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リフォーム会社がコンテンツマーケティングで集客ができない課題とその解決方法

2021年8月6日 (公開 :2020年9月29日)

顧客(見込み客)は、商品やサービスの購入を検討するとき事前にインターネットで情報を収集し、比較検討後に行動を起こすようになりました。そのため、多くの会社がコンテンツマーケティングに取り組み、ホームページを立ち上げたり、SNSを活用したりして顧客に適切な情報を提供することで新規顧客や見込み客を獲得し、売上アップ、会社やブランドの知名度・イメージアップ、および優良顧客の囲い込みを目指しています。

しかし、コンテンツマーケティングを行ってもなかなか思うように成果が上がっていない会社が多く存在しています。なかでもリフォーム会社は、提供する主なサービスが顧客にとって比較が困難な目に見えない工事であることから差別化が難しく、コンテンツマーケティングで成果を上げることが困難な業種の1つです。そこで、コンテンツマーケティングのなかで最も重要で基本となるホームページへの集客ができない課題とその解決方法について解説します。

📚 目次

 

 

リフォーム会社が成果を上げるために解決すべき3つの課題

ホームページを立ち上げてコンテンツマーケティングをちゃんと行っているつもりでも、その成果がなかなか現れないことがあります。それは多くの場合、ホームページを作成することが目的となってホームページを作っただけで終わっていることが原因で起こります。ホームページを制作しただけでは、最も重要なホームページへの訪問者を増やす集客ができないため効果が現れません。あるいは、多額の費用を投入してリスティング広告やSNS広告を実施することで、一定数の集客ができていても成果が現れないことがあります。その原因は、集客の方法や集客後の顧客への対応が適切ではないからです。なぜ集客が思うようにできないのか、また集客ができていても成果が出ないのは主に以下の3つの課題が解決できていないからと考えられます。期待する成果が現れていない場合、ホームページの目的を点検し、なぜうまくできていないのかの検証が必要です

A.目的が明確化できていない

コンテンツマーケティングの目的には複数あり、最も重要で達成したい目的とその目的にあった情報を提供できておらず、またマーケティング手法も適していなければ成果を上げることは困難です。リフォーム会社として地域の知名度が現状では不足しているため、ただ単に知名度を上げたいのか、知名度はあるけれど成約がなかなかできないため成約率を上げたいのか、特定のリフォーム会社と競合すると負けることが多いので、その対策をしたいのかなど目的を明確にして設定することが重要です。

B.集客したい・訴求したい顧客層が曖昧である

目的が明確であっても、自社の集客したい顧客層やその顧客層が必要としているリフォームの工事内容などを明確にできていないと、その顧客が求める情報を適切に提供できないため、顧客はすぐにホームページから離脱してしまうので成果に結びつきません。

C.自社の強みや弱みなど訴求したいことが整理されていない

目的とする顧客が集客できても、ターゲットに合わせたコンテンツでないと意味がありません。例えば高齢者向けリフォームが得意な会社なのに、リノベーションのコンテンツを配信してもユーザーを戸惑わせるだけです。これは極端な例だとしても、自社の強みや他社との差別化を再度整理して、ターゲットと自社の提供できる商品・サービスの接点を考えたコンテンツにしましょう。そうでないと「コンテンツは面白いけど自分には関係ない会社」となってしまい、せっかくホームぺージを見にきているのに問い合わせ等のコンバージョンにつながりません。

リフォーム会社が課題を解決するために考えるべきこと

コンテンツマーケティングの目的とは?

