DIGITAL BUSINESS BLOG

今や企業が生き残るためにはデジタルトランスフォーメーション(DX)を通した生産性の向上が必須となっています。これを実現するにはコンテンツ・経営データと連動する総合的なデジタルマーケティング戦略の策定と検証・実施が不可欠です。当ブログでは、DXやデジタルマーケティング・集客などマーケティング担当者が直面する課題解決に役立つ情報をほぼ毎日更新していきます。

コロナ後を見据えて、ホテル・旅館がやるべきデジタルマーケティングでの集客法とは

2021年8月6日 (公開 :2020年11月6日)

コロナウイルスの影響で多くのホテルや旅館などの宿泊施設に廃業が相次いでいます。こうした廃業になってしまった企業はブランド認知がされておらず、自力での集客ができていないという共通点が挙げられます。そして現在は生き残っている宿泊施設でも大幅な収益減などの影響が出ており、経営状況はかなり深刻です。観光業に限らずほとんどの多くの企業では広告費などのコストカットを行うことで対処せざるを得ない状況にあります。
しかし、2020年春に発令された緊急事態宣言が解除されて以降、内勤業務や外に遊びにいきづらい雰囲気からの解放によって国内旅行に向かう人も増えてきているのも事実です。特にGo Toキャンペーンの打ち出しによって消費者が旅行に行きたくなるような施策が、国を挙げて取り組まれています。コロナ禍では訪問者の足先が最も遠のいていた宿泊業ですが、経済を活性化させるためにも半強制的にキャンペーンの打ち出しが行われています。こうしたなかで、ホテルや旅館には「安心」や「清潔感」が求められるようになっており、自らアピールをする機会や能力が大切になってきています。ホテルや旅館がアフターコロナにおいて行っていくべきデジタルマーケティングについて考えていきましょう。

 

📚 目次
    1.  
    2.  1 ホテル・旅館の集客の現状
       2 新たな集客の施策
    3.            A  自社ホームぺージ
    4.            B  SNS
    5.            C  ブログ
      1.            D  メールマーケティング
      1.  3 まとめ
  1.  


ホテル・旅館の集客の現状

現在の宿泊業界では、楽天トラベルやじゃらんといったポータルサイトに依存しているところが大半です。ポータルサイトのメリットは利用者にとって数多くあるホテルや旅館の中から、価格や条件を絞った検索ができるという点です。また、掲載者側も多くのユーザーが集まるポータルサイトから予約をとることができるなど、今では予約のほとんどをポータルサイトに依存しているホテルもあるくらいです。
しかしポータルサイトはメリットばかりではなく、デメリットもあります。デメリットは主に3つです。1つ目は多くの宿泊施設が集まるポータルサイトでは、競合との差別化のために割引やクーポンを発行しないと集客がしづらいという点があります。

2つ目は近いエリアに多くの施設がある場合、価格や立地で比較されやすい点です。特に同じ価格帯のホテルや旅館の場合にはポータルサイトの写真やクチコミで選ばれることが多くあります。

3つ目は予約決済時に手数料が発生することが挙げられます。ポータルサイトによってポイント付与率や手数料が変わってきますが、平均で10~12%の決済手数料がかかるのがほとんどです。月に数百件以上の予約がポータルサイトからあるような企業は、特に大きな出費になってしまっています。

特にコロナの影響からコストカットを余儀なくされている企業も多くある中、手数料がかからない自社サイトにおける運用を行わない手はありません。また、広告に大きく頼っている場合には、優先的にコストカットしていく必要もあるでしょう。


新たな集客の施策

温泉の集客

今まではポータルサイト経由から来た予約を受けることが宿泊業界の常識でした。しかし新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、無駄に広告費や手数料をかけられなくなっている状況で取り組むべきことは、コンテンツマーケティングを用いて自社の魅力を発信していくことです。

コンテンツマーケティングとはブログやSNS、メディアなどの媒体を通して、文章や写真、動画などで発信し、商品やサービスの認知を行い、購買してもらうためのマーケティング手法です。いかに消費者にとって必要な情報が記載されているのか、ニーズを育てる中で消費者が泊まってみたいと思わせることができるかが重要なポイントになります。

旅行の際にホテルを利用すると仮定した場合には、ユーザーは旅行前にインターネットで観光名所や周辺の地図を検索することが多いでしょう。多くの人はリサーチでインターネットを活用するため、情報提供にもなるコンテンツを複数作成して、そこから見込み客をオウンドメディアに引き寄せることを目標とします。

例えば、オウンドメディアなどを通して、近隣の地域の観光スポットやおいしいレストランを紹介するコンテンツを作成します。地元の方しか知らない情報が載っていると、その情報価値が高くなり、観光客の誘因につながるでしょう。このようなユーザーの役に立つ情報は信頼してもらえる機会となり、ホテルや旅館の利用につながるのです。

また、ホテルや旅館はただ宿泊するだけの場所ではなく、仕事や勉強がはかどる環境であったり、非日常が感じられるリラックスできる雰囲気のある部屋であることを紹介することもできます。このようにオウンドメディアを通じてユーザが興味喚起させられたり、知り合いにシェアしたいと思ってもらうことができたりするコンテンツの作成が集客へとつながります。


