、MA(マーケティングオートメーション)ではPardotやMarketo、CMS(コンテンツ管理)ではWordpressがよく知られていますが、HubSpotはこれらを1つのプラットフォームで扱えるようにしているところに最大の魅力があります。もちろん先述したCRMやMAといったツールはそれぞれ連携できるようになっていますが、設定するのも面倒な面があり、1つの会社が統合してくれている方が便利なのは自明の理です。

 

主要機能の使い方

A CMS

CMSはコンテンツ管理システムの略であり、著名なソフトウェアではWordpressが最も知られていると思います。HTMLやCSSなどで1Pずつコーディングしなくてもよいので、専門知識がなくても、ぺージを追加・修正できるメリットがあります。CMSなしではちょっとした文字の修正でも制作会社に依頼しないといけないということになりかねません。インバウンドマーケティングで使うようなブログやランディングページは更新頻度も高く、CMSで制作した方がコストや時間の面でメリットが大きいはずです。

HubSpotがMAとして有名なこともあって、CMSはMAの付属品程度のものという誤解があるかもしれません。しかし、HubSpotのCMSは、2020年の『G2 Crowd』CMS部門で1位になっていることからもわかるように、機能が大変優れていると評価されています。G2 Crowdは実際にビジネスで使用している人がツールを評価するもので、世界中のツールベンダーが注目しています。CMSツールの中で評価されているということからもその実力がわかるというものでしょう。

HubSpotのCMSは、ドラッグ&ドロップの直感的な操作だけでぺージを作成でき、SEOに関しても自動で不足点をアドバイスしてくれるなど、ITの専門知識に乏しい方にとっては大変ありがたいツールです。テンプレートも豊富で、用途に応じた様々なタイプからお好みのものを選んで実装するだけですぐにHPをアップできます。オールインワンプラットフォームという利点から、SNSや広告との連携、フォーム設置、アナリティクスでの分析などが簡単にできるため、使いやすさは抜群です。詳しくは下記でも紹介していますのでぜひ参照ください。

HubSpotのCMSの魅力とは?その使い方を徹底解説

インバウンドマーケティングにはWordpressとHubSpotのどちらが向いている?

 

B チャット機能

チャット2無料のCRMを契約すると設置できるようになるウェブチャット。自社のサイトを訪問したユーザーにリアルタイムで対応できるため、ぜひ設置したい機能です。チャットボットも設置できるため、大人数のアクセスがあるサイトでも、人間が対応する内容を大きく限定することで少人数のチームで応対できるようにすることが可能です。もちろん人間が応答できない夜間などの時間帯には、表示しない設定もできる(または対応時間の案内をする)ので、ずっと担当者が張り付いている必要はありません。チャットフローを作成すれば、ユーザーがAという回答をしたらBという表示画面を出すといったことも可能で、細やかな対応をすることができます。詳しくは下記でも紹介していますのでぜひ参照してください。

HubSpotの無料チャットボットを装着してCRMをスタートしてみた。

 
 

C ミーティング調整機能

HubSpot打ち合わせミーティングの候補日時をユーザーに選んでもらうことができる機能です。無料のCRMを契約すると使えるので、こちらもぜひ活用したいところです。使い方は簡単で、GoogleカレンダーやOffice 365カレンダーと同期させることで、相手に自分の空き時間を表示し、選んでもらうだけです。メールや電話で候補日時をあげて、相互にやりとりするという時間や手間は一切必要なく、スケジュールが分かる画面を表示するURLを送るだけですみます。チームの複数人が参加するミーティングも同じようにURLをお送りすれば、メンバーが参加できる時間のみが表示され、相手が選ぶだけですむので大変便利です。

また、ZOOMを使ったWeb会議なら、事前に設定しておくだけで自動で生成された招待URLがメールで相手に送られるので、いちいちZOOMを開いて招待メールを作成し、送るという手間がありません。予定時間前にリマインドのメールを自動で送ることもできるので、丁寧な応対が可能となっています。詳しい使い方は下記でも紹介していますのでぜひ参照してください。

打ち合わせ時間の調整ならHubSpot! ZOOMの予約も自動で送信

 

D フォーム・CTA機能

フォーム5通常は専門知識を要するフォームも、HubSpotならドラッグ&ドロップで簡単に設定が可能。質問の形式もさまざまなバリエーションが用意されており、自由にカスタマイズすることができます。また、ワークフローを設定することで、訪問者がフォームで入力し終わると、Eメールでサンキューメッセージを送ったり、セールスチームへのアラートを送ったりなどマーケティングの自動化が簡単にできるのも魅力です。無料のCRMを契約すれば多少の制限はありつつもフォーム機能は使えるので、ぜひ利用したいところです。

