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マーケティングオートメーションの主な機能とは?

2021年8月6日 (公開 :2021年1月4日)

マーケティングオートメーション(MA)とはマーケティングや営業における活動を自動化することによって、生産性の向上を目指したツールのことです。

MAの始まりは国土の広いアメリカで営業活動を効率よく行うために始まりました。2014年ころには日本にも普及してきており、今では従来の営業活動からMAを導入して効率よく営業活動をおこなう企業が多くなってきています。

MAを活用し、情報管理や営業、マーケティングまでを行うことで、適切なタイミングを逃したり顧客情報の引き出しに時間がかかったりするといったことが軽減されます。マーケティングオートメーションは、「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」「リードクオリフィケーション」を効率よく行うには最適なツールといえるでしょう。

今回は注目されているMAではどういったことができるのかを、この3つの機能を軸に詳しく説明します。

 

📚 目次
      1.  
      2.  1 リードジェネレーション
      1.            A  LP作成
      2.            B  フォームの設置
      3.            C  SNS連携
            1.  2 リードナーチャリング
            1.            A  メールマーケティング
            2.            B  リード管理
            3.            C  トラッキング機能
                  1.  3 リードクオリフィケーション
                  1.            A  シナリオ設計
                  2.            B  アクセス解析
        1.  4 まとめ
  1.  

 

 

リードジェネレーション

リードジェネレーションとは見込み顧客を獲得するために行う活動のことです。セミナーへの参加や名刺交換において個人や会社の情報を得るオフラインの活動もリードジェネレーションの一つです。

最近注目されている手法として、ブログや広告、SNSを駆使したユーザーのためになる情報の発信があります。その中でも、ユーザーがさらに知りたい最新情報をメルマガやLINE@から定期的に得たいと思ってもらうことができると、能動的にユーザーからメールアドレスなどの連絡手段を入力してもらうことができます。これにより、企業側から直接連絡可能な手段やユーザーの情報を取得することが可能になります。

リードジェネレーションをうまく行うことで、企業の認知度アップや商品の販売につなげられます。ここでは、LP作成、フォームの設置、SNS連携の3つを説明していきましょう。

 

LP作成

LP(ランディングページ)とは、検索結果や広告を経由して訪問者が最初に訪れるページのことをいいます。注文や問い合わせといった顧客から得たいアクションを起こしてもらうために作られたページであり、コンバージョンページとも呼びます。LPをつくるメリットは離脱が通常のサイトページよりも少ない点があげられます。これには、LPはコンバージョンに特化しているため、無駄に他のリンクやサイトに飛ぶような設計をしないことが理由として挙げられます。

次に訴求力が高いことが挙げられます。デザイン性が高く、理想的な順序でセールストークの流れをつくっているので、ユーザーに対して強い訴求をおこなうことができます。

LPを作成することによって、資料などの情報がほしい匿名のユーザーはその情報を得られ、それと引き換えに企業側はメールアドレスや名前などの情報を得られます。そこから、企業はニーズが高いユーザーの獲得ができ、アプローチを直接行えたり、直接コンバージョンにつながったりすることもあります。

ランディングぺージ

フォームの設置

フォームにはアンケートフォーム、メールフォーム、問い合わせフォーム、資料請求フォームなどさまざまなものがあります。

フォームの主な役割は、ユーザーが問い合わせしたいことをウェブページに入力することで、簡単に直接サイト運営者にメールをおくることができるという点です。入力する内容は、メールアドレス、氏名、問い合わせ内容などが設けられています。

メリットはメールをいちいち立ち上げる必要がなく、そのままページ上に書きたい内容を記入することができることです。そのため、ページを離れる、他のツールを用いるなどの手間が省け、ユーザーの入力ミスを少なくすることが可能です。また、受付の完了等をしらせるメールを自動で24時間送信する対応ができる点もメリットになります。

 

SNS連携

Twitter、Instagram、FacebookといったSNSを連携させることで多くのメリットがあります。SNSは今やインターネット上で人々が一番集まる場所になっています。拡散能力が高く、信頼している友達やインフルエンサーからのおすすめは強い宣伝効果があります。

また、SNS自体の機能は年々進化しており、SNS上でWeb広告やターゲティング広告を掲載したり、フォームの登録管理を行ったりすることもできます。そのため、サービスやセミナーの認知活動はもちろん企業としてのブランドや好感度をあげるうえでもとても重要なアイテムです。

 

リードナーチャリング

リードジェネレーションとよく比べられるものとして、リードナーチャリングがあります。リードナーチャリングとは、リードジェネレーションをおこなった後に得られる見込み顧客を自社の顧客になってもらうように仕向ける施策のことです。

リードナーチャリングが注目されている背景には、インターネットによる厳選された情報の比較が簡単になったことと、リードの獲得方法が多様化したことが挙げられます。

以前は担当営業者から情報を聞き出すことが一般的でしたが、現在ではインターネットによって簡単に欲しい情報を得ることができるようになりました。そのため、営業が飛び込みやテレアポによって件数をこなすチャレンジをしても煙たがられることが多くなっています。

そこで、集めたリードに対してメールなどを用いて定期的な接触や獲得したリードを管理することで、優先順位をつけた確度の高いユーザーに対して効率的なアプローチをすることが可能になるのです。

