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海外のアパレル最新事例の紹介〜顧客との新たな関係性づくり〜

2021年2月26日 (公開 :2021年2月26日)

新型コロナウィルスの影響であらゆる企業がその対応を求められています。アパレル業界もその一つです。外出自粛の影響で実店舗への来訪者が少なくなり、売上も大きく影響を受けています。その結果今までと同様のビジネスではなく、大きな変化が求められています。本稿では海外アパレルがウィズコロナでどのように対応しているのかの最新事例をご紹介します。

 

📚 目次
      1.  
      2.  1 Nike
      1.  2 Cotopaxi
      1.  3    Stitch Fix
      2.  4  アパレルでこれから成功するためのポイント
      1.            A  顧客エンゲージメント
      2.            B  ブランド哲学
      3.            C  販売以外のサービスの展開
      4.   まとめ
    1.  


Nike

Nikeは新型コロナウィルスの中でも中国で2020年に前期比30%アップを記録しました。Nikeはコロナウィルスに関係なく、2017年からD2C領域「Nike Direct」を推進しました。Nikeの成功はただECサイトを作成するだけでなく、顧客とのエンゲージメントを高めたことです。

ECサイトでの販売の促進だけでなく、Nikeがまず力を入れたのは提供している様々なアプリをDLしてもらうことです。Nikeは、ショッピングアプリとなる「Nike+」以外に、限定商品の展開、インフルエンサー情報を提供する「SNKRS」、トレーニングアプリなどを展開しています。ダウンロード促進の結果、前四半期80%もアプリのアクティブユーザーが向上し、ECサイトでの販売につながっています。

Nikeなどのアパレル商品は日常的に買われ続けるものではありません。そのため、いくらコンバージョン上昇を目指しても売上げアップにはつながりません。そこで重要になるのが顧客のロイヤルティー向上です。ECサイトを利用していないときでも、ブランドのストーリーを伝え、Nikeと関わりをもたせるようにすることで新型コロナウィルスのような影響を受けることなく売上を伸ばすことにつながります。


Cotopaxi

Cotopaxiは、PatagoniaやNorth faceのようなアウトドアブランドです。Cotopaxiの特徴はD2C、そしてミレニアル世代向けのアウトドアブランドであるということです。Cotopaxiが成功した要因は、「Gear for Good」というブランド哲学でソーシャルグッドなブランドを立ち上げたことです。ブランド哲学だけでなく、実際の行動にも裏打ちされています。例えば、社会貢献活動の一環として需要を作るためにアメリカ国内工場だけにこだわったり、売上高の1%を貧困の撲滅や教育支援などに関わる非営利組織に寄付などをしたりしています。また、販売する際にもソルトレイクシティで住んでいる難民からの直筆の感謝状を添えて発送するなど、ブランドの哲学の具現化がされます。

ミレニアル世代はデジタルでのコミュニケーションも増えている中で、この世代を攻略するポイントの一つがソーシャルグッドです。ブランド自体のかっこよさだけでなく、ブランドがどのように社会に貢献しているのか等が売上に大きく影響を受けています。このようにブランドの目的を設定し、新たな顧客との関係性を築くことが求められ始めています。


Stitch Fix

アパレル企業以外にも様々なサービスが提供されはじめています。Stitch Fixはオンラインスタイリングサービスです。希望する価格帯、サイズ、体型、ライフスタイル等を答えると、プロのスタイリストがその質問にあったコーディネートをしたものが届きます。そこで気に入った服はそのまま購入でき、気に入らなければ送り返すというものです。アメリカでは、すでにアクティブユーザー数が350万人を超えて、純利益4億ドルを超えています。

Stich Fixの大きな特徴は、サブスクリプションサービスではないということです。このようなサービスの多くはサブスクリプションで展開していますが、解約忘れのリスクなどがあるため抵抗がある場合もあります。しかし、Stich Fixは、1回20ドルで気軽に利用できます。また全てをテクノロジーで行うのではなく、プロのスタイリストと役割を分担することで効率化を図りつつ、クオリティーを提供しています。

Stich Fixはスタイリングのみのサービス提供ですが、アパレル企業もただ商品を提供しているだけでなく、顧客に新たな価値できるようなサービスを提供することでビジネスチャンスを広げることにもつながることができます。

アパレル

アパレルでこれから成功するためのポイント

海外のアパレルの最新事例をご紹介しましたが、最後にアパレルが今後成功していくためのポイントをご紹介します。


顧客エンゲージメント

アパレル業界でどうしても意識してしまうのは売上やECサイトへのコンバージョンかと思います。しかし、FMCGや日常品と違い、毎日購入するものではありません。そのため重要なのは顧客のロイヤルティーを上げたり、顧客とのエンゲージメントを高めたりすることです。ブランドと毎日接点を持てるような仕掛けをすることがおすすめです。アプリをダウンロードしてもらうことで接点を作成し、SNSやインフルエンサーを通すことなどで販売のタイミング以外で顧客との接点を作っていき、関係性を築きましょう。


ブランド哲学

ミレニアル世代、Z世代と言われている今後消費の中心と言われる世代を攻略するポイントは、ただカッコいいやおしゃれというだけでなく、社会への貢献などのブランド哲学があることが求められています。ビジネスをどのように展開するのか、売上をどのように伸ばすかだけでなく、どのように社会に貢献するのか、どのような課題を解決したいのかなどを検討しましょう。


販売以外のサービスの展開

アパレルというとどうしてもプロダクトの販売での売上を意識してしまう可能性があると思います。しかし、顧客との関係性を築き、売上を上げるのは販売だけではなく、新たな価値を提供することで可能となります。新たな価値を提供するためのポイントは、顧客が抱えている課題や潜在的な不安を見出すことです。課題や不安を理解することでそこに答えるような新たなサービスの検討につながるでしょう。


まとめ

新型コロナウィルスの影響もあり、アパレルは大きな打撃を受けているといわれています。しかし、顧客を理解した上で新たなサービス、価値を提供することで新たなビジネスチャンスを生むことができます。そのためにも、まずは顧客の課題や不安を考えてみることから始めてはいかがでしょうか。

Topics: デジタルマーケティング

執筆 海野健

マーケティング支援会社のストラテジー部門に10年在籍。自動車、金融、FMCGなど多種な業種において、商品マーケティング戦略や商品コミュニケーション戦略開発、デジタルマーケティングを担当。また、東南アジア駐在経験があり、現地でのマーケティング案件に携わり、グローバル・マーケティングの知見も広い。