CTAはCall-To-Actionの略で、ウェブサイトの訪問者をリードに転換するのに役立つ機能です。デザインやITの知識がなくても簡単にCTAを設置できます。コンタクトに対しては、属性に合わせてそれぞれに表示するCTAを変えることができ、より効果的なマーケティングを実施することができます。A/Bテストもできるので、その結果を反映すれば、さらによい結果を得られることになります。詳しい使い方は下記でも紹介していますのでぜひ参照してください。

CRMなら無料でも設定可能。HubSpotのフォーム機能の使い方

 

E メールマーケティング機能

Eメールテンプレート種類SNSの普及によりメールマーケティングの手法は古いといった声を聞くことがありますが、これは間違った認識です。2019年11~12月にHubSpot Researchが行った調査によると「直近12か月間にEメールへのエンゲージメントが増えた」と答えたマーケティング担当者の割合は78%にのぼります。また、EメールマーケティングのROIは1ドルの投資に対し42ドルの収益となっているという調査もあります。メールマーケティングは、手法の変遷はあるにしても重要である点では変化がないのです。

しかし、メールマーケティングは分析を行い、システムや広告、SNSなどと連携しないと最大の効果は発揮できません。ただ万人に同じメールを送るのではなく、個人の行動や嗜好に合わせてコンテンツを変え、配信してこそ意味が出てきます。CRMのデータ(購買履歴、ステータス、位置情報など)を活用し、ターゲットのセグメンテーションとパーソナライズを行い、コンタクトそれぞれにとって価値のある情報を配信することが大切なのです。

HubSpotでは、上記に対応したEメールの出し分けが可能です。特定のぺージを閲覧したコンタクトにはこのメールとか、CTAをダウンロードした方に●日後に送るのはこのメールなどとメールを作成し、ワークフローで設定すれば、自動でEメールを配信可能です。

Eメールの作り方は簡単です。豊富なテンプレートが用意されているので、用途に合わせて選択し、ドラッグ&ドロップしていけば、すぐに制作完了です。後は誰に送るのかを選択し、配信すればいいだけ。分析機能が充実しているので、開封率やクリック率などを参考にして改善を図りましょう。A/Bテストの機能もあるので効果を測定しながら最善の手法を常に考えるのも重要です。詳しい使い方は下記でも紹介していますのでぜひ参照してください。

無料から始められるHubSpotのEメールマーケティング

 

F マーケティングオートメーション機能

ワークフロー設定2HubSpotは世界的マーケティングオートメーションのツールとして知られていますが、マーケティングの自動化の機能を担うのがワークフローです。これは、あらかじめ設定した発動条件と合致する状態になったら、自動的に動くという機能。設定さえしておけば人間が関与しなくてもシステムがオートマチックに動作するため、業務効率化につながります。また、ヒューマンエラーがないため、“し忘れる”ということがなく、高い精度で業務を行うことが可能になります

自動化の例としては、Eメールマーケティングやタスク管理などがあります。Eメールマーケティングの例でいえば、資料請求があった日にAというメールを送り、3日後にBというメールを送るとか、コンタクトが特定のランディングぺージを見たらCというメールを1日後に出すなど、細かな設定をすることができます。ちなみに「if/then分岐」をつかえば、さらに細かく設定条件を変えることができます。先ほどの資料請求があった日にAというメールを送るであれば、東京、大阪など大都市在住の人にはAというメール、地方在住にはA2というメールを送るなどパーソナライゼーションが可能になります。その他にもツイッターアカウントを持っていたらA3とか商談までいったがクロージングしていない方が再度ホームぺージを訪問したらA4というメールを送るなどコンタクトの状況に合わせて細やかな対応をすることができます。人間が行えば、漏れが出るような細かな設定でも、システムが自動で行ってくれるため大変効率的です。

タスク管理でいえば、フォームからお問い合わせがあったら自動的にチームメンバーに電話を入れるというタスクを設定するとか、パイプラインの設定で営業のアポイントがとれたらリマインドのメールを送るというタスクを課すといったことが可能です。その他にも営業支援となる設定がいろいろできるため、いわゆるSFAとして活かすことができます

HubSpotの能力を最大限生かすには、このワークフローは極めて重要です。Eメールマーケティング用のシーケンス機能と合わせて活用しましょう。詳しい使い方は下記で紹介していますのでぜひ参照してください。

HubSpotのマーケティングオートメーション機能で効率化を実現!タスク管理も簡単に

 

G SEO機能

トピッククラスター文字数、モバイル対応、タイトル、メタディスクリプションなど数種のSEO対策項目に関して自動でチェックし、適応していないところを警告してくれる機能があり、SEOツールを利用しなくてもHubSpotだけで、SEO対策が可能です。ちなみにHubSpotでホスティングされていなくても、自社のウェブサイトに関する推奨事項が確認できるので、サブドメインだけHubSpotというサイトでも他のドメインをチェック可能です。

