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インサイドセールスはやり方次第で売上が変わる!

2021年8月6日 (公開 :2020年11月18日)

インサイドセールスとは、内勤型の営業活動のことで、マーケティングと営業活動を一貫して行う活動です。営業活動とマーケティングを同時進行で遂行することによって、見込みの高いリードを創出することができることや、確度の高い商談を多く行うことができるようになるのがメリットです。

営業の課題の根本的な解決に乗り出せていない企業でも、時代の大きな変化の時期にある今、インサイドセールスの導入を考えざるをえない状況になってきています。しかし、どの企業でも簡単に成果を出すことができるわけではありません。導入後もインサイドセールスとフィールドセールス双方のコミュニケーション課題などに取り組んでいくことが大切です。

まずは大前提として、自社のサービスや商材がインサイドセールスに向いているのかを考える必要があります。また、インサイドセールスで成果を出すためには、これまでのやり方を思い切って変えたり、細かい記録を取っていったりするなど、地道な作業が増えることを甘受する必要があります。そのため、社員が続けていけるような環境作りが大切になってきます。売上が上がるインサイドセールスを行うためにはどのようなことが重要なのかを説明します。

 

📚 目次
      1.  
      2.  1 インサイドセールスが求められる意味
      3.  2 インサイドセールスに向いている企業
      4.            A  BtoB向けに商品やサービスがある
      5.            B  商圏や取引先を拡大できる素地がある
      6.            C  経営陣の理解度が高い
        1.  3 インサイドセールスに必要なやり方
      1.  4 まとめ
  1.  

 

インサイドセールスが求められる意味

インサイドセールスが注目され始めた要因には、国を挙げたデジタルトランスフォーメーション(DX)推進やコロナ禍により加速したリモートワークの普及という社会的な背景があります。ビデオ通話や電話、メールを使った営業手法で行うことができるために、最近では場所や時間に縛られることなく働くことができるメリットも注目されています。そのため、働き方改革の一環として導入する企業も増えてきました。2020年に入ってからはコロナウイルスのパンデミックにより、組織の導入に勢いが増しています。コロナ禍によって3密を避けなければいけない状況になり、これまでの訪問型の営業活動ができなくなったことによって、半強制的にビデオツールや電話を使った営業活動に移行されているのが現状です。

インサイドセールスが注目され始めた2つ目の要因として、インサイドセールスの導入は多くの中小企業が陥っている人手不足対策になることが期待されていると言う点が挙げられます。特に日本では少子高齢化が年々深刻化しており、企業においても人手不足から一人あたりの業務量が増えている状況に陥っています。

インサイドセールスにおいて、導入していると便利なのがマーケティングを自動化することができるマーケティングオートメーション(MA)ツールです。MAを使うことで、膨大な数の顧客の管理業務を簡単にし、顧客のニーズを考えた適切なタイミングでコンタクトを取ることが可能になります。

また、営業活動の効率化も課題になっています。これまでの個人の経験則に頼っていた営業活動から、営業活動のシステム化、可視化によってより効率よく行うことができることが注目されています。アポイント獲得からクロージングまでを一人で行っていた一般的な営業活動と比べて、各フェイズによって分業体制をとることで、それぞれが一つの作業に集中して仕事に取り組むことができるようになりました。

HubSpotの調査では、営業担当者の約4割が「商談の移動時間がムダ」であると感じています。日本において、営業活動は顧客のもとを訪問することが一般的とされていますが、訪問の有無は制約率にそれほど大きな影響はないこともわかっています。また、同じくHubSpotにの調査によると、インサイドセールスを導入している組織とそうでない組織では、商談の成約率の平均値がそれぞれ39.6%、41.6%と大きな差は出ませんでした。このように、訪問型の営業の方が顧客の心理面で良い影響を与えられるように感じるかもしれませんが、実は電話でのアプローチでも大差はなかったという結果になっているのです。

売上上がる

インサイドセールスに向いている企業

インサイドセールスは顧客と直接対面して営業を行う方法とは異なり、商材によっては向いている企業とそうでない企業があります。費用対効果や商材の特徴によって使い方を柔軟にしていくことが大切です。

 

A BtoB向けに商品やサービスがある

もちろん、企業や商品、サービスによってインサイドセールスが成功するかどうかはさまざまです。例えば、フライドポテトを提供しているレストランがあるとします。お店によって製法などに違いはあるとはいえ、フライドポテトは低価格で商品についてある程度消費者が理解している商品であり、HPで簡単に説明できるものなので、インサイドセールスをしても意味がありません。「このフライドポテトはこんな素材で、料理法へのこだわりは●●です。だからおいしいのですが買いませんか」というトークを電話でセールスされても顧客は困ります。また、単価が低く、個人が大量に買ってくれることを望めないため、手間とコストがつり合いません。しかし、逆にこのレストランに対し、調理機器や食器の販売会社がセールスするなら話は変わってきます。調理機器は単価も高く、食器も購入数が多くて継続的に利用が見込まれるため、インサイドセールスに向いているといえるでしょう。このように商材やサービスによってさまざまなシーンで利用可能です。

