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インサイドセールスとマーケティングがBtoBの売上拡大に必要な理由とは?

2023年5月1日 (公開 :2020年11月16日)

BtoBにおける営業で成果を得るためには、インサイドセールスでの役割が重要となります。見込み顧客とのコミュニケーションや情報のやりとりを通して、コンバージョンにつなげられるような取り組みが必要です。しかし、社会情勢の変化や消費者の購買行動が多様化する中で、その時代に即したマーケティングを実践しなければなりません。本記事では、インサイドセールスとマーケティングを組み合わせた手法が、現代でのBtoB営業になぜ必要とされているかを解説します。

 

📚 目次
      1.  
      2.  1 社会背景
      3.            A  リモートワーク
      4.            B  購買行動の変化
      5.            C  マーケティングツールの進化
        1.  2 営業手法の変化
        2.  3 集客型営業の問題点
      1.  4 まとめ
  1.  

 

社会背景

A リモートワーク

リモートワークが取り入れられるようになった結果、BtoB向けのインサイドセールスにおけるマーケティングの重要性がさらに高まっています。新型コロナウイルスの感染対策を各社が進める中で、従来の顧客先に訪問する営業スタイルが見直され、ビデオ会議システムなどを利用したオンラインでのやりとりが主流となったためです。このように、オンラインでの営業スタイルが浸透したことによって、対面式ではない営業もビジネスマナーとして失礼だと見なされにくくなりました。インサイドセールス側で、見込み顧客とのオンライン面談を積極的に行い、可能性の高い案件に関してのみフィールドセールへ引き継ぐような営業スタイルがより一層求められるようになります。

 

B 購買行動の変化

消費者の購買行動に適応するためにも、インサイドセールス側でBtoB向けのマーケティングを丁寧に進めていかなければなりません。価値観の多様化や、ITツールの発展に伴い、消費者の行動にも大きな変化が発生しています。たとえば、2005年代にアンヴィコミュニケーションズによって提唱された「AISCEAS」は、インターネット時代を迎えた現代において、消費者の購買行動が凝縮された概念です。「AISCEAS」の頭文字である、Attention(認知・注意)、Interest(興味)、Search(検索)、Comparison(比較)、Examination(検討)、Action(行動)、Share(共有)を意識したマーケティング活動を行うことで、売上拡大を期待できるようになります。「AISCEAS」だけでなく、コンテンツマーケティングに適した「DECAX」、SNSマーケティングを行う上で大切となる「ULSSAS」といった消費者の購買行動を理解する

DECAX2

ことで、企業全体としての営業プロセスの構築が可能です。

 

C マーケティングツールの進化

最後に、マーケティングツールの発達によって、インサイドセールスで求められるBtoB向けのマーケティングにも変化が生まれています。情報収集が容易となった現代において、膨大な顧客情報の管理をスムーズに行うことが必須となりました。そこで、注目を集めているのが人間の手を使わずに、管理を行えるマーケティングツールの存在です。たとえば、マーケティングオートメーション(MA)では、インサイドセールス側で見込み顧客の情報集計、整理、解析を自動で行い、フィールドセールス側で行う商談活動への生産性を高めることができます。ほかにも、SFA(営業支援システム)、CRM(顧客関係管理)といったマーケティングツールの性能向上に伴い、営業活動の省力化や可視化を進めることが、今後売上拡大を目指すために欠かせません。

 

営業手法の変化

インサイドセールスでのマーケティングが必要となった背景には、BtoBにおける営業手法自体に変化が生まれていることも理由に挙げられます。展示会での見込み顧客の獲得、ニーズに近い顧客への飛び込み営業、電話での営業を行うテレアポ、一度に複数の見込み客に情報発信するDMが、旧来型の営業手法として一般的とされていました。もちろん、それぞれの営業方法にはメリットがあるものの、効率的に売上を拡大するにあたり、デメリットとなる部分もあります。たとえば、見込み顧客への訪問が重なってしまい新規の営業訪問ができなくなってしまうこと、見込み顧客の期待値が不明であるため月ごとの売上に差が出てしまうといった点です。

とくに、プッシュ型の営業手法である飛び込み営業やテレアポは、聞きたくもない情報を無理矢理聞かされるといったことからも、顧客先に対して自社の印象を悪くしてしまう危険性があります。インターネットを通して必要とする製品やサービスの情報を得られるようになった現代において、BtoBでも消費者行動の変化を考慮しなければなりません。従来の営業手法は、大量の見込み顧客に対するアプローチとしては効果があるものの、営業全体を通しての効率面を考えると、自社でのマーケティングを改める必要があります。

