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インバウンドマーケティングにはWordpressとHubSpotのどちらが向いている?

2021年8月6日 (公開 :2020年8月19日)

ブログを作成して、運用する上で欠かすことができないCMSツール。中でも、よく知られているのは、WordPressですが、低価格に使えるHubSpotもオススメです。どちらもブログを制作していくのに優れたツールとして利用されていますが、どちらかというとマーケティング担当者向けのHubSpotがプログラミングなどのIT知識が少なくても扱えるようになっています。一方で、WordPressはオープンソースのプラットフォームであり、技術者の支援が必要なことが多いです。

ちなみにWordPressで作ったブログをHubSpotに移行したり、HubSpotの機能をWordPressで使ったりなど2つのツールは連携が可能です。今回は、WordPressとHubSpotの比較をご紹介しますので、どちらが自社に向いているか確認してみましょう。

目次

HubSpotとWordPressの特徴

SEO

分析

セキュリティ

その他

WordPressをHubSpotへ移行させる方法

まとめ


HubSpotとWordPressの特徴

それでは、まずHubSpotとWordPressそれぞれの特徴をご紹介します。

1  HubSpotの特徴

A  コーディングなしでサイト作成ができる

HubSpotの最も重宝されている特徴として、テンプレートを使えばコーディングが不要であることが挙げられます。ウェブページの作成を、最初から最後までコーディングをせずに行うことができるのです。プログラミングに関する知識や経験がない方であっても、ドロップ&ドラッグを中心に、直感的な操作だけで使えます。また、社内のエンジニアチームへの負担をかけることなくサイトを作りたいという場合にも、最適です。

B チャット機能

HubSpotには、チャット機能が搭載されています。チャット機能とは、HubSpotのCRMで作成したサイトやブログの訪問者とリアルタイムでチャットができる機能です。今まさに会社に興味を持とうとしている見込み求職者とリアルタイムでやりとりをすることによって、企業の魅力や温度感を高めたり、その場で面接や説明会への誘導などのアプローチが行えたりという効果があります。通常、WordPressで実装するとなると、多大なる時間とコストがかかるものですが、HubSpotであれば簡単に設置可能です。
チャット2
C 独自のCRMツールと同時利用して一貫したインバウンドビジネス

HubSpotにはCMSの機能以外に、メールやチケット管理機能をはじめとした顧客管理システム(CRM)も搭載されています。HubSpotでは、CMSで作成したコンテンツで獲得した見込み顧客を、フォーム機能などを使ってHubSpot上に情報を蓄積し、適切な管理やアプローチまで行うことが可能です。HubSpotのCMSとCRMを組み合わせて使うことによって、HubSpotひとつで集客から成約まで、インバウンドビジネスを一貫して効率化できます。

2 WordPressの特徴

A 柔軟なカスタマイズ性

WordPressでは、ページの作成や編集にはほとんどの場合、プログラミングをしてコードを書かなくてはいけません。一見、面倒臭く感じてしまうかもしれませんが、手間と専門知識を必要とするだけあって、サイトを柔軟にカスタマイズすることが可能です。自由にこだわりをもったサイトを作るのであれば、WordPressは魅力的です。

B プラグインやテンプレートの多さ

WordPressは、合わせてご紹介しているHubSpotよりも利用者が多いです。ブログのCMSとしては、大定番であるため、WordPress独自のプラグインやテンプレートが、至る所で作成され公開されています。そのため、プラグインを適用して簡単に機能を拡張できたり、テンプレートを利用して最小限のコーディングのみでクオリティの高いサイトを作成することが簡単です。

 

SEO

Googleで検索の上位するために重要なSEO。WordPressとHubSpotで、このSEOを強化するには、どんな方法があるのでしょうか。それぞれ関連機能をご紹介します。

1 HubSpotのSEOツール

HubSpotでは、SEOツールが搭載されています。HubSpotの中で、サイトを自動で分析してSEOに関する課題を共有してくれるものです。サイトのGoogle評価をいかにしてあげるか、現状の課題を対応すべき優先度順で表示されます。SEOに関する知識がない方でも、リストの上から順に対応するだけで、サイトの評価が上がって、より多くの人にサイトが閲覧されるような状態に改善が可能です。
HubSpotのSEO
2 WordPressのSEO改善は検索して原因を追求</h3>

一方で、WordPressには専用のSEOツールなどは搭載されていません。しかし、その代わりに、WordPressは利用者が多いため、SEOに関するノウハウはWebで検索しさえすればいくらでも見つかります。利用者の知見がWeb上で蓄積されていて、いつでも確認できるのは、HubSpotにはない魅力です。まずは、「WordPress SEO」などのワードでGoogleで検索してみて、気になるところから対策を行なっていくことが確実でしょう。

 

分析

1 HubSpotのアナリティクスツール

HubSpotには、CMSで作成してWeb上に公開したコンテンツがどのくらいの人に閲覧されているかというレポートが他の分析ツールを使うことなく確認できるアナリティクスツールがあります。各ページの表示回数(PV数)だけでなく、Googleの検索やSNS、他の記事からの遷移など、どのようなきっかけでページに辿りついたのかというような情報もすぐに確認できるのです。これらのデータを分析することによって、PDCAを回しながら戦略的なコンテンツ展開ができます。もちろん、このHubSpot独自のアナリティクスツールの他にも、Google Analyticsでの計測も可能です。