インサイドセールスは商談でそれなりの売上になるもので、買い手が説明を聞きたくなるようなちょっと説明がいるものがよいとされています。BtoCの例になりますが、スマートフォンのキャリアからのプランの電話は顧客への良いアプローチ例になります。メールやCMを使って接触を図り、潜在顧客にした後に、電話において「安くなる」「お得になる」といった相手に興味、関心を持たせるような説明で来店してもらい、契約変更につなげる巧みなやり口で契約に至った方もいるのではないでしょうか。

商材や手法を工夫すればBtoCとBtoBどちらでも効果を発揮させることができるのがインサイドセールスなのです。

 

B 商圏や取引先を拡大できる素地がある

これまで距離や時間、人員が足りていないなどの理由で開拓することができていない潜在顧客に対し、インサイドセールスを活用することで新たに販路開拓ができるようになります。

営業活動における課題は訪問時間が長くなることにあります。例えば1件あたり30分の商談時間であるとしても、往復の訪問時間で前後1時間以上かかることもあるでしょう。この点、インサイドセールスでは移動距離がないため多くの顧客にアプローチすることができるメリットがあります。

また、これまでの既存クライアントに対しても、わざわざ交通費をかけた訪問をするのではなく、インサイドセールスにおいてコミュニケーションや新たなサービスの認知を行うことができます。電話でのヒアリングやメール、DMを用いた接触を図ることで潜在顧客のニーズを刺激して、商談や成約といった次のステップに押し上げることも可能となります。

マーケティング手法を変えることで、細かいフェイズを設定することができ、これまで関わることができなかった層に届けられるようになります。

 

C 経営陣の理解度が高い

インサイドセールスを導入するには、経営陣の理解があり、変化に柔軟な企業である必要があります。これまでの手法を刷新するには大きな労力が必要になるからです。インサイドセールスによって顧客の動向など、さまざまな情報が記録できるようになりますが、社員にとっては顧客情報の入力などの手間が増えるなど面倒に感じる人が出てくる可能性はあります。インサイドセールスだけならまだしも、フィールドセールスなど関係する部署も必然的に進捗や履歴の記録などを残さなくてはいけません。そもそも変わりたがらないのが人間の本質であり、変化には大きな労力が必要となりますが、不断の努力で経営陣が説得できないと、結果が出る前に中途半端に終わってしまったり、不平不満が蔓延したりしてしまいます。

理解がある

 

インサイドセールスに必要なやり方

インサイドセールスでは営業に加えてマーケティング要素を理解しておく必要があります。マーケティングでは、リード顧客を生成する仕組みを作ります。そのためには、コンテンツマーケティングにおける潜在顧客を育てる施策や、インターネット広告を打ち出すといったデジタルマーケティングを理解しておくとよいでしょう。インサイドセールスには前もってリード獲得の仕組みがないと意味がありません。

次に、見込み顧客に優先順位をつけることが大切です。多くのリードを獲得できるインサイドセールスだからこそ、フェイズによって優先順位をつけることが必要になってきます。”少し興味がある”といったニーズよりも、”今すぐに話を聞きたい”と感じている、より成約に近いニーズの顧客を優先することでクロージング確度の高いタイミングを逃さずに済みます。また、営業にトスアップする際にはどのフェイズの段階で行うかといった判断が必要になります。

PDCAが回せる体制とナレッジの共有も重要です。社員がそれぞれ明確に役割を理解しており、チームでKPIが設定されている体制が必要なのです。また、社員が行動を起こしやすいようにツールの導入やマニュアルなどが整備されている環境があれば、より力を発揮しやすくなるでしょう。

 

まとめ

日本では昔から当たり前に行われていた飛び込み営業ですが、現在の若い世代にとっては飛び込み営業やテレアポに抵抗感がある人が多いようです。

飛び込み営業は多くの場合、とても効率が悪いと言えます。その理由は3つです。一つ目はコストと時間がかかることです。訪問時間と交通費をかけて行ってもほとんどの場合、話を聞いてもらうことすらできないことが多いためです。

次に相手の迷惑になることが挙げられます。いきなりアポなしで訪問されると相手側の予定が狂ったり、心理的に敬遠されたりとあまりよく思われることはありません。

飛び込み営業を行う方自身にとって大きな負担になることが3つ目の理由です。時間と費用をかけて営業をかけているのに、ニーズが全くなかったり、批判的な言葉を浴びせられたりすることを多く経験すると、自身のモチベーションが持たなくなります。結果が出る方法で営業活動を行うことは顧客と営業担当者、双方にとってメリットとなるのです。これまでのやり方に少しずつインサイドセールス要素を取り入れていき、効率よく結果が出る営業活動を目指していきましょう。

Topics: マーケティングオートメーション, インサイドセールス

伊藤孝介
執筆 伊藤孝介

セールスプロモーション会社を経て独立し、フリーランスで地方自治体や中小企業のマーケティングリサーチ、販促企画などに携わる。 業務拡大のため2017年に合同会社を設立し、現在経営中。Webマーケティング・集客戦略をストーリーテーリングという手法を使って実践。マーケティング系ライター歴7年。マーケティング用語の解説や、事例紹介、WEBマーケティングなどが得意。