また、見込み顧客の育成を行うことから、確度の高いユーザーに的を絞った営業活動を行います。そのため、どこから手を付けるべきかといった営業活動における無駄をはぶくことができるようになり、業務の効率化に大きく貢献することになります。

 

メールマーケティング

リードナーチャリングにおいてメールマーケティングは欠かせない手法です。メールマーケティングでは、メルマガ、ステップメール、セグメントメールの3種類を活用します。メルマガは一斉送信で情報を配信する特性上、広範囲で多くの人が興味を持ちそうな情報の発信に向いています。例えば、ホームページの更新や新商品の発売などに使われます。

ステップメールは、段階を踏んだメールの配信をすることで、最終的なゴールの状況にユーザーを育てるメール方式です。一通送るごとにユーザーの関心度があがるような内容にして次のメールが気なる状況を目指します。

セグメントメールはターゲットごとの条件を分類して配信する方法です。例えば、居住地域、性別、職業、年齢などによってセグメントをかけます。条件をセグメントすることで、より関心のある情報を届けることができ、メールの開封率アップやお問い合わせの件数増加を望むことができます。

メールマーケティング

リード管理

いくらリードを獲得しても管理することができなければ適切なタイミングでユーザーに情報を届けることはできません。

MAを活用することで、登録フォームからの獲得した情報や営業が獲得した名刺の情報の一元管理が可能になります。そのため、リードの状況やエンゲージメントのカテゴリー分けをして把握することで、最適なグループに最適なコンテンツの提供を行うことができます。MAのCRM機能であればリード情報の整理や抽出が簡単にでき、欲しい条件のリードリストなどナーチャリングの効率が格段に上がります。

 

トラッキング機能

自社ウェブサイトに訪れたユーザーのIPアドレスを解析することでどのような企業がサイトを閲覧しているのか、どのくらいサイトに滞在しているのかを調べることができます。これにより、キャンペーンの反応や、料金のページでの離脱が早かったなどといった、自社の課題の把握が可能です。

 

 

リードクオリフィケーション

リードクオリフィケーションとは見込み顧客の選別のことで、リードナーチャリングによって育成したリードの選別を行います。

リードの中で購入する確率が高いユーザーを選別する方法としてスコアリングという手法を用います。スコアリングとは、見込み顧客のアクションや役職ごとにスコアを出す方法です。例えば、「フォーム入力3点」、「問い合わせ5点」「見積もり依頼10点」のようにアクションに対する得点や、「役職が社長は10点」のように決済権をもっているなどの属性に対して、あらかじめ点数を決めておきます。

スコアリングではリードの状況を可視化できるようになりますが、注意も必要です。

スコアリングの点数は絶対というものではなく、あくまでも指標の一つです。そのため、完全にスコアリングの結果を信用するのではなく、見込み顧客に対するアプローチ手法を考え、実施する中でユーザーのアクションや状況を確認する作業が大切です。そうすることで、より確実性のある分析や売上に直結する結果を得ることができるのです。

 

その他

「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」「リードクオリフィケーション」の3段階の共通の機能を紹介します。

 

シナリオ設計

はじめに見込み度の点数化を行い、ユーザーがどのステージにいるのかを把握します。そして、ステージごとにやるべきアプローチ方法を決める「シナリオ」を作成します。また、自社の商品がどのように購入されているのかを把握することが大切です。購買プロセスに合ったシナリオを作っておくことで、ユーザーが気になっているだけの状況か、それとも比較検討している状況なのかを把握して、アプローチができるようになります。例えば、アクセスも頻繁にあり資料のダウンロードなども行うなど点数も高いのですが、コンバージョンには達していないユーザーに対しては、最後のひと押しとなるメールでのセールストークでコンバージョンに繋げていきます。このシナリオをMAの自動化機能で設定しておけば、リードの行動に合わせたメールマーケティングを自動で行うことができます。

 

アクセス解析

ユーザーがウェブページにどのような頻度で訪れているのかを解析します。1回だけの訪問なのか、日を変えて何度もアクセスをしているケースなのかを解析して分類します。

これに加えて、キーページの訪問頻度をアクセス解析することも重要です。料金や契約の手順といったページの閲覧は確度のある程度高いユーザーであることも多いのが特徴です。また、企業と個人のどちらが見ているものかを解析して把握をおこないます。

 

まとめ

リードジェネレーション、リードナーチャリング、リードクオリフィケーションは連動しており、どれか一つでも見当違いになってしまうと、良い結果を得ることができません。

知らない状態の人から中長期的に見込み顧客の育成をおこなうことで、購入などのゴールに結びつけることができます。ステップごとにやることを明確にすることで、MAの機能を最大限引き出した顧客獲得に繋げていきましょう。

Topics: マーケティングオートメーション

伊藤孝介
執筆 伊藤孝介

セールスプロモーション会社を経て独立し、フリーランスで地方自治体や中小企業のマーケティングリサーチ、販促企画などに携わる。 業務拡大のため2017年に合同会社を設立し、現在経営中。Webマーケティング・集客戦略をストーリーテーリングという手法を使って実践。マーケティング系ライター歴7年。マーケティング用語の解説や、事例紹介、WEBマーケティングなどが得意。