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デジタルで営業を変える!中小企業がCRMを導入する際の注意点!

2020年9月29日 (公開 :2020年6月24日)

1 なぜCRMが必要なのか?

いま、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進することによって、営業活動を効率化することが、多くの会社で必要となってきています。顧客情報の共有や、顧客への新たなアプローチを可能にするCRMやSFAは、多くの会社にとって会社の営業効率をあげるための効果的な仕組みといえるでしょう。

 

A DXが必要な時代背景

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、簡単にいうと、データやデジタル技術を活用して、顧客のニーズに対応していくことです。

DXが必要とされる背景は、ビジネス環境の変化が、以前よりも激しくなっていることにあり、企業が売上を維持・向上させていくためには、業務の効率化をはじめ、企業文化の変革が必要になってきているためです。

「Uber Eats」などといった新しいWEBサービスが次々と誕生することによって、サービスを提供する形もどんどん変わってきています。それだけではなく、キャッシュレス決済といった新しい決済方法も推進されており、今までの常識では考えられないような新しい消費・生活様式が浸透しつつあるため、多くの企業が新しい変化に対応する必要が出てきています。

ちなみに経済産業省も、2018年に「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン」というものを作成しており、企業に取り組みを促しています。

 

B CRMとは

DX(デジタルトランスフォーメーション)のひとつとして「CRM」という考え方・システムをおさえておきましょう。ちなみに正式名称はCustomer Relationship Managementで、日本語に訳すと「顧客関係管理」となります。

CRMは、上でも触れたように、顧客情報の管理・共有をはじめ、それをもとにした顧客への新たなアプローチや、顧客満足度の向上を目的としたシステムになっており、上手く活用できれば業務の効率化につながるだけでなく、売上げUPにもつなげることができます。

ちなみに、CRMに関連するものとしてSFA(Sales Force Automation)という営業支援システムもあります。こちらはより営業職の仕事にフォーカスしたもので、営業の仕事の過程〜結果までを全て可視化し、データとして蓄積するためのシステムとなっています。上手く活用できれば、これまで勘や経験などという形で属人化していたスキルを、具体的なノウハウとして、より多くの社員に共有できるようになります。

 

C CRMによって得られるメリット

 CRMを上手く活用すれば、具体的には以下のようなメリットが得られます。

 

・名刺管理

名刺をデータとして活用できるようになる。

・顧客情報の一元管理とステータスの更新

お客さんの個人情報や行動状況(問合せあり・購入経験ありなど)などが整理された形で把握できるようになり、それに対してどのような施策(メルマガやDMなど)を行い、どのような効果があったかも把握できるようになる。

・お客さんからの問合せやクレーム情報の管理

お客さんに対して適切なフォローができているか把握できるようになる。

・人や部署をまたいだ情報共有

上のような情報を、ある特定の人や特定の部門だけでなく、案件に関係する上司や他の部門の人も閲覧できるようになる。

・CTI(Computer Telephony Integration)

CTIは、コンピューターと電話を連携させるためのシステム。お客さんから商品やサービスに対して電話で問合せがあった際、同時にコンピューター上にもそのお客さんに関する情報を表示させられる仕組みのこと。

CRMの名刺管理

2 中小企業にはどんなCRMがむいているのか?

CRMの特徴やメリットを紹介してきましたが、実際にツールを利用する際は、それぞれの企業にあったものを導入する必要があり、以下で紹介するように「機能」「導入・運用コスト」「サポート体制」「他のシステムとの連携性」などに注意して選定する必要があります。

 そして、導入にあたって何よりも重視して考えるべきことは「CRMを使って何をするか?」という目的です。しっかりとした目的があったうえでツールを導入しないと、費用が

無駄になってしまうので注意しましょう。

例えば現状で名刺管理もあまりできていない会社が、いきなり高機能なシステムを導入しても意味がありません。Salesforce(セールスフォース)など、高機能なCRMツールは数多く存在しますが、高機能なだけにコストもかかる上、導入しても使いこなせない会社が多いとも言われています。

まずは導入目的を決めて、それに合わせたシステムを使うように注意しましょう。

A 機能 

まずは欲しい機能を整理しましょう。カスタマーサポートの質を高めることが導入の目的ならば上で紹介したようなCTI機能を備えたツールの方がいいですし、既存顧客への情報提供をより強化したい場合ならば、Eメールをトラッキングできる機能などをもつツールの方が良いでしょう。

