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士業の独立・開業時にやるべき集客方法とは?

2021年8月6日 (公開 :2020年9月3日)

士業には税理士、行政書士、弁護士、社会保険労務士、司法書士といったものがあり、それぞれの国家資格に合格した人だけが名乗ることがきる資格で人気の職業ランキングでも上位を取っているものばかりです。昔は士業の資格を取っていたら安泰と言われていた時代もありましたが、多くの人が仕事を失っている現在では、士業に関しても他人事ではありません。例えば、税理士は中小企業の帳簿付けや税務書類の作成を担うことが業務の1つにあります。しかし、現在ではマネーフォワードやフリーといったオンライン上でより便利に行ってくれるクラウドサービスがあり、多くの企業でもこうしたサービスに移行傾向が高くなってきています。このように士業においても将来では70%以上がAIに取って替わると言われており、仕事を得ることが難しくなってきています。このような時代に士業が独立・開業時にやるべき集客方法についてご紹介していきます。

📚目次

 

 1⃣ 登録数は主要士業ともに伸びており競争激化

 2⃣ 独立時におすすめのマーケティング手法

 3⃣ おすすめツール

   A HP・ブログ

   B SNS

   C 動画

   D セミナー

   E メールマーケティング

           F マーケティングオートメーション

 4⃣ まとめ

 

1 登録数は主要士業ともに伸びており競争激化

士業の数は年々増加傾向にありますが、顧客となる事業所自体が年々減少傾向にあるためこれまで通りに難関資格を取得して就職しても安定とは言えなくなってきています。士業とはいえ、自分で営業をする事ができたり、自らポジショニングを確立したりするなど、継続して顧客をとり続ける事ができないと難しい職業になってきています。

士業は人脈による紹介がメインになっている人も多く、営業をかけて案件を取りにいくことは少ない職業でもあります。しかし、自分で案件を引っ張ってくることができることで、他との差別化をることができるでしょう。また、近年ではオフラインでの活動だけでなくウェブを駆使したオンラインでの営業やマーケティングを活用することが増えてきています。このように士業も時代にあったマーケティングに対応していく必要があります。

 

2 独立時におすすめのマーケティング手法

士業の資格をお持ちの方で独立を考えるのはよくあることではないでしょうか。多くの場合、開業当初は自分の人脈を駆使し、紹介を受けて仕事を得ることになります。しかし、大抵は紹介だけで案件を受注していくのには頭打ち感があり、開業後まもなく事務所経営が行き詰まってしまうことになってしまいます。こういった状況を避けるためには、他との差別化をって自ら営業活動を行い、案件の獲得をしていかなければいけません。

そこで、必要になるのがマーケティング活動です。自分の身体1つでできるアウトバウンドマーケティングには、飛び込み営業やビラ配り、テレマーケティングというアクションがあります。これらにはすぐに行動に移せるという即効性がある反面、顧問活動を続けながらの営業活動には時間的、身体的な制約があるなど、必ず限界が来ます。そして企業からの押し売り色が強いため見込み客から敬遠されることがたびたび起こります。これは顧客を追いかけて訪問をしたり、電話をかけて営業を行ったりするといったような多くの人が思い描く形態の営業手法です。

それに対し、動画やブログ、ニュースリリースといったコンテンツを使ったマーケティングのことをインバウンドマーケティングといいます。ウェブやメディアを用いて消費者の興味や関心を惹き、消費者自らが自発的に行動をおこしてくれるため、きてくれた相手に対して営業をかけることができます。

近年においては消費者側も莫大な数の広告や営業電話などにうんざりしている傾向があるため、よりアウトバウンドマーケティングだけをメインで行うのは苦しくなってきています。これに加え、ネットが普及している現代では「情報は調べると出てくるもの」になっており、ユーザーが自発的にリサーチ活動を行って目につく情報がより優先度が上がる傾向があります

インバウンドマーケティングにおいて、オウンドメディアやアカウント作成は即日でできるものではなく、かつ継続的な活動が必要です。コンテンツを定期的に更新していき、P Vやフォロワーを増やしていくといったような手間や時間がかかります。顧客となりうるユーザーをコンテンツを通してファンにしたり、より強いニーズを持った顧客に育てたりすることができます。

よくコンテンツマーケティングはB to Cに効果があると言われていますが、単価が上がることが多いB to Bにおいては窓口担当者が商談前に事前に調査したものを強く意識する傾向があるために、B to C変わらず強い効果を発揮することができます。

 士業の開業

3 おすすめツール

他の業界でも応用は可能ですが、士業において顧客を獲得するための営業やマーケティングにおいておすすめの方法を紹介していきます。士業は難関資格を取得し一般人が知らない専門的な情報を持っているため、情報発信はとても相性が良いものです。多くの人が知りたい分野をブログ、SNS、動画やセミナーといった形式で知識提供することで、認知度や信頼性が増して高感度アップや顧客獲得につながります。

