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今や企業が生き残るためにはデジタルトランスフォーメーション(DX)を通した生産性の向上が必須となっています。これを実現するにはコンテンツ・経営データと連動する総合的なデジタルマーケティング戦略の策定と検証・実施が不可欠です。当ブログでは、DXやデジタルマーケティング・集客などマーケティング担当者が直面する課題解決に役立つ情報をほぼ毎日更新していきます。

コンテンツマーケティングの効果が弱いとき、会社の担当者が解決すべきこと

2021年8月6日 (公開 :2020年10月13日)

現在行っているコンテンツマーケティングの成果が思ったよりも上がっていないと感じている会社の担当者はいませんか?コンテンツマーケティングは短期ですぐに効果が出るようなものではないのですが、長期間運営しているのに効果が薄い場合には何かしらの原因があります。今回はコンテンツマーケティングの効果が弱い原因を把握して、対策すべきことを考えていきましょう。

 

目的

コンテンツマーケティングを行う目的は明確なものになっていますか?なんとなくPV数が欲しいといった目標設定にしてはいませんか?近年では消費者がモノを購入する際の行動が変化してきています。モノを購入する前に多くの人はインターネットでその商品を検索して情報収集をするようになってきています。これは会社における活動でも同じことがいえ、面接や商談を行う際には、その会社が行っているビジネスや、担当者についてインターネットで調べるのが一般的です。

コンテンツマーケティングを行う目的は、コンテンツを通して「訪れた人が見込み顧客となり購入してもらう」ことになります。しかし、モノが溢れ過ぎている現代において、インターネット上には莫大な情報や選択肢が存在し、「見つけてもらう」難易度は年々上がってきています。ターゲットや目的を絞らずにコンテンツを出し続けるだけでは、成果に結びつく可能性は低いといっていいでしょう。

まずは、のためにコンテンツマーケティングをするのかという目的を再確認し、それにわせたペルソナとジャーニーマップを設定しましょう。いくらよい記事であっても顧客になりうる人に見てもらわなければ意味がないのですどんなにPVが伸びたとしても、ターゲットが読んでくれなければダメなのです。けたいターゲットに、そのニーズを満たすコンテンツを発信しなければなりません。目的に合わせたペルソナになっているかを再度吟味し、修正点があれば直しましょう。続いてジャーニーマップも点検し、ユーザーの心理に合わせ、的確にニーズを満たすコンテンツの配置になっているかをチェックしましょう。

 

運用体制

コンテンツマーケティングはスタートしてすぐ効果を実感できる手法ではないため、担当者はさまざまなプレッシャーに襲われるでしょう経営陣に理解がなく、短期的な目標達成を迫られるということはよくある話です。しかし、あまりに目先ばかりにこだわると、コンテンツの質が下がり逆効果になるため要注意です。経営陣と認識のズレがあるなら、再度コンテンツマーケティングの計画について話し合い、体制を見直しましょう。

企業でコンテンツマーケティングに力を入れていく際に考えるべきことは、制作環境を整える事です。ディレクターやライター、デザイナー、エンジニアが必要となるので、会社はあるリソースで何ができるのかを把握する必要があります。ITに特化した企業や大企業ではない限り、全てのリソースを確保することは難しいでしょう。そういった場合には、足りない部分を外注に依頼する事で解決できます。

しかし、気をつけなければいけないこともあります。それはコンテンツマーケティング担当が他の仕事と兼業している場合に、依頼する企業に丸投げのようになってしまうケースです。丸投げになってしまうと、自社における運用ノウハウが貯まらないだけでなく、成果はその会社の能力次第になってくるので、リスクもきくなります。可能ならばディレクションを自社でう運用体制を整えましょう。

 

SEO対策

SEO対策コンテンツマーケティングにおいては、見られやすい場所に掲載する事ができるのかどうかも大事な要素です。そのため、ウェブの検索で上位表示させるSEOは絶対に必要な対策です。

SEO対策とは具体的に、GoogleYahoo検索において自サイトが検索の上位にくるようにするために、検索エンジンに評価をもらえるようなコンテンツを作成することです。具体的に考えることはページタイトル(h1)、メタディスクリプション、内部リンク、文字数、画像、モバイル対応です。

まず、ページタイトルとメタディスクリプションを考えなくてはいけません。どちらも検索窓にキーワードを入れて検索をクリックした次の画面に表示される説明です。ユーザーが検索する際にはページタイトルとメタディスクリプションを見て、どのコンテンツを見るのかが決定されます。Googleではひと目でコンテンツ内容がわかるタイトルを推奨しているため、同じ内容でもタイトルを変えるだけで、検索順位が変化する事があります。また魅力的なタイトルはCTR(ページクリック率)に大きく影響を与えるので、ユーザーを惹きつけやすいタイトルにする事が大切です。メタディスクリプションではタイトルよりも長くページの説明ができるので、クリックに繋がる内容をより詳しく説明できますが、155字以内で記述するようにしましょう

内部リンク対策は、サイト内で関連のある記事のリンクを配置して、Googleの評価を得やすくするための対策です。文字数と画像はコンテンツの網羅性、滞在時間、キーワードに関係する部分になります。そのため少ないよりは、ある程度多い方が良いとされています。Google文字数で順位を決めるアルゴリズムではないと表明していますが、評価されやすい網羅性のあるコンテンツにするにはある程度の文字数が必要であり、4000~5000文字がよいといえるでしょう。また、画像はユーザーの見た目の第一印象を決める部分でもあるので、なるべく関連があって引きつけられるような画像が好ましいです。画像には代替テキストをつけるとよいでしょう。

