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今や企業が生き残るためにはデジタルトランスフォーメーション(DX)を通した生産性の向上が必須となっています。これを実現するにはコンテンツ・経営データと連動する総合的なデジタルマーケティング戦略の策定と検証・実施が不可欠です。当ブログでは、DXやデジタルマーケティング・集客などマーケティング担当者が直面する課題解決に役立つ情報をほぼ毎日更新していきます。

効果の高いコンテンツマーケティングの種類とは?

2020年12月23日 (公開 :2020年10月1日)

近年では多くの企業でマーケティングプロセスの一環としてコンテンツマーケティングが利用されています。コンテンツマーケティングとは、読者にとって有益で、ためになる情報をSNSやブログ、動画コンテンツなどを用いて発信を行う手法です。見込み顧客のニーズをキャッチし、コミュニケーションを行うことでファンを作り、購買やコンバージョンにつなげることを目指します。インターネットの普及により購買チャネルは、これまで企業がマスメディアを通して投げかける「プル型」から、ターゲットが自ら選んで情報をとりにいく「プッシュ型」に移行しています。ユーザー視点でもSEO視点でも有益な情報の発信は、今後企業が生き残れるかどうかの鍵になっていると言えるでしょう。

今回はコンテンツマーケティングを行う際に知っておくべき種類や、効果的な手法について解説していきます。

📚 目次

 

 

コンテンツマーケティングで得られる効果とは

コンテンツマーケティングには、商品や会社、または社風や製品への強い想いを多くの人に知ってもらう、認知拡大やブランディングといった効果があります。さらに、認知やイメージが浸透することによって「これに関する情報はこの会社」といったように、企業がその分野において優勢なポジションの獲得につながるという効果も期待できます。また、有益な情報の提供によりユーザーを企業や商品のコアなファンにするユーザー育成や、ユーザーに商品が必要だと思わせるための売上増加(コンバージョン増加含む)といった効果があります。

 

コンテンツマーケティングの種類

ブログ、動画コンテンツ、メールマガジンなどをそれぞれ掛け合わせるクロスマーケティング手法を活用すると、コンテンツマーケティングで最大限に効果を出すことができます。例えば、ブログ内にあるホワイトペーパーを、メールアドレス登録の条件でダウンロードできるようにするという2つのメディアを活用する方法がよく使われています。他にもメールマガジンから動画のコンテンツに遷移するURLを配置したり、ブログの紹介をSNSで行ったりすることなども挙げられるでしょう。SNSを使えばより速い速度で広範囲に情報を伝達できるため、コンテンツマーケティングにおいてSNS活用は不可欠となっています

以下、コンテンツマーケティングの種類を大まかに4つに分類して解説していきます。コンテンツマーケティングチャート

 

A 認知拡大・ブランディング(ユーザー視点)

会社や商品の価値を高める方法として、ブランディング戦略があります。ブランディング化を進めることによって、ユーザーは似たような商品の中から、知っている商品を選びがちになります。なぜなら、「知っている」ということは「安心」「信頼」につながるからです。また、事前に企業や商品についての周知をさせることにより、値段だけで比較購入されることが減り、会社の理念やこだわりに賛同して購入してくれるロイヤリティの高いユーザーを獲得でき、他社との差別化にもつながります。中でもユーザー視点で作成するものとして「著名人コンテンツ」「面白いバズるコンテンツ」の活用がおすすめです。

著名人や有識者が発するメッセージは権威性があり、ユーザーの信用を得やすい面があります。例えば、著名人へのインタビュー形式での記事をコンテンツ化したり、影響力があるインフルエンサーと呼ばれる人々にSNSやブログといった媒体で商品やサービスの紹介をしてもらったりすることで、ユーザーを惹きつけ、多くの人に届けることができるコンテンツができあがります。特に医療・健康など専門性が高い分野や高額商品では、その道の権威(有識者)が登場するだけで、信頼感が高まるため、よく使われることが多いといえます。

次に「面白いバズるコンテンツ」を紹介します。面白いコンテンツを作成することで、ユーザーが勝手にSNSなどの媒体で多くの人々に拡散する、いわゆる「バズる」ことが可能になります。今や口コミは信用を得る大きなツールであり、消費行動でもShare(共有)は重要です。フェイスブックやツイッターなどのSNSにおいて、人々の共感を得た投稿は「いいね」「コメント」「シェア」といった形で、ユーザーがその知人に共有することでバズる(情報があっという間に多く拡散される)ことになります。

