リード(見込み顧客)獲得し、それぞれのニーズに合わせた適切なアプローチを行って契約につなげるのは、ビジネスに欠かせない基本の流れです。しかしながら、集客や契約率の面で課題を抱えている方も多いのではないでしょうか。
契約まで一連の流れを自動化して、ビジネスの効率化を実現するのが、MA(マーケティング・オートメーション)ツールと呼ばれるものです。最近ではその需要の高さから数が増えて機能も多様化してきています。今回は、数あるMAツールの中でも、特にオススメすべきHubSpotとSalesforceが提供するPardotの特徴や利用料を比較して、どういうタイプの企業に適しているのかをご紹介します。
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HubSpotとは
HubSpotとは、インバウンドマーケティングで有名ないHubSpot社が提供するMAツールです。
それでは、HubSpotの特徴について見ていきましょう。
便利機能が無料で利用できる
HubSpotには、数あるMAツールの中でも特に多様な機能が備わっています。問い合わせフォームの作成機能、チャット機能、メール配信機能など、便利な機能ばかりです。そして、驚くべきはほとんどの機能が無料で始められること。まずはお試し感覚で、一連の機能を無料で幅広く使ってみると良いでしょう。
インバウンドマーケティングに適したCMS
HubSpotには、既存顧客の管理や追客機能だけではなく、ウェブサイトやブログ記事を作成できるCMSツールも備わっています。自社製品の紹介や関連情報をまとめたページを作成して、Web上に公開が可能です。架電や訪問営業など人力に頼った地道なアポ取りをすることなく、HubSpotで作ったページを見た上で問い合わせをしてきた確度が高いリードの獲得が見込めます。
初心者でも簡単に使える
HubSpotはIT知識があまりなくても使えます。多くの機能がありますが、編集や設置にはプログラミングなどの専門知識は基本的に必要ありません(オリジナルデザインにこだわるなど状況によっては必要な場合もあります)。自動返信のチャット機能やフォームの作成は、通常であれば複雑で時間も手間もかかる難しいものですが、HubSpotであれば直感的かつ簡単に利用できます。
SalesforceのPardotとは
Pardotは、Salesforceドットコム社が提供するBtoBマーケティングに適したMAツールです。特徴をいくつかご紹介します。
パーソナライズされた動的な追客
Pardotでは、ツール内で管理しているリードそれぞれの属性やこれまでのやりとりなどのデータから、その人にとって最適なコンテンツを配信することができます。また、コンテンツの内容のみならず、これまでの連絡した時間や、メールの開封が行われた時間から判断して、コンテンツを配信する時間までコントロールが可能です。これによって、マーケティングの自動化だけでなく、それぞれのリードに対して的確なアプローチを実現します。
Salesforceとの連携でさらに便利に!
PardotはSalesforceのツールです。当然のことながら、顧客管理などを目的として既にSalesforceのCRMを利用している場合は、Salesforceで管理しているデータをPardotと連携して追客などを行うことによって、より効率的かつ効果的な利用ができます。
レポート機能が充実
Pardotはレポート機能も魅力的です。管理している見込み顧客それぞれのWebやメールの閲覧履歴などから、リードの成約確度をスコアリングして適切なアプローチできます。また、データは自動で分析されてグラフや図に変換されるため、Webマーケティングが苦手な方や初心者でも安心して利用可能です。
機能比較
HubSpotはCMS機能があり、顧客の獲得に長所
HubSpotの魅力は、やはりブログやウェブページの作成をはじめとするCMS機能です。リード獲得の裾野を広げて、こちらからのアプローチをせずとも確度の高い見込み客が自然と流入してくるような状態を実現します。問い合わせの数や広告に対する反響数など、集客に課題を感じている場合は、HubSpotが最適です。また、操作性に優れ、エンジニアに頼らずマーケティング担当者だけで操作が完了できるのも魅力の一つです。
PardotはCRMとの連携で、ナーチャリングに長所
一方でPardotは、既に獲得しているリードに対して適切なアプローチを行なって、契約までもっていくことに適しています。これまでは成約まで至るのが難しかったような案件でも、Pardotで課題を解消し成約を得られるでしょう。問い合わせの数や見込み顧客の数がある程度満たされている中で、契約獲得率に課題を感じている場合に最適です。
料金比較
実際にHubSpotとPardotの料金を比較してみましょう。
HubSpotの料金形態
HubSpotの料金形態はMarketing Hub、Sales Hub、Service Hub、CMS Hubと機能ごとに4タイプがあります。こちらでは、主要機能が揃っているMarketing Hubの有料プランを基準にご紹介します。
A Starterプラン
Starterプランは最もベーシックなプランです。ブログなどのCMS機能は別途で費用がかかりますが、リードへのアプローチに必要なすべての機能を利用できます。
月額6000円から利用可能です。
B Professionalプラン
Professionalプランは、CMSを含むほとんどすべての機能が利用できます。
管理するチームが高度な機能を使わないのであれば、このプランがおすすめでしょう。
月額9万6000円から利用可能です。
C Enterpriseプラン
Enterpriseプランは、HubSpotに搭載された全ての機能が使えるプランです。
会社全体など、人数の多い大掛かりな利用をする場合は、このEnterpriseプランが選択肢に入ってくるでしょう。
月額38万4000円から利用可能です。
Pardotの料金形態
Pardotの料金形態はプランごとに異なり、3種類あります。
A Growthプラン
GrowthプランはPardotの中で最も安いプランです。
各種利用の制限が多少ありますが、人工知能を活用した機能を除く、ほぼ全ての機能を利用できます。
料金は1年契約で月額15万円です。
B Plusプラン
Growthプランの次はPlusプランです。
人工知能を活用した機能を除く、全ての基本機能を利用できます。
料金は1年契約で月額30万円です。
C Advancedプラン
Pardotを制限なく完全に使いこなすならAdvancedプランです。
全ての基本機能を利用できます。
料金は1年契約で月額48万円です。
まとめ
今回は、MAツールであるHubSpotとPardotの特徴についてご紹介しました。どちらも便利な機能を持ち合わせたツールということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
結論をまとめると
既存見込み顧客と予算に余裕がある大企業ならPardot
安価に新規リード獲得から始めたい中小企業ならHubSpot
HubSpotはこれからリードを獲得したい企業に向いており、インバウンドマーケティングを展開し、質の良いリードを創造するのに向いています。Pardotはすでに相当数のリードがあり、それを効率よく顧客化するのに向いているといえるかもしれません。価格では無料のCRM機能もあるHubSpotが有利ですが、それぞれの特徴をしっかりと見比べて、自社にあったツール選びをしましょう。