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xRやAI、チャットボットを使った海外の求人活動の3事例

2021年8月6日 (公開 :2021年1月29日)

採用活動もマーケティング活動の一つです。より多くの候補者に自社のことを認知してもらい、興味を持ってもらい、応募をしてもらうことで優秀な候補者を採用する事ができます。採用活動においてもデジタルマーケティングの活用が増えています。本稿では、海外のデジタルマーケティングを活用した採用マーケティング事例をご紹介します。是非参考にしてください。

 

📚 目次
      1.  
      2.  1 xR
      1.  2 AI
      2.  3 チャットボット
        1.  4 まとめ
  1.  

 

xR

Better CloudはITクラウドの企業です。エンジニアなどを中心にリモートワークなどが進めたり、スタートアップ企業がオフィスの福利厚生を充実したりすることが増えています。そのようにIT企業でのエンジニアの獲得が過酷になってくる中でBetter Cloudは、VRを採用活動に活用しました。Better CloudがVRを活用した理由は、実際に候補者にオフィスでどのような日々を過ごすのか、どのようにスタッフと一緒にコラボレーションするのか、リラックスするすべはあるのかなどを具体的に提供することで候補者の興味関心をひくためです。また、VRのコンテンツを自社で制作することにより技術力のアピールにつなげました。VRを活用した採用活動というニュース性を作るとともに、候補者によりリアルに自社をイメージすることでコンバージョンレートを上げることもできました。

ARやVRなど様々なテクノロジーの登場を活用することはニュース性があり、候補者を惹きつけるきっかけになります。しかし、ただ新たなテクノロジーを活用すればいいというわけではありません。候補者がどのようなことを知りたいのかということを把握することが重要です。テクノロジーはメッセージを伝えるための手段に過ぎないことを頭においておきましょう。

VR

AI

Unileverは採用活動にAIを利用している企業の一つです。AIはスクリーニング、面接の2段階で活用されています。候補者がユニリーバに応募すると12種類のゲームが用意されており、ゲームに挑戦することになります。ゲームの結果は、ユニリーバで成功する人のパターンを分析した上でその考え方や傾向に近い人をスクリーニングします。スクリーニングを通過すると次はビデオ面接です。ビデオ面接では、実際の面接官と話すのではなく、ビデオでされる面接官の質問に3分間のビデオを録画して送信します。送信されたビデオは、口の動き、イントネーションなどの非言語的な要素も含めて25,000以上のポイントから分析し、ユニリーバで活躍できそうな人を選択します。このビデオ面接を通過した人が実際の面接に通過することとなります。

従来候補者の絞り込みは採用担当者の経験値で行っていることが多く、何千枚とあるエントリーシートや履歴書に目を通すことは大きな負荷になります。そこでAIを活用することでスクリーニングへの負担を大きく減らすことができ、最終候補者の対応に集中することができます。

 

チャットボット

Anchorは、イギリスの住宅関連の非営利団体です。Anchorが、候補者の採用プロセスの経験をより良いものにするために活用したのがチャットボットです。チャットボットをFacebook Messengerに設定し、事前に設定した候補者からの質問に答えられるようにしました。また、チャットボットの認知を高めるためにFacebook上でメディアキャンペーンを行い、ターゲットの絞り込み、どのようなメッセージが反応しやすいのかなどを分析も同時に行いました。その結果、通常のウェブサイト経由での応募の時にコンバージョン率が2%だったのが、チャットボット経由で27%まで上昇しました。また、採用活動に関わるコストも 50%以上削減することができました。

採用プロセスを改善することは、候補者の満足度をあげるだけでなく、採用活動全体のコスト削減にもつながります。顧客がどのようなものを求めているのか、何を成し遂げたいのかなどをしっかり分析した上で施策を検討しましょう。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。採用活動においてもマーケティングの視点が必要になってきています。ARなどのxRやAIなど日々新たなテクノロジーが開発されている中でそれを活用することにより、ニュース性やコストダウンにつながる可能性があります。しかし、その際常に意識しなければいけないのは候補者視点です。候補者がどのようなことを求めているのか、何を知りたいのかを把握した上でテクノロジーを検討しましょう。

Topics: デジタルマーケティング

執筆 海野健

マーケティング支援会社のストラテジー部門に10年在籍。自動車、金融、FMCGなど多種な業種において、商品マーケティング戦略や商品コミュニケーション戦略開発、デジタルマーケティングを担当。また、東南アジア駐在経験があり、現地でのマーケティング案件に携わり、グローバル・マーケティングの知見も広い。