また、商品を利用した「お役立ちコラム」もよく使われる手です。食品メーカーが、商品を使ったレシピを公開したり、旅行代理店が人気観光地のスポット紹介をしたりするのが、これに当たります。これらはユーザーにとって知りたくて役立つ情報であり、実際に利用すれば企業への信頼感・安心感が高まるという意味でもよい手法といえます

 

B 認知拡大・ブランディング(企業視点)

企業視点で発信されるポピュラーなものとして「プレスリリース」という手法があります。プレスリリースとは、例えば、新製品の発売、人材やパートナーの募集といったように、関わりのある業界の人々に向けて報道価値のある情報を公式で発信して自社の活動内容を伝えることです。ありふれた情報の共有ではなく注目に値することが「起こっている」もしくは「起ころうとしている」ことが、プレスリリースを行う上での情報発信において大切になります。

また、柔らかく企業が発信したい内容を伝えたいなら「社員インタビュー」がよいでしょう。商品開発秘話や採用のための社員からのメッセージは、ユーザーに親近感を持たせるという意味でもよい手法です。社員自らが執筆し発信する「社員ブログ」も内部の生の声としては有効です。中でも社長が企業理念などを発信する社長ブログなどは会社の特

徴を知ってもらう上では効果的といえるでしょう。

 

C ユーザーとの接点強化(育成)

ユーザーとの接点の強化には「診断コンテンツ」「アンケートコンテンツ」「オンラインセミナー」の3つを活用することで、ユーザーを企業や商品のファンに育てることができます。

「診断コンテンツ」では、心理テストや占い、クイズといったコンテンツを用意する手法です。ユーザーは自分の新しい一面を発見したり、行動の指針を与えられたりするのを好む傾向があります。そのため、あなたはこのような診断結果が出たので、〇〇という商品がおすすめですというレコメンドから購買につながりやすくなります。

「アンケートコンテンツ」は、企業やライターの個人的な見解だけではなく、一定数のアンケート集計による統計結果によって作成されたデータを活用することで、より説得力が増すものになるという手法です。また、アンケートをとることによってユーザーが本当に求めているものを把握することができるようになります。アンケート手法はリサーチ会社に依頼することも可能ですが、顧客リストや外部パネル、SNS、セミナーなどでの配布を活用することで、より低コストに抑えることができます。アンケートへ答えてもらうために回答者には次回使える割引クーポンを発行したり、回答しやすいように事前に例文を用意したりするなどの工夫を行うことで集めやすくなります。

「オンラインセミナー」の開催は参加者が開催場所まで足を運ぶ必要がなく、インターネットさえ繋がっていれば、場所を気にする必要もないなど、参加のハードルが大きく下がるというメリットがあります。近年ではコロナウイルスが流行していることもあり、特に多くの企業が活用するようになりました。

これまでの販促手法では広告が突発的にユーザーに表示される手法であったので、段階を踏んだユーザー育成は困難でした。それに比べて、コンテンツマーケティングにおけるユーザー育成では「潜在顧客から顕在顧客」、「顕在顧客から顧客」、「顧客からファン」へとステップを踏んだ育成ができます。見込み顧客が見たくなるようなコンテンツを発信していくことで、関係構築が深まり、ロイヤルカスタマーへと成長していくことが可能になります。

 

D 購買意欲の向上

商品や導入メリット、競合優位性を紹介するばかりの記事は、企業目線での独りよがりなコンテンツに見えてしまう場合があります。よく見かけるのが、企業はメリットや優位性を紹介しているつもりでも、ユーザーである消費者から見ると、単なる商品やサービス自慢になってしまっている場合です。そのようなミスコミニュケーションを解決するのが「お客様の声コンテンツ」や「導入事例」です。

この2つを導入することで、企業目線での商品紹介ではなく、実際に使用したお客様の生の声として、客観的かつ情緒的に商品の魅力を伝えることが可能になります。また、購入前のユーザーが購入後の未来を予想しやすかったりするだけでなく、自社の社員も自信ややりがいを持ってお客様に対して丁寧な接客の意識を持つことができます。

アンケートの回答でも同様のことを述べましたが、多くの回答を得るためには、営業が購入後に「お客様の声の回答」を毎回お願いするなどして、購入後のフローを決めておくことで、より答えてもらいやすくなります。