あと、ITリテラシーに関係なく、使いやすいかどうかも大切なポイントです。欲しい機能があっても実際にツールを使いこなせなければ意味がありません。

B 導入コストと運用コスト

当然ですが、コストは低い方が良いです。ただし、導入コストだけで判断せずに、運用コストと比較したうえで判断することが重要です。導入コストは低いが、使いにくくて運用コストが多くかかるとなってしまうと意味がありません。

C サポート体制

ツールについて質問し、迅速な回答が得られるかどうかも大事なポイントのひとつです。意外な落とし穴なので注意しましょう。自分たちでやるとわからないことが出てきてしまいますが、そんな時に簡単に解決できるかどうかはとても大切です。

D 他のシステムとの連携性

最後の4つ目は他のシステムとの連携性です。ツールを使っていくうちに別の機能も欲しくなることが考えられます。特に先ほど触れた導入社数が多い「セールスフォース」と連携できるかどうかをチェックしておきましょう。

導入コストと運用コスト

3CRMには良いコンテンツが必要

CRMはとても便利なツールですが、単に顧客の管理を行うだけではなく、既存顧客へアプローチし、販売や満足度の向上につなげていかねば意味がありません。それにはCRMのデータを分析しながら良質なコンテンツの提供を通し、顧客の興味関心を保ち続けなければなりません。CRMはあくまでもツールでしかなく、それを導入しただけでは宝の持ち腐れなのです。

Eメールで新商品の案内をするにしても、顧客の状況やニーズに沿ったコンテンツか否かで結果や満足度が大きく変わってきます。例えば、既にたくさん購入経験があるお客さんと、まったく購入経験がないお客さんでは、送信するべきEメールの内容が大きく変わってくるように、顧客の行動データに基づいてコンテンツを設計していく必要があります。

つまり、アプローチするお客さんをどのように設定するか、そしてその設定したお客さんにどういう情報を提供するかということを、よりしっかりと考えるためのツールであると、認識することが重要です。

繰り返しになりますが、システムを入れればそれで完結するというのは間違いで、あくまでもシステムの導入は始まりにしかすぎません。このことをしっかりと踏まえたうえでCRMを導入するようにしましょう。

 

・CRMと連動したCMS機能もあると便利

より接客的にお客さんに情報提供していきたい場合は、Eメールの送信機能(追跡機能付き)だけではなく、CRMと連動した「CMS機能」もあると便利です。「CMS」はContents Management Systemの略称で、企業ブログなどの更新をより簡単にできるようにしたシステムのことです。

追跡できるEメールだけではなく、簡単に自分たちでHPやWEBページを作れる機能も欲しいという方は、以下で紹介する「HubSpot」というCRMをチェックしてみてください。ちなみにHubSpotでCMS機能を利用する場合、最初の14日間は無料でお試しが可能ですが、それ以降は有料のプランに登録する必要があります。

 

4 無料でつかえるCRM3選

無料でつかえるCRMを3つ紹介します。

A HubSpot

一部機能を無料で使えるのに加え、CMS・マーケティング・セールス・カスタマーサービスなど、様々なソフトウェアと組み合わせることが可能となっており、拡張性に優れている。

 https://www.hubspot.jp/

B ZOHO

無料お試し登録可能。在宅勤務・リモートワーク支援ツールがあるなど、管理という面では悪くないが、顧客へのアプローチ機能は弱い。

 https://www.zoho.com/jp/

C Fullfree

無料で使用制限なく利用可能。またCTI機能も付いている。ただし、Eメール追跡機能など顧客へのアプローチ機能は弱い。

 https://www.fullfree.jp/

 

Topics: CRM, HubSpot

デジタルブログ編集部
執筆 デジタルブログ編集部

ゼクシィネットなどの数多くのメディア制作に携わった後、Investing.com日本版編集長。現在はデジタルマーケティング統括責任者。メディアで培ったノウハウを生かし、HubSpotを中心としたデジタルマーケティング、コンテンツマーケティング、インサイドセールスなどを中心に執筆。HubSpot導入コンサルタントとしても活動中。