最後に、モバイル対応についてです。やモバイルフレンドリーでないサイトは順位が下がるようになっています。Viewport設定がされているか、タップするのに要素が近すぎないか、フォントが小さすぎないかなどをチェックし対策を行いましょう。

 

検索ニーズ

そもそも今書いているコンテンツに検索ニーズがあるのか、と考えたことはあるでしょうか?内容がいくらよくてもユーザーが検索をしてくれなければまったく意味がありません。検索ボリュームが小さいとそれだけニッチな分野であるので、必要としているユーザーから探してもらうのは容易です。逆にビックワードを狙うことで、多くのユーザーが必要としている部分が見えてきます。ボリュームが大きすぎるものは逆に競合が多く難しいところもありますが、「ビックワード_関連ワード」のようなセグメントをかけたキーワードにした文章を作成することで、よりCV数の増加につながります。

例えば、「焼肉屋」だけで調べるより、「焼肉_渋谷_食べ放題」といった、ボリュームの大きなところから小さくすることでより厳選したものが欲しいと感じている層に対しての情報を提供することが可能になります。

キーワードを選定するツールとして「キーワードプランナー」があります。これは月間の検索数や競合性を把握することができるツールです。キーワードを選定して文章を書く際には、どのくらいの難易度があるのかの把握が大切です。こういったツールを用いて、「ビックワード_スモールワード」を掛け合わせたキーワードに沿った文章を作成することで、検索ニーズのあるコンテンツになります。

 

効果測定

効果測定コンテンツマーケティングではコンバージョン数やPV数においてそれぞれKPIをさだめ、長期的な視点で運用しなくてはいけません。KPIとは重要業績評価指標のことをいい、目標を達成するためのプロセスにおける中間目標です。KGI(重要目標達成指標)という最終目標まで正しく進んでいるかを検討する材料となります。

コンテンツマーケティングにおけるKPIの設定はアクセス解析をもとに行われます。売り上げやコンバージョン数を増加させるには、そもそものアクセスがないといけません。初めのうちはセッション数やPV数を設定し、サイト認知に努めましょう。その他どこを通ってサイトにアクセスしたのかの流入経路を把握します。

ブランド認知を加速させる事ができるのがSNSのシェアです。シェアされるコンテンツはオーガニック検索よりも多くのユーザー訪問につなげることができます。いいねやコメント数がコンテンツからどれだけ変動したかを指標にすることでサービスやブランドの認知度を測定します。

効果がでているコンテンツの理由を把握して、リライトやSNSでの他媒体との連動をしっかりすることで成果を出す事ができるようになります。

 

コンテンツの質

コンテンツの質で重要なことは、読者の検索意図をしっかりと満たしているかどうかです。ペルソナやジャーニーマップに沿ったユーザーの疑問を把握して、疑問を解決する形でユーザーの「体験」を実現させます。つまり、「〇〇を知りたい」ユーザーに対して、「〇〇が知れた」という体験を提供する事が質の向上につながります。よくある間違った例として、途中から完全に商品の紹介になっており、やたらとPRが多くなるなど、ユーザー視点ではなく企業視点のコンテンツになっているパターンを挙げることができます。これはユーザー離れを起こす原因になるので注意しましょう。

また、コンテンツが他にはないオリジナルの内容や、専門家の意見が載っているなどの権威性がある内容であると、独自性や特別感を出す事ができます。

伝わりやすい文字や表現、読みやすい工夫がされているのかも重要なポイントです。専門用語ばかりでは難しすぎたり、飽きを感じたりするユーザーも多くなります。見出しや画像、図解を挿入する事で、見た目での認識が向上するだけでなく、印象に残りやすいコンテンツに仕上がります。

 

CV用コンテンツ

PV数が増えたのにCV数が増えないということはよくある話です。考えられる原因は市場に参入する企業が増えて、それにともない競合も増えているということです。また、これには物価やトレンドの変動も含まれ、費用対効果を考えて対策していく必要があります。

次に、広告の打ち出し方が原因となっている場合です。タイトルに書いてある内容と本文の内容に矛盾や相違があると、求めている内容との違いをユーザーが感じて離脱が起きます。

最後に、サイト自体に原因がある場合です。情報が多すぎて見づらいものであったり、逆に空白ばかりで怪しさを感じるサイトは離脱につながります。また、ブログの集客用コンテンツしか運営していなかったり、問合せフォームがわかりづらかったりする場合にもCV数の低下につながります。リード化のためのCTAやリード育成のためのメルマガ、比較のための成功事例コンテンツを作成することで、コンテンツに信頼性が増してCVアップにつなげる事ができます。

 

まとめ

今回はコンテンツマーケティングの効果が弱い際の対処法について解説しました。コンテンツマーケティングはいかにユーザーの疑問をわかりやすく解決できているのかが最重要ポイントとなります。まずはユーザーに貢献できるような記事を作成し、アクセスを集めるところから取り組みましょう。そして、申し込みや問合せといったCVにつながる分析を行うことで、掲げる目標の達成に近づいていきます。

 

Topics: 中小企業, コンテンツマーケティング

伊藤孝介
執筆 伊藤孝介

セールスプロモーション会社を経て独立し、フリーランスで地方自治体や中小企業のマーケティングリサーチ、販促企画などに携わる。 業務拡大のため2017年に合同会社を設立し、現在経営中。Webマーケティング・集客戦略をストーリーテーリングという手法を使って実践。マーケティング系ライター歴7年。マーケティング用語の解説や、事例紹介、WEBマーケティングなどが得意。