これら2つは企業にとってとても有用な資産になります。ウェブサイトだけでなく、営業資料などに使うことも可能です。また、商品やサービス改善にもつなげることができるので、できるだけ多くもらうように努めましょう。

コンテンツマーケティングの代表的な配信手法

コンテンツマーケティングにおいて、どの媒体を使う場合でも必要になってくる考え方として、KPIの設定があります。これは最終目標を達成するために行うべきステップを細かくしたものです。ブログとメールマガジンではそれぞれKPIにおけるステップも変わってきます。コンテンツの役割を整理して、アプローチ方法を考えることはとても大切です。

コンテンツマーケティングを行う上で抑えておきたい4つの代表的な手法について紹介していきます。

コンテンツマーケティングアイコン

A ブログ

ブログマーケティングはブログを使った情報発信を行い、ブログにアクセスを集めて商品やサービスのコンバージョンを高める手法です。趣味ブログとは異なり、見込み客を満足させるコンテンツにすることが大切になります。企業ブログはコンテンツマーケティングをする上では基本となる情報発信手段です。商品やサービスの紹介を積極的に行うというよりは、ユーザーに役立つ便利な情報や有益な情報を発信することで、購読者やファンを増やします。決まった曜日や時間に配信するなど、定期的にコンテンツをアップすることや、有益な情報を発信する事でSEOにも高い効果が望めます。キーワード選定や適切なターゲティングを行うことでSNSでの拡散も期待できます。 

 

B 動画コンテンツ

動画コンテンツは最近特に注目されている手法です。YouTubeといった動画プラットフォームの発展により、スマートフォンで手軽に動画を見ることができるようになりました。近年では5GVR技術の向上により今後さらに動画コンテンツが発展することが見込まれています。

また、文字や画像のみといったものより伝えられる情報量が大幅に向上したため、ユーザーも特に好んで利用するようになっています。動画コンテンツでユーザーを獲得するには、ターゲティングやコンセプトを特に意識したストーリー性のあるコンテンツを作成するのがポイントです。また、ターゲットによってYouTubeFacebookInstagramなど、どの媒体を用いるのかを考えることが重要です。

 

C メールマガジン

メールマガジンを用いたマーケティングでは、一度に多くのユーザーに対してメールを配信することで、接触率を高めて閲覧数を伸ばすことを目的としています。施策を行う側としては、普段から慣れ親しんでいるメールでの認知拡大なので、実行しやすいというメリットがあります。メールマガジンでは、新商品の情報やキャンペーン情報などを定期的に配信することで接触数をできるだけ多く増やし、ユーザーが気になったり、待ちわびたりするようなコンテンツ配信を目指したいところです。

 

D ウェビナー

ウェビナーとはウェブ上で行われるセミナーのことです。ウェブを通してセミナーを開催することができるので、遠隔地からもリアルタイムでセミナーに参加ができます。場所を選ばないため、企業が会場を用意せず、参加者も時間に合わせて移動する必要がないため、セミナーよりも開催と参加のハードルが下がり、注目を浴びています。ウェビナーでは通常、企業のプレゼンテーションから始まり、講演のあと参加者によるQ&Aセッションといった構成がポピュラーです。

企業が提供しているウェビナーのサービスを使うか、zoomアプリを利用することで、簡単にウェブ上のセミナーを開催することが可能です。zoomの場合には主催者はzoomアプリを事前にダウンロードしておく必要があり、参加者は主催者側が提供するURLを通して参加することができるようになっています。 

 

まとめ

コンテンツマーケティングは誰でも簡単に取り組むことができますが、誰もが簡単に効果を出せるものではありません。また、効果も即日出るようなものではなく、粘り強く継続して改善を繰り返すことで効果が出るものです。アメリカのリサーチ会社は、顧客育成を上手に行う会社は商談開拓のコストが33パーセント削減され、アポイントが1.5倍増加するという統計データを発表しています。

自社に合ったコンテンツマーケティング手法をしっかりと理解をして、顧客との良い関係を作りコンバージョンの向上を目指しましょう。

Topics: コンテンツマーケティング

伊藤孝介
執筆 伊藤孝介

セールスプロモーション会社を経て独立し、フリーランスで地方自治体や中小企業のマーケティングリサーチ、販促企画などに携わる。 業務拡大のため2017年に合同会社を設立し、現在経営中。Webマーケティング・集客戦略をストーリーテーリングという手法を使って実践。マーケティング系ライター歴7年。マーケティング用語の解説や、事例紹介、WEBマーケティングなどが得意。