A 自社ホームぺージ

コンテンツマーケティングにおいて、まず必要になってくるのがターゲットを明確にするということです。どういった人向けの施設であるかを決定し、「記念日プラン」や「一人旅満喫プラン」などといった興味を喚起する内容を考えます。その中で、パソコンやスマートフォン越しに見てくれているユーザーがどのような体験をできるのかについて把握しやすいようにします。施設のスタッフの笑顔写真や料理、部屋の中の雰囲気を伝えることで「この旅館ではこういった体験ができるんだ」といった擬似体験ができるような作りがよいとされます。いかにユーザーの行きたい思いを強くすることできるかが重要なポイントです。

自社ホームページはホテルや旅館に訪れたことのないユーザーにとって、宿泊施設の印象を決める重要な要素の1つです。更新も年に一回あるかどうかという企業をよく見かけますが、こうしたホテルや旅館は営業をしているのかさえ不安に感じさせることにもなるため、クリスマスや節分といった行事を利用して、新プランや季節にマッチしたプランなどを載せることで、ネタがなくなるといったことも少なくなります。HPの更新頻度が高いことは、ユーザーにとって安心感を与えることにつながります。

 

B SNS

スマートフォンの普及後に勢いを伸ばしているのが、TwitterやInstagramといったSNSです。中でもInstagramは写真や動画コンテンツに特化したSNSであり、ホテルや旅館といった空間を提供する業態には最適な媒体であるといえます。

Instagramの特徴は3つです。1つ目は「拡散力が高いこと」が挙げられます。Instagramは画像や動画コンテンツなので、拡散は日本だけにとどまらず世界中の人にみてもらうことができます。

2つ目は「コンテンツが画像や動画である」ということです。Instagramは文字情報ではなく画像や動画コンテンツに比重を置いているため、見る側にストレスをあまり感じさせません。また、日本語がわからない外国人でも雰囲気を感じとることができるなどボーダレスな媒体といえます。

3つ目は「簡単に投稿できる」点です。コンテンツの投稿は非常に簡単でわかりやすく誰でもすぐに投稿することができます。

Instagramにはハッシュタグ機能が備わっており、投稿に「#一人旅」「#〇〇観光」といったターゲットにしたいユーザーにハッシュタグをつけることで簡単にターゲティングすることができます。また、ユーザーは心惹かれた場所や投稿を、ハッシュタグを用いてシェアすることができるので、拡散性がとても高くなります。


C ブログ

今までブログはやっていたがなんとなく運営していた方や、SNS単体しかやっていないという事業者もいることでしょう。ブログは販路拡大のために行うべき重要な施策の1つです。ブログ運用のメリットは広告費の削減、公式HPの閲覧数向上、ブランド認知などがあげられます。特にホテルや旅館はそれぞれの色があり、ブログを通して発信することでより差別化を図ることができるからです。集客に効果のあるブログにするためには、旅行者や宿泊者の「知りたい」「気になる」情報について有益な情報の発信を行うことです。例えば近くの観光地や秘密のおすすめスポットなど、オリジナルな情報の発信に価値が生まれます。その中で、女将や従業員が登場して旅館のポリシーや思いを発信することで、賛同した方やファンとなるお客様が出現して常連客となってくれる可能性もあるのです。


D メールマーケティング

メールマガジンはSNSやWeb広告を使ったマーケティングと比べると古くからあるマーケティング手法であると感じる方もいるでしょう。しかし、メールマーケティングもSNSなどと併用しておこなうことで大きな効果を得ることができます。

メリットは主に3つあります。1つ目は「低コストで行える」点です。メール作成には実質的に費用はほとんどかからず、メールを書いて一斉送信するだけで済みます。2つ目は「認知してもらいやすいこと」です。メール送信は一度利用していただいたお客様を中心に行うことで、開封もされやすくなります。その際、ニューリリース情報や割引クーポンも発行することで、再訪にもつながりやすくなります。3つ目は「HPやSNSへの訪問」です。配信されたメールからHPやInstagramへの自社サイトへの訪問を促すことができます。

メールマーケティングでは、過去に宿泊した方の名簿をもとに折につけて情報を発信することでより効果を発揮します。季節や行事によってのお食事や観光のキャンペーン、リニューアル情報などを届けることが再認知・再訪につながります。

ホテル

まとめ

これからの時代において重要なのは、自社のブランドを構築することです。しかし、初めからオウンドメディアの運用だけを行うのではなく、ポータルサイトもうまく活用して自社ブランドを育てる必要があります。また、その中でいかに手数料を抑えて利益を増大させるかを考えて、徐々に自社サイトでの集客に比重を移していくのが理想型です。

HubSpotは上記のようなマーケティング手法だけに限らず、営業活動におけるコンタクト管理やワークフローなどを一元管理することができるおすすめのツールです。無料のCRMからの導入でも機能が豊富なため、導入しやすいというメリットがあります。有料版ではMA機能も使えるようになるなど、さらに自社集客において強力なツールを得ることがきます。コロナ後の集客で競合企業をリードできるように、デジタルマーケティングを活用してコストの削減や効率化を推進できるようにしていきましょう。

Topics: オウンドメディア, コンテンツマーケティング, デジタルマーケティング

デジタルブログ編集部
執筆 デジタルブログ編集部

ゼクシィネットなどの数多くのメディア制作に携わった後、Investing.com日本版編集長。現在はデジタルマーケティング統括責任者。メディアで培ったノウハウを生かし、HubSpotを中心としたデジタルマーケティング、コンテンツマーケティング、インサイドセールスなどを中心に執筆。HubSpot導入コンサルタントとしても活動中。

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