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コンテンツマーケティングで、中小企業が売上拡大するために準備すべきこと

2021年8月6日 (公開 :2020年9月2日)

なぜコンテンツマーケティングを始めるのでしょうか?コンテンツマーケティングがそんなに良いのでしょうか?コンテンツマーケティングを始める目的は企業の認知度や顧客満足度アップなど様々ですが、最終的にはどの企業も会社の売り上げ向上につながることを望んでいるのではないでしょうか。

中小企業がコンテンツマーケティングを活用して売り上げ拡大をするためにはどのようなことが必要なのか解説していきます。

📚目次

 

 1⃣ 戦略なくして戦術なし

 2⃣ 売上の上昇に必要な要素とは

 3⃣ コンテンツマーケティングに向いている理由

 4⃣ 準備すべきこと

   ペルソナ

   ジャーニーマップ

   C KPI

 5⃣ まとめ

 

1 戦略なくして戦術なし

コンテンツマーケティングは、自社のメディアに見込み顧客などを流入させるための手法です。ユーザーの流入を図るのに最も簡単な方法は広告です。しかし、中小企業は資金力のある大手に立ち打ちすることはとても難しく、お金を積むことで上位表示させることができる広告で勝負し続けるのは現実的ではありません。しかし戦略を練ったコンテンツマーケティングを用いることで、少ない投資でも大きな結果を得ることができるようになります。

初めに、ゴールを決めることが大切です。何事もゴール=最終目標を決めることが大事なのです。「他の企業もやっているから」や「効率良く集客できると聞いたから」という具合で始めることは少なくないのですが、コンテンツマーケティングはすぐに結果が出るものではなく、明確なゴールを決めた上で忍耐強く続けていくことが大切になるため、聞いた話ほど簡単にいくものではありません。そこをあらかじめ理解しておく必要があります。

ゴールの次に戦略について考えていきましょう。戦略とは今自分が持っているリソースを用いてやりたいことを達成するロードマップのことを言います。ここではコンテンツマーケティングという手法を用いて自分が売りたい商品を売るための道筋を戦略と捉えます。ゴールから逆算してそのゴールに到達するための作戦を考えていきます。

最後に、企業の達成したい目標を具体的に考えます。例えば1ヶ月〇〇万円の利益をあげることが達成目標だとします。その場合、企業が取り扱う〇〇という商品を月に〇〇個売る必要がでてきます。そして、コンテンツを用いたウェブサイトからの場合、月間〇〇人がサイトに訪れ〇〇件のコンバージョンが必要になるといった具合に達成したい目標がより行動ベースに落とし込むことができるようになります。この具体的な行動、オペレーションが戦術です。

ゴールのない旅は、方向や期限が曖昧でどこにどれだけ進んだら良いかがわからずに迷走することになります。コンテンツマーケティングにおいても同様で、ゴールを設定せずにダラダラと行っているようでは、ほとんどの項目で結果が出ることは無いでしょうし、そもそそもゴールが設定されていないものは達成しようがありません。ゴールを設定し、そこにたどり着くための最善の方法を考えることで目標達成を実現することができるでしょう。

2 売上の上昇に必要な要素とは

ほとんどの企業にとってコンテンツマーケティングを始める目的は売上を拡大すること、またはそれにつながることです。もちろん先述したゴールが社会貢献やネットワーク作りという場合もあるかもしれませんが、企業であれば表現は異なれど、売上の拡大は設定すべきゴールの一つと言えます。

そして売上を拡大するには、客単価か客数を増やすことが前提となります。客単価を上げるには商品単価か購入点数を多くしてもらうことです。商品単価はアップセルやクロスセルのように複数商品の購入で特典をつけたり、購入商品に関連した物を紹介したりするなどして単価を上げる方法があります。

コンテンツマーケティングではユーザーにとって有益な情報の発信によって新規顧客を発掘し、共感したユーザーがファンとして長く応援してもらえるような取り組みを行うことで、既存顧客数を減らすことなく、新規顧客を増やしていくことができます。昨今ではウェブ上で闇雲に商品を押し売りするような広告を用いた施策は、受け入れられにくい傾向になっています。

そこで重要なのが心理学で言う「返報性の法則」です。これは人から何か恩を感じると、その相手に恩やお返しをしたくなる心理のことを言います。つまり、コンテンツマーケティングにおいては、いきなり商品の販売を全面に押し出すのではなく、ユーザーにとって必要なことや為になるお悩み相談のような情報の提供を第一に行います。こうしてユーザーの心理は、もらった分なにかを返したいと思うようになります。これはすぐに結果が出るものでは無いですが、継続して行っている内にその情報に共感したり少しでも助けられたと感じたユーザーは自然とファンになったり、商品を購入してくれるようになります。このようにしてコンテンツマーケティングを用いたユーザーの獲得が可能になるのです。

 売上の拡大

3 中小企業がコンテンツマーケティングに向いている理由

コンテンツマーケティングを有効に活用するには、どうすれば良いのでしょうか?答えは差別化をすることです。もっとも効果的なのは自社が他社より強い(そうでなくても強く見せる)ポイントをアピールすることです。強いポイントがあれば苦労しないというため息も聞こえてきそうですが、それがないなら作るしかありません。