A HP・ブログ

経産省によると自社のホームページを作成している企業は84パーセント以上あり、多くの企業はホームページの重要性に着目しています。もうすでにホームページを運営しているという方の中で、特定のブログサービスをホームページとして利用しているのであれば、見た目や信頼度が乏しいサイトになっている可能性があります。Webサイトの運営は戦略的な設計が重要であり、他社との差別化を図れる内容にする必要があります。ブログの内容は法律お悩み相談や財務、税金に関する知識を定期的に書くことで良いサイトに仕上がります。また、士業はコンサル業のため、顧客との相性も重要な要素の1つです。専門性に加えて自身の雰囲気や趣味の内容といったプライベートな情報でも差別化を図ることができます。

B SNS

TwitterFacebookInstagramといった代表的なSNSを駆使できることで情報の拡散をより効率的に行うことができます。例えばTwitterの主なユーザーの年齢層は20〜40代です。そして文字制限が140文字までなのでコンパクトにこの年代が抱える消費者問題等を取り上げるのが良いでしょう。

Facebookでは3050代といった働き盛りの人がユーザーとして多いです。特に近年では60代以上のユーザーも増加傾向にあります。そのため、こうした人が直面する労働問題などについて文字数を気にすることなく丁寧に伝えることが可能です。

Instagramは10〜30代といった若い世代のユーザーを抱えているSNSです。写真を使って視覚的なアプローチができるため、自分自身の特色を出しやすいメディアでもあります。奨学金問題など若者の抱える問題にアプローチできます。

このように、SNSにも各々に特徴があり、それを活かした活用をすることでよりユーザーに届きやすいコンテンツの作成が可能になります。

拡散方法はそれぞれのSNSHPといった媒体で単独で拡散することもできますが、例えば、FacebookInstagramで投稿した内容をTwitterでリツイートしたり、ユーチューブの動画の宣伝をInstagramで行ったりすることができます。また、共感を呼ぶ投稿はユーザーにリツイートしてもらうなど、さらに拡散範囲が広くなります。こうして、SNS同士を掛け合わせたりすることでより広範囲のユーザーに情報を届けることが可能です。

C 動画

動画の代表的なSNS媒体としてユーチューブが挙げられます。動画は文字や写真よりさらに具体的な説明ができ、その人の雰囲気が分かりやすくなるといったメリットがあります。また、法改正時のポイントなど難しい分野を動画の力を利用してわかりやすく解説することができれば、他の媒体より満足度の高い情報提供ができます。そして、士業の方は他の業界と比べセミナーを開催することも多いのではないでしょうか。そのセミナー動画の一部をアップロードすることでよりユーザーに強い興味を持たせることが可能になります。FacebookなどのSNSで拡散すればより広範囲のユーザーに動画を見てもらうことができます。

D セミナー

セミナーを開催するにも集客力が必要になりますが、決められたテーマのセミナーに集まる人はその分野において強いニーズを持った人でもあるので、より具体的な説明や営業がかけやすいといったメリットがあります。また実際に対面で悩み相談や問題へのアプローチを行うことで動画よりも顧客獲得やファン化に向けた施策を施すことが可能になります。いかに接点を多く持てるのかが、新規案件獲得に必要な要素です。そのため自治体が開催するような無料セミナーにも参加することで地域の人々との結びつきを強めて案件獲得につなげることができるでしょう。

E メールマーケティング

顧客のリストがあることが前提のマーケティングにはなりますが、ホームページや各SNSから興味を持ったユーザーに対して一気に大量のメールを送ることができます。文章中心のアピールになりますが、定期的にお悩み相談や法律、税金に関する知識を分かりやすく配信することでユーザーの目に何度も留まれば親しみを持ってもらいやすくなります。

F マーケティングオートメーション(MA)

士業のコンサルティング業務を行いながら、顧客獲得の営業やマーケティングを行うのはとても大変です。そこで手助けしてくれるのがMAの活用です。

MAとは顧客ターゲットの選定からメルマガの配信などを行い、見込み客を新規顧客に自動で育成するシステムです。例えば、司法書士に相談するまでもないと思っていた顧客が、メルマガの正しい情報を見て’’相談しなくては’’ と思うようになります。このように、ユーザーとの接点を持つための手間がかかる作業を自動で行い顧客育成をしてくれるので、士業業務に集中して取り組むことができるようになります。

また、Hub Spotのように無料で始められるところもあり、ブログやLPCRMSNS連携、SEO対策などがワンパッケージになっているため、とても便利なサービスになっています。

 

まとめ

今回は士業の方が独立開業をする際にどういった方法で顧客獲得をするのかについてご説明しました。現代においてウェブを使ったマーケティングは絶対に必要な戦略であるといえます。また、士業業務と並行しての営業活動はとても大変で手間がかかる作業になることでしょう。これから士業で独立してやっていきたいという方には、効率良くマーケティングや営業を行って業務に集中できるような環境作りを目指すことをおすすめします。

Topics: マーケティングオートメーション, インバウンドマーケティング, その他業界

伊藤孝介
執筆 伊藤孝介

セールスプロモーション会社を経て独立し、フリーランスで地方自治体や中小企業のマーケティングリサーチ、販促企画などに携わる。 業務拡大のため2017年に合同会社を設立し、現在経営中。Webマーケティング・集客戦略をストーリーテーリングという手法を使って実践。マーケティング系ライター歴7年。マーケティング用語の解説や、事例紹介、WEBマーケティングなどが得意。