リフォーム会社がコンテンツマーケティングの課題を解決するために基本的なことですが、その目的について簡単に確認しておきましょう。コンテンツマーケティングのためにホームページを立ち上げても成果が伴わない課題について、より深く理解できます。目的は、大きく分類すると以下の3つを達成するために行われます。

会社や事業の案内のためのパンフレット目的(認知度の向上目的)

会社名(店舗名)、住所、連絡先メールや電話番号、事業内容(取扱商品やサービスの内容、種類、価格)などを掲載することで顧客に必要最低限の情報を伝えること、および認知度を上げることを目的とします。認知度を上げるには、ホームページへの訪問を増やすために費用対効果の高いWeb広告であるリスティング広告、ディスプレイ広告、アフィリエイト広告、ネイティブ広告、純広告・バナー広告、記事広告などを効果的に用い、ホームページでは認知度とイメージアップを図れるように工夫することが必要です。

販売促進目的(売上・利益のアップ目的)

商品やサービスのキャンペーン情報、展示会の内容や日程、新商品の告知・案内などの販売促進を目的とします。ただし、販売促進の主たる顧客層は、見込み客の獲得か、新規顧客の契約か、あるいは既存顧客のリピート契約かを明確にし、ターゲットに合わせて、それぞれの顧客が求める情報と、自社の強みや競合会社との差別化となるような情報をコンテンツとして用意する必要があります

さらにWeb上で接客が可能なツールを導入することで実店舗でのような接客ができて、一人ひとりの顧客のニーズや希望に応じてキメの細かい対応を行い、結果として成約率を高められます。Web接客ツールには、例えばWebサイトを訪れている顧客とリアルタイムのチャットや顧客に対して割引などのクーポンを発行できるものなどがあります。

また、集客後の成約率を高めるには、興味を持った顧客が問い合わせや相談(電話・メール)、あるいは見積もり依頼が簡単にできるようなページを用意し、そのページへの誘導を分かりやすく、明確に示すようにしなければなりません。そして、実店舗への誘導や工事の事例集、事例別の工事費用を資料として送付できるようにすると、顧客を追跡できてホームページで成約できなくても訪問やメールによる営業で成約に結び付けられます。

その他の目的

会社は、利益追求のためだけに存在するものではありません。そのため、社会的責任を果たす活動の内容や人材の募集、あるいは必要に応じて経営内容を公開します。この目的は会社の規模が増大するにつれて重要性が大きくなっていきます。

 

リフォーム会社がホームページの課題を解決するための具体的な方法

コンテンツマーケティングの目的は必ずしも成約を増やすことだけではありませんが、多くのリフォーム会社にとって最も重要な見込み客に対する成約率を高め、成約件数を増加することを例にとって課題解決の具体的な方法について紹介します。

ホームぺージの分析

A.現状のホームページの課題を把握する

まず、コンテンツマーケティングの目的を明確にし、それが目標とする成約率・成約数に達していない原因を把握することから始めます。簡単に言えば、現状の課題は「自社のことや提供できるリフォーム工事の実績、価格、品質などが十分に認知されていないこと」「自社が提供しているリフォーム工事の良さを訴求できていないこと」「口コミや既存顧客からの紹介が少ないこと」などの事象を挙げることはできるでしょう。しかし、それがなぜかを把握することは簡単ではありません。

課題の把握には、自社と競合会社の強みや弱みを把握し、どこの誰に何をどのように訴求したいのかを徹底的に追求し、差別化できる内容で顧客に訴求しなければなりません。課題を把握するには、いろいろな方法がありますが。例えば、ホームページへの訪問者がどのようなキーワードで、どのページを最初に見に来て、その後でどのページを閲覧して、どのくらいの時間ホームページに滞在していたのかを調べたり、顧客に自社の魅力や欠点をアンケートで調査したりする方法があります。

そして、コンテンツマーケティングの目的に合致したターゲットの顧客層をホームページに集客し、その人数を増やすためにはその顧客の視点からターゲット顧客層の知りたい情報を推測して、その情報をホームページで提供するようにしなければなりません

自社がターゲットとする顧客層は「ペルソナ」と呼びますが、「ペルソナ」という場合は、年齢、性別、居住地域、住居の種類、築年数などだけではなく、より適切なリフォーム工事をすすめるために必要な情報やターゲットの顧客層に効果的にアプローチできる情報として、例えば、和風・洋風などの住まいの好み、詳細な家族構成、夫婦や子どものそれぞれの趣味、利用しているSNSの種類などまでできる限り詳細に設定します。