2 WordPressでの計測と分析はGoogle Analytics

WordPressでは、CMS内で独自に計測と分析ができません。その代わりに、Google Analyticsをはじめとする分析ツールを利用して、サイトの訪問者数などの数字を分析しましょう。Google Analyticsとの連携は非常に簡単です。


セキュリティ

1 HubSpotはデータ保護体制が万全

HubSpotは、アカウントやサイトごとにコンテンツが独立して作成されているわけではなく、全てHubSpotの監視下にあります。そのため、もし何かが起きた場合は、HubSpotの大元のデータベースにはデータが保管されている状態であるため、復元できる可能性が高いです。プラットフォームに依存しているからこそできるセキュリティといえます。

2 WordPressのセキュリティは各自で万全な対策を

一方で、WordPressはデータが消えてしまったら最後、プラットフォームに依存していないため何かあった場合は自己責任となってしまいます。そうならないように、万が一のために定期的にバックアップを取っておくことや、プラグインを無闇に多用しすぎないこと、パスワードの強化など、できる対策を自分で取っておきましょう。


その他

1 HubSpotの多言語コンテンツ

昨今では英語版をはじめ、サイトの中で表示言語を選ぶ仕様になっているものを多く目にします。通常のサイトでは一言語ずつ翻訳しながらの面倒な設定が必要になりますが、HubSpotであれば、多言語コンテンツの作成が簡単です。言語ごとにグループを作って、HubSpotのコンテンツとして設定するだけなので、手間がかかりません。

2 HubSpotの安心のサポート体制

HubSpotの魅力は、利用者の不明点を即座に解決するサポート体制です。HubSpotを使ってみて不明点や質問があれば、気軽にサポートデスクに問い合わせられます。チャットや電話であれば数分で、メールであっても1営業日以内に、いずれの方法も対応してくれるのは自動返信のチャットボットなどではなくHubSpotのサポート担当者です。不明点の解消だけではなく、目的に応じたHubSpotの最適な活用方法も教えてもらえます。


WordPressで作ったものをHubSpotへ移行させる方法

では、WordPressで作ったサイトやブログをHubSpotで移行させる方法を順を追ってご紹介します。

手順1:WordPressのブログ記事をエクスポート

まず、WordPressにログインして、ブログ記事をエクスポート。サイドバーに設置されたメニューにある「ツール」から「エクスポート」を選択して、HubSpotに移行するブログ記事を指定しましょう。この時、エクスポートする項目として、タイトルと記事の本文は必須です。そうすると、エクスポートされたブログ記事は、XMLファイルとなって自動でデバイスにダウンロードされます。

手順2:取得したXMLデータをHubSpotにインポート

続いて、先ほどWordPressからエクスポートしたXMLファイルを、移行先となるHubSpotへインポートする作業です。HubSpotにログインの上、ポータル画面右上にある歯車マーク(設定)を選択します。そうすると、各種設定メニューが開くので、その中でサイドバーにある「ウェブサイト」から「ブログ」をクリック。

HubSpotブログ1

設定画面の右上にある「新しいブログをインポート」を選択します。

HubSpotブログ2

ここでブログのデータをインポートするために、先ほどWordPressからエクスポートしたファイルを選択して読み込みましょう。これで、インポートは完了です。
HubSpotブログ3

手順3:移行ができているか最終チェック

移行の作業はこれで終わりですが、最後に問題なくコンテンツの移行ができているのかは確認する必要があります。リンクのURLはちゃんと作動しているのか、レイアウトの崩れなどが生じていないかなどを確認しましょう。


まとめ

今回は、CMSツールであるHubSpotとWordPressの2つについて、それぞれの特徴や機能をご紹介しました。簡単にいうとHubSpotは、1つのプラットフォームにCMS、SEO、CRMなどが集約されているので、マーケティング担当者の負担が少ないということが最大の魅力です。SNS連携やMA機能、広告連携機能などマーケティング機能が充実しており、HubSpotだけですべてが完結する点がすぐれています。WordPressはブログだけでみればHubSpotより優れた点も多いですが、マーケティングをしようとすると有料で他のツールと組み合わせねばならないことが多いのも事実です。拡張性がすばらしいので大変魅力的ですが、使いこなせるかはマーケティング担当者のレベルによるといえるでしょう。それぞれに良し悪しがあるため、どちらを使うべきかは、一概に結論を出すことができませんが、各々の業務スタイルや用途によって、適した方を選びましょう。

Topics: HubSpot, コンテンツマーケティング

デジタルブログ編集部
執筆 デジタルブログ編集部

ゼクシィネットなどの数多くのメディア制作に携わった後、Investing.com日本版編集長。現在はデジタルマーケティング統括責任者。メディアで培ったノウハウを生かし、HubSpotを中心としたデジタルマーケティング、コンテンツマーケティング、インサイドセールスなどを中心に執筆。HubSpot導入コンサルタントとしても活動中。