また、トピッククラスターを推進する機能があるのもうれしいところ。トピッククラスターは、HubSpotが推奨しているSEO対策で、HubSpotによると「特定のトピックを中心に関連性のあるブログ記事をグループ化するというもの」です。トピッククラスターは3種類の記事で構成されます。

1.ピラーぺージ(核となるぺージでガイダンス的役割を果たすぺージ)

2.クラスターぺージ(ピラーぺージでガイダンスされたサブトピックをさらに解説したぺージ)

3.クラスター分岐ぺージ(クラスターぺージで解説したものをさらに落とし込んで解説したぺージ)

内容によっては1と2だけで済む場合もありますが、1から3まででトピックを網羅できれば、確実にピラーぺージの順位は上がります。HubSpotには、このトピッククラスターを支援する機能があり、手順通りにリンクを貼り、作成していけば自然とトピッククラスターができるようになっています詳しい使い方は下記で紹介していますのでぜひ参照してください。

HubSpotならSEOも安心!トピッククラスターの活用でブログの効果的な対策を。

 

H SNS連携

公開設定LINE、Twitter、Facebook、Instagram、TikTokなどSNSは今やデジタルマーケティングにとって不可欠なツールとなっていますが、HubSpotにはこのSNSマーケティングを支援する機能が備わっています。例えば自動でSNSを発信する機能。あらかじめ設定しておけば、ブログを更新するごとに自動でSNSを発信してくれます。いちいちSNSツールをそれぞれ開いて発信する必要がないので大変便利です。

また、モニタリング機能があり、Twitterでツイートする内容を確認できます。例えば顧客やリードのリストをモニタリング対象リストに登録しておけば、自社商品についてツイートしたときにいいねやメッセージを送るなどすばやく対応し、アフタフォローに役立てることができます。SEOで重視しているキーワードを登録しておけば、その言葉をツイートしている人にコミュニケーションをとることが可能になります。ライバル企業のSNSをモニタリングし、分析しながら自社のマーケティングに活かすこともできるようになります。このようにモニタリング機能はさまざまな用途に使えるため、ぜひ利用すべきでしょう。

レポート機能もあり、オーディエンス、記事数、コミュニケーション数(いいねやコメントの数)などのSNSマーケテイングの状況を簡単に把握できます。SNS連携機能の使い方については下記にて詳細に解説しているのでぜひこちらもご覧ください。

集客に高い効果を発揮!HubSpotのSNS連携の使い方

 

他のマーケティングオートメーションとの比較

マーケティングオートメーションは数多く存在しますが、HubSpotは他とどこが違うのでしょうか?一番の違いはインバウンドマーケティングに最も効果を発揮する機能を備えているということでしょう。デジタルで集客する主な手段としては広告かコンテンツ制作しかありません。広告は短期的には効果がありますが一過性のものであり、中長期で見ればブログやランディングぺージ、SNS、動画などでコンテンツを作成し、コンテンツの力で潜在顧客を誘引すべきです。HubSpotほどこのインバウンドマーケティングを行うのに便利なツールはありません。コンテンツ制作に便利なCMS、メールマーケティング機能、チャット、フォーム、CRM、自動化機能など上記した機能がワンパッケージになっており、その使いやすさは他の追随を許さないといっても過言ではないでしょう。世界的に普及しているのがその証左といえます。

もちろん、SalesforceやMarketo、SATORIといった優れたマーケティングオートメーションツールは他にもあります。これらはリードがある程度いて、マーケティングオートメーション機能によって顧客化するというMAらしい機能においてそれぞれ特徴があるといってよいでしょう。HubSpotは潜在顧客を誘引してリード化し、顧客にするというインバウンドマーケティングの機能で優れているのです。価格面においても主要なマーケティングオートメーションツールの中では、安い部類といえます。CRMは無料から使え、スモールスタートがしやすいという特長も魅力の一つです。SalesforceやMarketo、SATORIとの比較は下記にて詳細を紹介していますので、ぜひご覧ください。

HubSpotとSalesforce(Pardot)の比較から分かる導入に向いている企業とは?

導入前にチェックしたいHubSpotとSATORIの性能比較

導入前にチェックしたいHubSpotとマルケトの性能比較

 

新規CTA

Topics: CRM, HubSpot, CMS

デジタルブログ編集部
執筆 デジタルブログ編集部

ゼクシィネットなどの数多くのメディア制作に携わった後、Investing.com日本版編集長。現在はデジタルマーケティング統括責任者。メディアで培ったノウハウを生かし、HubSpotを中心としたデジタルマーケティング、コンテンツマーケティング、インサイドセールスなどを中心に執筆。HubSpot導入コンサルタントとしても活動中。