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企業が導入すべきチャットボットとは?そのメリット、デメリットを考察

2023年5月1日 (公開 :2020年12月28日)

製品やサービスの多様化が進む中で、膨大なデータを効率的に処理することが必要です。とくに、カスタマーサポートでは、日々さまざまな問い合わせに対して、ユーザーの疑問を適切に解決しなければなりません。そこで、業務の効率化を図るために、注目されているのが「チャットボット」です。本記事では、企業チャットボットを導入する際のメリット・デメリットや選び方のポイント、おすすめチャットボットをご紹介します。

 

📚 目次
      1.  
      2.  1 チャットボットとは
      1.  2 チャットボット導入のメリット・デメリット
      1.            A  チャットボット導入のメリット
      2.            B  チャットボット導入のデメリット
      3.  4 おすすめのチャットボット
      4.            A  HubSpot
      5.            B  チャットプラス
      6.            C  Chamo
      7.            D  KARAKURI
      8.            E  AI.BiS
      9.            F  ジールス
      10.            G  LINE
        1.  5 まとめ
  1.  

 

 

チャットボットとは

 「チャットボット」とは、顧客からの問い合わせを自動化するツールです。「Chat(会話)」と「Bot(ロボット)」を組み合わせた造語で、これまで人間が行ってきた顧客対応をプログラムによって処理できます。

チャットボットの歴史は長く、1966年にドイツ人のジョセフ・ワイゼンバウム氏が作成した「ELIZA(イライザ)」と呼ばれるツールが、チャットボットの起源とされています。ELIZAは、当時の技術では最先端であったものの、人間が書き上げた単純なスクリプトのみへの返答しかできませんでした。それから21世紀に入り、ディープラーニングが発達すると、Apple社の「Siri」、Google社の「Google アシスタント」、Amazon社の「Amazon Alexa」といった音声に対応した実用性の高いチャットボットも開発されるようになりました。FacebookやSkype、LINEにもチャットボット機能が追加され、このプラットフォームを利用したチャットが企業用として利用されるようにもなっています。

 

チャットボット導入のメリット・デメリット

チャットボットを導入することによって、さまざまなメリットを得られます。カスタマーサポートの質向上につなげられるだけでなく、企業のマーケティングツールとしても活用できるのがメリットです。一方、導入までに時間がかかってしまうこと、有人サポートも必要となる点に注意しましょう。

メリット

チャットボット導入のメリット

チャットボット導入のメリットとして、「カスタマーサポート業務の効率化」、「顧客満足度の向上」、「インサイドセールスへの活用」の3つが挙げられます。

1つ目のメリットは、「カスタマーサポート業務の効率化」です。従来の顧客対応では、それぞれの問い合わせに対してスタッフ一人一人が対応をしていました。そこで、チャットボットを導入することで、顧客からの質問や疑問だけでなく回答を登録しておけるため、一連の問い合わせ業務を省略できます。もちろん、チャットボットに登録した質問以外の問い合わせに関しては、人間が対応しなければなりませんが、これまでの人員を大幅に減らすことが可能です。

2つ目のメリットは、「顧客満足度の向上」です。従来の人間による顧客対応では、人員数が限られていることから、顧客からオペレーターに接続するのに長い時間がかかる場合がありました。一方、チャットボットは、24時間365日いつでも顧客からの問い合わせに対応できます。オペレーターに接続する時間を省けることから、顧客がストレスを感じることなく、スピーディな対応を行えます。

3つ目のメリットは、「インサイドセールスへの活用」です。チャットボットの活用例は、ほとんどがカスタマーサポートの業務効率化が目的ですが、企業のマーケティング活動に利用しているケースも少なくありません。一部のチャットボット機能には、Webサイトに訪れたユーザーの企業名、IPアドレス、メールアドレスといった情報が表示され、今後のセールス材料として活用できます。同時に、チャット機能も備えているため、見込み顧客の関心度が高い場合には、その場で自社の製品やサービスの訴求を行うことも可能です。

 

チャットボット導入のデメリット

一方、チャットボット導入によって、デメリットも生じることに注意しましょう。デメリットとして、「導線の設計をする必要がある」、「すべての質問に正確な回答ができない」、 「有人のサポートが必要」の3つが挙げられます。

1つ目のデメリットは、「導線の設計をする必要がある」ことです。チャットボットを企業Webサイトなどに導入するまでに、ユーザーからの質問内容と回答、解決するまでのシナリオを作成しなければなりません。また、チャットボットの回答に対して、顧客が満足する回答を得られないことが続く場合には、質問と回答を改善する必要があります。チャットボットで効果を上げるためには最適な導線の設計が必要になります。

2つ目のデメリットは、「すべての質問に正確な回答ができない」点です。チャットボットは、ユーザーが疑問に感じていることや、問題を解決する自動化ツールとして活用できます。しかし、チャットボットを導入することによって、すべての回答に対して、正確な回答を提供できるわけではありません。多くのユーザーが抱えやすい問題については、チャットボットによる回答を行えますが、質問内容が細かくなるほど、回答の正確性が低下する場合があります。

3つ目のデメリットは、「有人のサポートが必要」であることです。企業側にとっては、チャットボットを導入することで、マンパワーを省力できるほか、生産性の向上につながります。一方、ユーザーにとっては、望んでいた回答を得られないこともあり、結果として、有人のカスタマーサポートに連絡しなければならないというケースも少なくありません。チャットボットに頼るのではなく、有人サポートも併せて活用することで、顧客への満足度を高める必要があります。

 