企業が存続しているということは何かしら社会からニーズがあるからであり、何かしらの強みというのは必ずあるものです。それを社員、取引先などから様々な角度で聞いて抽出し、創っていくのが良いでしょう。また、これをきっかけに新たな強みとなる商品の開発や既存のアップデートを考えるのも良いでしょう。

強みという点では、実は中小企業は大企業と比べ、コンテンツマーケティングとの相性は抜群に良いのです。その理由は3つあります。

1つ目、「低コストで行える」という点です。コンテンツマーケティングは、資金の有無にかかわらず、コンテンツ発信のためのサイト(ブログなど)と良質なコンテンツを作成できる環境さえあれば実施することができます。記事を書くことに苦手意識を持つ人もいるかもしれませんが、継続して書いていくことにより誰でも上達は可能です。また多少の費用はかかりますが、外部サービスなどに依頼することで、より早く簡単にコンテンツ作成が可能になります。これに加えて、SNSとの相性が抜群であるという点が挙げられます。SNSとの連携により、多くのユーザーに無料で情報の拡散ができるようになります。そして無料で関連のあるユーザーに届きやすいので、コンテンツマーケティングとSNSは併用して利用していきましょう。

2つ目は「コンテンツが資産になる」という点です。中小企業は大手と比べるとニッチな分野やより深い分野が得意なスペシャリストであることが多いです。そういった一般の人には馴染みのない情報をコンテンツ記事にして発信することにより、情報が必要なユーザーから大きな信頼を得ることができるようになります。そして全てのコンテンツはネット上での資産となり、24時間ずっと人に代わって営業やマーケティング活動を行ってくれるのです。

3つ目、「ブランディングの強化」が可能です。専門性の高い情報の発信はその分野におけるオピニオンリーダーになれる可能性があります。この分野にはこのサイトが参考になるといった具合にユーザーから周知されたポジションの確立につながります。これによって新規ユーザーの獲得もしやすくなる好循環になります。このように中小企業はニッチな分野や商品に強みをもつことが多いため、コンテンツマーケティングは向いていると言えます。

4 準備 すべきこと

準備コンテンツマーケティングはコンテンツを通して自社のファンを作り、販売に役立てるのが大きな目的です。いくらPVが増えても肝心の顧客(潜在・顕在問わず)に届かなければ意味がありません。顧客の姿、つまりペルソナの設定こそが、根幹になります。ここに時間をかけなければ、そもそも全く興味のない確度の低いユーザーに届けることになりかねません。そこで大切なのがペルソナ、ジャーニーマップ、KPIをそれぞれ設定することです。これらの設定により誰に対してどういった道のりでゴールに到達できるのかを具体的に把握することができます。

A ペルソナ

ペルソナとは実際にその人が存在する前提で、性別、年齢、職業、収入、趣味、価値観、家族構成といった詳細な情報の設定のことをいいます。すこし極端な例ですが、20代女性に向けて作った化粧品を70代男性に届けても購入してくれる確率は少ないでしょう。このように商品やサービスを使ってくれそうな人の情報を事細かに設定することによって、コンバージョンにつながるユーザーに情報の提供をすることが可能になります。

B ジャーニーマップ

ジャーニーマップとは直訳すると「旅の地図」となります。コンテンツマーケティングでは購入や資料請求といったコンバージョンというゴールに向けた行動を図式化したもののことをいいます。これを作成すれば、認知・興味・検討・購入などの段階で、ユーザーの思考や行動、感情がどのように変化するのかを俯瞰して理解するのに役立ちます。図式化することで文字だけの直感的な情報よりも、より具体的に情報の整理をすることができるのもメリットです。顧客目線で施策を打つことができたり、社内チームでの共通認識が持ちやすくなったりもします。

C KPI

KPIとはKey Performance Indicatorの略で日本語では重要経営指標と言います。つまり、最終目標を達成するために確認すべき細かい目標のことをいいます。例えば、目標を「売上を上げる」に設定した場合には、「ユーザーの悩みに応える記事数を増やす」や「記事からセミナー数を増やす」、「アクセスを増やす」といったような目標達成のための行動を1つ1つ取り組むために具体的なKPIが必要となります。

5 まとめ

コンテンツマーケティングが注目され始めたのは従来のSEOやリスティング広告を使った単純な訴求が通用しづらくなっているという社会的な背景があります。現在はユーザーのリテラシーの向上もあり本当に価値のある情報だけが生き残れるようになってきています。

コンテンツマーケティングは即効性のあるものではなく根気強く続けることが大切になりますが、価値ある情報を提供し続けることができれば、企業にとってとても大きなメリットになることは間違いありません。ぜひコンテンツマーケティングに取り組んでブランディングや売り上げの向上を目指してみてはいかがでしょうか。

Topics: 中小企業, コンテンツマーケティング

伊藤孝介
執筆 伊藤孝介

セールスプロモーション会社を経て独立し、フリーランスで地方自治体や中小企業のマーケティングリサーチ、販促企画などに携わる。 業務拡大のため2017年に合同会社を設立し、現在経営中。Webマーケティング・集客戦略をストーリーテーリングという手法を使って実践。マーケティング系ライター歴7年。マーケティング用語の解説や、事例紹介、WEBマーケティングなどが得意。