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中小企業がやるべきオウンドメディアの作り方

2020年12月23日 (公開 :2020年6月24日)

売上アップのために今や欠かせないインフラとなっているのがオウンドメディアです。オウンドメディアは24時間365日休みなく広報し、集客をし続けてくれる、人手が不足している中小企業にとっては非常にありがたい存在です。そんなオウンドメディアを活用しない手はありません。オウンドメディアをどのように作ったら良いのか、そのポイントと具体的な方法について解説します。

 

オウンドメディアを作る前に決めておかなければならないこと

 A 目的を決める

よくありがちなのが社長の一声でオウンドメディアを作ることになったものの、KPIやペルソナ設定など目的が曖昧なまま中途半端に制作をスタートしてしまうというものです。中小企業は大企業と異なり、オウンドメディアにかける予算が潤沢にあるわけではありません。失敗したらやり直せば良いというトライ&エラー方式では時間と資金のロスが大きくなってしまいます。

オウンドメディアの制作に取り組む前にしっかりと目的を設定することで、時間も資金もロスを少なくすることが可能です。また、オウンドメディアの完成後にはしっかりと狙った効果や成果を得られるものになり、活用にもつながります。

 

B 目的に合わせた集客チャネルの選定

オウンドメディアと言えばイメージされやすいのがホームページなどのウェブ媒体ではないでしょうか。ウェブ媒体でも、専門化に手を入れてもらって情報の追加やデザインの修正を行なっていくものと、ワードプレスのように自分たちで修正やコンテンツ追加を行えるものとがあります。

オウンドメディアにはSNSという選択肢もあります。SNSは拡散力が高く集客する上では非常に有効です。しかし、拡散されるためにもフォロワーの獲得が必要で、SNSアカウント立ち上げと同時にフォロワー戦略を始める必要があります。また、SNSは拡散などで瞬発力はあるものの、タイムライン上で情報が流れてしまうので、古い情報は見られなくなってしまいます。そのため長期間コンテンツをストックしていきたい場合には向いていません

ウェブの場合、多くの新規顧客は検索エンジン経由でたどり着くため、集客の肝となるのはSEOとなります。どんなキーワードで検索するのか、検索上位になるためにはどんなウェブサイトにする必要があるのかを意識していく必要があります。ウェブサイトにはブランディング力やコンテンツのストック力がある反面、SNSのような瞬発力や顧客とのコミュニケーションは難しい傾向にあります

チャネルの選定は運用体制や目的に応じた選択が必要です。

 

C 制作体制の構築

オウンドメディアのプランが固まって実際に制作に入る前に必要なのが制作体制の構築です。計画に沿ってオウンドメディアを制作するには、ディレクター、デザイナー、プログラマー、ライターが最低限必要になります。さらに言えば、カメラマン、マーケターもいればより充実するでしょう。会社内部に担当できる人材がいるか、または外部の人材に委託するのか、予算と合わせて検討が必要です。

 

 オウンドメディア制作の4つのポイント

 オウンドメディア制作の4つのポイント

A コンテンツ制作

オウンドメディアの重要なパートを担うのがコンテンツです。どのようなコンテンツを展開するのが効果的なのか戦略を練る「コンテンツマーケティング」という専門分野まであるほどです。コンテンツとは、ウェブに来た来訪者が目にするウェブの中身・内容のことで、多くは文章ですが、最近では動画コンテンツも増えてきています。

会社の魅力や商品の特性など、社内の人材の方が詳しく情熱もあるという反面、ユーザーにわかりやすく届く文章が書けるかどうかは技術的な問題もあります。社内に文章力、表現力が豊かな人材がいれば担当してもらうのが良いでしょう。

コンテンツのライティングは外部のライターに依頼することも可能です。経験のあるライターであれば自分の知識や経験も踏まえつつ、SEOも意識してターゲットに合わせた文章を作ることが可能です。しかし、あくまで主軸となるのは発注内容なので、良い原稿になるかどうかは発注する際の構成やテーマの選択が重要になります。

 

B CMS

ウェブを1から開発するのには時間もお金もかかります。オウンドメディアをいち早く立ち上げたい場合や、更新頻度を高くして活用した場合などはCMS(コンテンツマネジメントシステム)がおすすめです。CMSの代表例としてワードプレスが挙げられます。ウェブ言語などを覚えなくともオウンドメディアが作れるシステムで、デザインなどもテンプレートから選べます。

集客や売上アップを目的としたオウンドメディアを目指す場合に検討したいのがHubSpot のようなMA(マーケティングオートメーション)です。ワードプレスのようなシンプルなCMSの機能に加えて、CRM(顧客管理)機能も備えており、マーケティング、セールス、カスタマーサービスを統合的に設計することができます。

MAはワードプレスでも後からオプションで加えることも可能ですし、有料無料のものがありますので予算や目的に応じて組み合わせると良いでしょう。

 

C デザイン

人は第一印象が重要とよく言われますが、オウンドメディアも第一印象がとても重要です。最初にウェブを開いた直後のデザインでどんなサイトなのか、どんなユーザーにむけて作られているのかをある程度イメージさせてしまいます。

CMSにはテンプレートがあるので、その中からイメージ近いものを選ぶのが簡単な方法ですが、他社との差別化やオリジナリティを重視したい場合にはデザインのカスタマイズができるデザイナーに外部発注するのが良いでしょう。

 

D 社内体制

オウンドメディアの制作ができる専門家がいないから全て外注で良いかと言えば、そんなことはありません。外注先へ目的や思い、工程を伝える窓口となる担当者が最低でも必要です。目的によっては営業部門や管理部門の人材も必要になるかもしれません。オウンドメディア制作のための社内チームを構築することが必要になります

ありがちなのが、結果が出るのを経営陣が待ちきれずに途中でプロジェクトを中止してしまうことです。また、予算が不足してしまい中止または規模縮小を余儀なくされることもあります。そうならないためにはKPIをしっかりと設定し、細かい進捗確認と経営陣へのレポートも行う必要があるでしょう。

プロジェクトを達成しやすいように社内の専任担当者の役割と外部制作陣との役割を決め、マネジメントしていくことが求められます。

 

まとめ

集客、営業の効果が高いオウンドメディアは中小企業にとっては不可欠な存在です。オウンドメディアを制作する際には、目的や媒体の選定、制作体制の構築などの事前準備が不可欠です。また、実際の制作に入ったときには社内・社外に関わらずプロジェクトチームメンバーとのコミュニケーションをしっかりと取って進めていくことが必要です。目的達成できるオウンドメディア制作にぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか。

Topics: CRM, オウンドメディア, 中小企業

伊藤孝介
執筆 伊藤孝介

セールスプロモーション会社を経て独立し、フリーランスで地方自治体や中小企業のマーケティングリサーチ、販促企画などに携わる。 業務拡大のため2017年に合同会社を設立し、現在経営中。Webマーケティング・集客戦略をストーリーテーリングという手法を使って実践。マーケティング系ライター歴7年。マーケティング用語の解説や、事例紹介、WEBマーケティングなどが得意。