選び方のポイント

チャットボットツール

チャットボットを自社で導入する際には、選び方のポイントを押さえておきましょう。まず、チャットボットの導入には、コストが発生します。最近では、無料で利用できるチャットボットも増えていますが、多くの機能の利用や、サポートを強化したい場合には有料プランへの登録が必要です。サービス内容によって複数のプランが用意されていることもあり、安くて月額数千円、マーケティングツールなどが付属したプランだと数万円の月額費用がかかります。

次に、AI機能を搭載したチャットボットであるかも選ぶ際に重要です。チャットボットには、AIを搭載した「人工知能型」と、シナリオ型の「人工無能型」の2種類が存在します。前者は、ユーザーのスクリプト内容を単語だけでなく、文章全体を把握して、回答を導き出すことが可能です。また、データの学習機能が備わっているため、利用すればするほど、ユーザーは最適解を得られます。一方、後者は、人間があらかじめ設定した文章や単語に対しての回答しか行えません。文章中にある単語が入っていたら、この回答をするという会話が続くため、正確な回答を得られない場合があります。

また、API連携に対応しているかもチェックしましょう。API連携とは、「Application・programming・Interface」のことで、FacebookやLINEといったアプリの機能と共有するシステムです。API連携によって、アプリケーションとのデータのやりとりが可能となり、ユーザーの質問に対する回答の正確性を高められます。

 

おすすめのチャットボット

企業がチャットボットを導入する際には、メリット・デメリットに加え、選び方を参考にしながら選びましょう。カスタマーサポートやマーケティングツールとしても活用できる「おすすめチャットボット」をご紹介します。

 

A HubSpot

HubSpot」は、アメリカのマーケティング企業であるHubSpot社が開発したチャットボットです。Webサイトに訪問した見込み顧客からの問い合わせに対して、自動で回答を行えることから業務全体の効率化につなげられます。また、HubSpotは、多くのテンプレートや機能を使用できるため、これから新しくチャットボットを導入するといった企業にもおすすめです。多少の機能の制限はあるものの無料でも使えるのもありがたい点です。

また、インバウンドマーケティングを強化したい企業にとっても、メリットがあります。月額制のプランが複数用意されており、「リターゲティング広告」、「トラフィック分析」といった必要なマーケティング機能を選べるのが特徴です。

 

B チャットプラス

チャットプラス」は、Webサイトに訪れた見込み顧客の属性を調べられるAI搭載型のチャットボットです。訪問者の国、地域、企業に関する情報が記載されているため、どのような層が自社製品・サービスを求めているかを分析できます。また、問い合わせに対する無人チャット機能だけでなく、オペレーターと組み合わせたハイブリット運用を可能としていることから、ユーザーの状況に合わせて使い方を選べるのが特徴です。

 

C Chamo

Chamo」を利用することで、Webサイトに訪問した顧客に対して、ダイレクトにメッセージを送信できます。サイト訪問者の情報をデータベースから読み込み、それぞれの顧客に対して、適切な情報を届けられるのがメリットです。また、Chamoは、iOSとAndroidOSに対応しているため、スマートフォンデバイスを使用した見込み顧客へのアプローチを行えます。

 

D KARAKURI

KARAKURI」のチャットボットには、AI機能を活用したFAQサイト(よくある質問)を標準搭載しています。チャットボット生成時に、あらかじめ質問内容と回答を登録しておけるほか、AI分析によって顧客からの質問に優先順位付けや改善点を可視化してくれます。

チャットボットは、問い合わせ業務を自動で行えるものの、顧客の質問に対する微妙なズレもあり、完全な正確性があるとはいえません。KARAKURIのチャットボットは、AIによって質問内容や回答の学習を行い、改善を進めていくことで、顧客の満足度をより高められるツールです。

 

E AI.BiS

「AI.BiS 」は、Webサイトに訪問したユーザー情報の可視化を行えます。IPアドレス、企業名、地域が表示されるほか、新規顧客か既存顧客かの判別も可能であるかことから、インサイドセールスを強化したい企業に便利です。また、AI.BiSでは、Webサイトを訪れるまでの経路となった検索キーワード、インターネット広告情報をリアルタイムで取得でき、見込み顧客がどのような製品・サービスに関心があるのかをチェックできます。

 

F ジールス

マーケティングツールとして活用しやすいのが「ジールス」です。ジールスでは、見込み顧客とのコミュニケーションを通じて、自社のサービス・製品の訴求を行えます。従来のチャットボットと異なり、必要以上に訴求するのではなく、ニーズに合わせながら訴求できることから、一方的なセールス展開にならないのが特徴です。また、チャットボットの導入から、運用・課題の解決まですべてサポートしてくれるため、初めて導入する企業でも使いこなせます。

 

G LINE

日常的な連絡ツールとして人気の高い「LINE」にも、チャットボット機能が付いています。LINEのチャットボットは、顧客からのメッセージに対して反応するだけでなく、企業側からもユーザーに登録したユーザーに対してメッセージを届けられるのが特徴です。また、LINE公式アカウントを取得して、メッセージ内容をあらかじめ設定しておくだけで利用できるため、簡易的にチャットボットを設置したい企業にとってもおすすめです。LINEは使用しているユーザーも多いことから、企業の固定顧客につなげられるツールとしても活用できます。

 

まとめ

企業がチャットボットを導入することによって、カスタマーサポート業務の効率化につなげられます。また、オペレーターの人員数を減らせるため、企業にとってコストカットを実現できるのがメリットです。しかし、導入までに時間がかかってしまうことや、場合によっては有人サポートも必要であるといったデメリットにも気を付けなければなりません。選び方とおすすめチャットボットを参考にした上で、最適なチャットボットを導入しましょう。

Topics: オウンドメディア, デジタルマーケティング

デジタルビジネスブログ編集部
執筆 デジタルビジネスブログ編集部

デジタルビジネス編集部の編集者や所属ライターが執筆しています。