BtoBでの売上拡大を目指すためには、購買行動の変化に合わせた営業手法を展開しなければなりません。飛び込み営業やテレアポのように力任せの営業ではなく、インバウンドマーケティングのように、自社ホームページ、ブログ、SNSといったオウンドメディアを活用することによって、営業活動を成功へと導くことができます。旧来の営業手法に取って代わる集客型の営業手法では、インサイドセールスの役割が重要です。見込み顧客に対して魅力となるようなオウンドメディアのコンテンツを強化することはもちろん、自社でセミナーを開催したり、定期的なメルマガを発行したりすることで、常に情報発信を行う必要があります。

一見、インサイドセールスを活用した営業手法は、ステップが長く、コンバージョンへの切り替えに時間を要すると思われがちですが、見込み顧客から期待値の高い顧客をピックアップできるようになるため、営業全体における効率性を高めることが可能です。たとえば、アメリカの電気自動車メーカー「テスラ」は、旧来型の営業活動自体を止めた企業として話題となりました。自社ホームページやSNSといったオウンドメディアを通して見込み顧客を発掘し、インサイドセールスでのコミュニケーションを通して完全な顧客化を行う営業戦略を行っています。このように、インバウンドマーケティングとインサイドセールスを組み合わせた営業手法が増加している中で、スムーズにインサイドセールスのステップを踏むためにも、マーケティングオートメーションツール(MA)を活用しましょう。

営業手法の変化

 

集客型営業の問題点

BtoBにおいて効率的に顧客を獲得できる集客型の営業手法ですが、あらかじめ問題点に注意した上で進める必要があります。まずは、マーケティングスキルを持つ人材の不足です。旧来型の営業手法を取り続けてきた企業にとって、顧客情報の管理から、オウンドメディアの構築まで、集客に必要なマーケティング手法を持つ人材を育てるのに時間がかかってしまいます。また、飛び込み営業やテレアポを中心とした手法から切り替わることで、旧来型の営業スタイルに慣れ親しんでいる層からの反発は必至です。さらに、インバウンドマーケティングを導入するにあたり、見込み顧客からのリードを獲得するためのコンテンツ作成が課題となります。

集客型営業に切り替える際には、できるだけ問題点が表面化しないように進めるようにしましょう。マーケティングスキルの人材不足に関しては、個々の人材育成も重要ですが、マーケティングオートメーションツール(MA)を導入することで、人材面での不足を補うことができます。次に、旧来型の営業手法に慣れ親しんでいる従業員からの反発に対しては、覚悟を持って経営層から丁寧な説明をする必要があります。顧客情報の入力など確かに面倒な作業が増えますが、インサイドセールスやインバウンドマーケティングを取り入れることによる利点を自社全体で共有し、売上拡大につながる理由を理解しなければなりません。

自社でオウンドメディアのコンテンツ作りに慣れていない場合は、専門の制作会社やフリーランサーへのアウトソーシングを選択肢に入れます。コンテンツ作りは、マーケティングオートメーションでは補えないため、自社で構築できるような準備を進めることが大切です。すべて外注することも可能ですが、将来的な人材育成を含めて、自社のスタッフが学べるような環境を整えるようにしましょう。

 

まとめ

BtoBにおける売上拡大を目指すためには、インサイドセールスとマーケティングを組み合わせた営業手法が求められます。リモートワークが導入されたことによる営業活動の変化に加え、ITの発展による情報量の増加がもたらした消費行動の変化によって、営業手法自体を見直さなければならない時代となりました。飛び込み営業やテレアポといったプッシュ型の営業手法は依然として有効であるものの、自社全体での効率性を考慮すると、マーケティングオートメーション(MA)を始めとするツールの導入は不可欠です。また、売上拡大に必要な不断のリード拡大については、オウンドメディアなどを活用したインバウンドマーケティングを活用しましょう。

インバンドマーケティングの導入は、マーケティングスキルの人材育成、旧来型の営業手法を好む従業員からの反発といった問題点も抱えていますが、将来的な消費者行動の変化に対応するために欠かせません。不足している部分をマーケティングオートメーションで補うなど工夫をすることで、BtoBの売上拡大を目指しましょう。

Topics: マーケティングオートメーション, インバウンドマーケティング, 営業, インサイドセールス

デジタルビジネスブログ編集部
執筆 デジタルビジネスブログ編集部

デジタルビジネス編集部の編集者や所属ライターが執筆しています。