ITの力をもってビジネスを効率的にするMA。実際に導入しようにも、どんな機能が必要で、どんなサービスがオススメかわからないものです。そこで今回は、特にオススメしたいHubSpotのMA機能について、ワークフローを活用してあらゆることを自動化する方法と便利機能をご紹介します。
5⃣ まとめ |
マーケティングオートメーション導入の効果
A そもそもMA(マーケティンングオートメーション)とは?
そもそもMA(マーケティングオートメーション)とは何なのでしょうか?
MAとは、マーケティングオートメーションという名の通り、マーケティングの自動化を指す言葉です。具体的には、あらゆるビジネスにおいて、見込み顧客の集客やそれらの成約までの道のり、その後のカスタマーサクセスなどのあらゆるデータを管理、可視化、自動化して、ビジネスをより無駄なく効率化するための機能をもったものの総称を示します。MAに備わっているツールは、利用するサービスによって様々ですが、主に以下のようなものです。
・WebサイトやEメールのアクセス解析
・顧客属性による表示コンテンツの変更
・顧客管理ツールとの連携
・メールマーケティングやSNS・広告連携などの自動化
などが挙げられます。
B MA導入のメリット
ビジネスにおいてMAを導入すると、たくさんのメリットがあります。特に大きい2つのメリットをご紹介します。
ビジネスの見える化
まずは、MAツールを導入すると、ビジネスにおけるあらゆることが見える化されることです。どれだけ優れた施策を実行したとしても、その効果がどれだけあったのか、どれだけの人にリーチしたのかなどの成果が、目に見えて分からないと意味がありません。経営判断に使う数字が得られなかったり、説得に根拠がかけたりするというような課題が生じます。そこで重要なのは、ビジネスを可視化することです。
配信したメルマガがどれだけの人に見られているか、どのような顧客がどれだけいるかなどを数値として表すことができるので、無駄なく論理的に説得力のあるビジネスを進められます。これによって、現状の課題やその原因の分析も精度高く行えるようになり、正確かつ迅速なPDCAを実現します。
チームの全体効率
またHubSpotは、チーム全体を効率化することに優れています。特にこの後にご紹介するタスク管理機能を利用すれば、会社全体や他部署でタスクの割り振りができるなど、連携がよりスムーズになります。MAツールを導入すると、目先の仕事だけでなく、セールスに関して組織を全体的に見直しすることになり、チーム全体の効率が高まることも大きいのです。
HubSpotの自動化機能
それでは実際に、HubSpotで利用できる自動化機能の紹介と使い方をご紹介します。
A ワークフローとは?
まず、HubSpotのワークフローとは、事前に発動条件を設定しておき、その条件を満たすことが起きれば自動でそれに応じた動作を発生させるものです。ワークフローの設定と動作に関する具体例は、
・HubSpotに登録している顧客(コンタクト)のステータスが「契約中」に変わったらサービスの使い方に関するメールを送信する
・午前と午後でブログのテンプレートを差し替える
・CTAのダウンロードやフォームからのお問い合わせがあったら、サンクスメールの自動送信と対応する社内メンバーへのタスク設定をする
・特定のWebぺージをコンタクトが3回見たら、案内メールを自動送信する
など多種多彩です。
B ワークフローのメリット
HubSpotのワークフロー機能を利用するとどのようなメリットがあるのでしょうか?