ターゲットとする「ペルソナ」が決まると、その「ペルソナ」がリフォーム工事を検討するときのプロセスがより具体的に見えてきます。「ペルソナ」がリフォーム工事を検討し、リフォーム会社やリフォーム工事の内容を知り、最終的にリフォーム工事を成約するまで、どのような感情で思考し、行動するかのプロセスのことを「カスタマージャーニー」と呼びます。「カスタマージャーニー」が分かり、そのプロセスに沿って必要な情報を提供できると成約に結びつきやすくなります。複数の「ペルソナ」の場合は、それぞれについて「カスタマージャーニー」を徹底的に追求します。ホームページへの集客が成功しても、適切な「カスタマージャーニー」を顧客に提供できなければ成約までこぎつけるのが困難です。

B.ホームページのコンテンツを充実させる

ホームページへの集客数を増やしてもホームページのコンテンツの内容が集客した顧客の期待に応えられないと顧客はすぐにホームページから離脱します。コンテンツに顧客の知りたい情報が、顧客の視線で分かりやすく書かれていて、その内容が類似の情報が提供されている競合会社のホームページを質と量で上回っていれば、SEO効果も高くなって、キーワード検索時に上位表示されます。また、コンテンツが充実していて、その内容の信頼性が高いと顧客からの信頼度も高くなり、リピーターになってもらいやすくなります。

コンテンツの質を高め、充実させるためには社内体制を見直し、「ペルソナ」の抱える悩みを営業や工事現場から吸い上げる体制にする必要があります。そして、それをコンテンツに落とし込むことで顧客が解決したいと考えている疑問の解決につながり、また顧客の知りたい情報について基礎的なことから専門的な内容まで網羅できます。またデザインや操作性などUI/UXも極めて重要ですので、こちらも注意を払いましょう。なお、ホームページの制作を社内ではなく外部業者に依頼するときは、目的、ホームページのコンセプト、「ペルソナ」や「カスタマージャーニー」など的確に伝えられるようにしなければなりません。

C.コンテンツマーケティングは施策の改良・改善が必要

コンテンツマーケティングは、効果を測定して常にマーケティング施策を改良・改善していくことが重要です。想定したターゲットの「ペルソナ」を集客できているか、想定した「カスタマージャーニー」が適切か、集客できたのにすぐホームページから離脱していないか、集客数に対して成約率や成約件数は上がっているかなど「重要業績評価指標(KPI)」を設定します。そして、目標の値に近づくようにマーケティング施策を改良・改善して、必要に応じてホームページの構成やページの内容を変更します。KPIには、「獲得見込み客数(リード)」「成約率」「ROI(投下資本利益率:費用対効果を示す比率)」「KW別検索数」「セッション数」「リピーター数・率」「ページビュー数」「平均セッション時間」「直帰率」など多数あります。細かく設定して、その数値を高めるために継続して施策やコンテンツの改良・改善が必要です。

まとめ

住宅リフォーム会社がホームページを制作しても期待した成果が得られないときの課題や、その解決方法についてホームページを中心に紹介しました。ホームページは制作できれば終わりではなく、制作の完了が出発点であり、常に改良・改善を重ねていくことが必要です。また、マーケティングの手法は数多くあります。いろいろな手法を調べ、また次々と新しい手法も生まれてくることから、常に新しい情報を吸収し、取りいれていくようにしてください。

Topics: コンテンツマーケティング, その他業界

デジタルブログ編集部
執筆 デジタルブログ編集部

ゼクシィネットなどの数多くのメディア制作に携わった後、Investing.com日本版編集長。現在はデジタルマーケティング統括責任者。メディアで培ったノウハウを生かし、HubSpotを中心としたデジタルマーケティング、コンテンツマーケティング、インサイドセールスなどを中心に執筆。HubSpot導入コンサルタントとしても活動中。