業務効率化・負担軽減につながる
ワークフロー機能の一番の魅力は、作業の自動化です。普段の業務を見直してみて、手を動かすだけの作業的なタスクがあれば、できれば自動化して少しでも楽にしたいものでしょう。ワークフローでそれらを自動化したら、HubSpot上で行う作業に関しては自分でやる必要がなくなり、自分が本来やるべき仕事に専念できます。これによって、業務効率化と業務負担の軽減を実現できるのです。
未対応がなくなる
自動化をすることによって、日頃の業務が楽になることはもちろんですが、ワークフロー機能だからこそ実現できることがあります。それは、人間がやると多忙やミスでついつい後回しや実行しないといったことが起こりがちなマーケティング活動の漏れがなくなるということです。自動化なので、ツールが作動している限り必ず行動してくれるため、ミスやロスがないというのも大きな利点です。
C ワークフローの設定方法
手順1:アカウントメニューから「ワークフロー」を選択
HubSpotにログインして出てくるアカウントメニューの中から、「自動化」/「ワークフロー」を選択します。
手順2:ワークフローのタイプを選択
続いて、作成するワークフローの種類を選択します。HubSpotのワークフロー機能では、全くのゼロベースから作成することもできますが、初めて設定する方や用途が決まっている方向けに、テンプレートも用意されています。このテンプレートを使えば、手間をかけることなく簡単にワークフローが作成可能です。
手順3:自動化の発生条件を設定する
続いては、これから登録する動作が発生する条件を設定します。編集画面右側にあるパネルで、自動化の発生条件を設定しましょう。条件の設定画面は、直感的にわかりやすいような図で表現されるため操作も簡単です。
手順4:自動化する動作を登録する
先ほど設定した条件に対して、何を行うかを登録します。こちらも条件同様に簡単です。
手順5:詳細設定をする
ここまでできたら、動作の設定をします。自動化による動作を発生させる日時などはここで設定しましょう。
シーケンス機能
HubSpotには、MAの一つとしてシーケンス機能というものもあります。シーケンス機能とは、HubSpotのEメール配信機能と連携してメールマーケティングの自動化ができるものです。
A HubSpotのEメール
シーケンス機能を詳しく説明する前に、HubSpotに搭載されているEメール機能について簡単にご紹介します。HubSpotでは、登録しているコンタクト(顧客)に対して、メールを作成し、一斉送信が可能です。用意されているテンプレートを利用すれば、魅力的なメールが簡単に作成できます。また、送ったメールの効果検証も簡単です。
B Eメール配信をシーケンス機能で自動化
では、このEメール配信を自動化できるシーケンス機能についてご紹介します。
1 宛先を絞り込んで自動配信
シーケンス機能を使えば、メールが自動送信できるだけでなく、メールの送信先の絞りこみが可能です。HubSpot上に登録しているコンタクトは、名前やメールアドレスの他に、性別や年齢、所在地などの登録もできます。このような登録項目を利用して、条件によって該当するアカウントを絞りこんで、メールを自動で一斉に配信してみましょう。
例えば、60歳以上のお客様を対象に老後の不安を解消するようなメールを送信するなど、このような指示を行いさえすれば、HubSpotのデータが自動で絞り込まれて、メール送信がなされます。
2 データを分析して効率化を高める
シーケンス機能を使わずにHubSpot上で、メール配信を行った場合にも使える機能ですが、HubSpotには送信したメールの効果検証が行える機能が備わっています。シーケンス機能で自動送信したメールに関しても、この分析機能は利用できて、メールの開封率やクリック率などの情報が自動作成されレポートとして閲覧可能です。これを利用することによって、顧客はどのようなところに注目していて、どの部分で離脱してしまったのかなどを見ることができます。
タスク管理
HubSpotにはタスク管理機能もついています。
A タスク管理機能とは?
タスク管理機能とは、その名の通り、業務でやるべきことを適切な形で管理できる機能です。HubSpot内でやるべき処理だけでなく、それ以外の通常業務のタスクも登録することによって、ビジネスの全体管理が簡単になります。
B タスク管理機能の使い方
タスクの登録
HubSpotでタスクを登録する方法はいくつかあります。一番標準的なタスク登録方法は、アカウントメニューの「タスク」から登録する方法です。画面右上の「タスク作成」から必要な項目を入力しましょう。それ以外のタスク登録の方法としては、設置している入力フォームにユーザーからの入力があったら、その人の対応について自動でタスク作成される設定にしている場合や、登録している見込み顧客のステータスを変更したら、変更後の担当者宛てに自動的に「対応する」というタスクが登録される場合など様々です。
タスクの割当
タスクの管理画面では、1つのタスクをカードのように、ドラックして移動することができます。これによって、タスクを別の担当者に割り振ることが非常に簡単です。登録メンバーを自部署のメンバーだけにすれば、部署で受け持ったタスクを各メンバーにアサインできるというメリットがあり、また、他部署のメンバーも追加すれば、商談・成約・カスタマーサクセスなどという顧客のフェーズによって変わる担当者の変更も簡単です。タスクの中に顧客の情報を含めていれば、口頭で状況を伝えて引き継ぎをするというような手間を必要とせず、正確かつスムーズにエスカレーションできます。
まとめ
今回は、HubSpotで使える便利なMA機能についてご紹介しました。ワークフロー機能とシーケンス機能に関しては、Marketing HubやSales Hubといった有料版でのみ利用できるものになります。まずはコンタクト管理やEメールマーケティングなど、HubSpotの少額もしくは無料で利用できる基本機能でも充分に便利です。これらを利用してみて、もっと本格的にしたいということになれば、有料版を導入して便利機能を使いながらビジネスを無駄なく効率化しましょう。