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海外の飲食業界におけるデジタルマーケティングの事例

2021年8月6日 (公開 :2020年11月13日)

新型コロナウィルスの影響で飲食店に大きな影響を与えているのは、国内だけでなく海外でも同様です。本稿では、海外での飲食店のデジタルマーケティング事例をご紹介します。是非参考にしてください。

 

📚 目次
      1.  
      2.  1 飲食業界の現状
      3.  2 海外飲食店の最新事例
      4.            A  スターバックス
      5.            B  マクドナルド
      6.            C  Meal Pal
        1.  3 飲食業界のマーケティングポイント
        2.            A  顧客体験
        3.            B  コミュニティへの貢献
      1.  4 まとめ
  1.  

 

飲食業界の現状

新型コロナウィルスは、日本でも外出自粛などで飲食に膨大な影響を与えましたが、海外においても同様です。アメリカでは、3月からの1ヶ月で300万人以上の雇用、そして2兆7,000億円近くの損失があったといわれており、3%近い店舗が廃業に追い込まれています。また、6月までには損失は24兆3,000億円になるといわれています。新型コロナウィルスの影響がまだまだ大きい中で、飲食業界はデリバリーやテイクアウトなど新たなサービスの展開を始めています。

キッチン

海外飲食店の最新事例

それでは具体的に海外飲食事業の最新事例をご紹介します。

 

スターバックス

Starbucksは、デジタルトランスフォーメーションを急速に進めている企業の一つです。Starbucks Appを利用することで事前の注文や支払い、会員のリワードなどができます。Starbucksアプリは、買い物ごとにポイントが貯まるなど顧客側に大きなメリットがあり、昨年まではApple Payなどのキャッシュレスサービスよりも米国において最も利用されているキャッシュレスサービスでした。また、アプリを通して買い物を行なう事により、顧客の購買履歴が蓄積されるため、顧客の好みに応じた商品の提案や特別クーポンの発行といった顧客の好みに応じたパーソナライズも行います。このようにリアルな店舗だけでなく、デジタル体験を拡大していくことにより、顧客を捉えるきっかけを作っています。

また、顧客のアプリを通すことにより、店員と顧客の接触を最低限に抑えることができるため、まだ営業を再開していないお店でもモバイルオーダーのみ再開しています。スターバックスは今後都心の実際の店舗を中心にピックアップやドライブスルーに最適化した店舗の開発を行っていくと発表しています。このように新型コロナウィルスの影響で変化している顧客行動に最適な体験を提供しています。

 

マクドナルド

マクドナルドでは、ドライブスルーでの顧客体験の最適化を図っています。2019年よりAIを活用したドライブスルーのメニューや顧客それぞれに合わせた情報の最適化を実施しています。具体的には、店舗ごとの人気メニュー、天気、顧客層、時間帯などの情報を分析することにより、ドライブスルーのメニューボードに最適なメニューを表示。そのため、暑い日には冷たいシェイク、寒い日にはホットコーヒーが掲載されます。また、それ以外にも注文した内容に応じて一緒に買うべき商品のレコメンドも行います。このような施策を実施することで売上アップや顧客体験の向上につながっています。

また、それだけでなく試験的な導入ですが、ナンバープレートを読み込むことで顧客の注文履歴などを蓄積し、顧客の注文履歴に応じたメニューの表示なども行っています。このようにファストフードにおいても顧客体験の向上やパーソナライゼーションが進んでいます。

 

Meal Pal

Meal Palは提携レストランから格安でランチを提供してくれるサブスクリプションサービスです。アプリを通じて翌日のランチを予約しておくことでランチの時間にピックアップするだけで格安で、待たずにランチを得られます。店舗側もMeal Pal上のプラットフォームへの認知が増すということや事前オーダーのためロスも少なくて済むというメリットがあります。

Meal Palが大きく拡大した理由は、オフィス街でのランチの値段が高く、オフィスに通っている人にはかなり痛い出費になり、待ち時間も長いなど不満が多くあった中で、様々なレストランの選択肢を選べるプラットフォームとして大きく人気が出ました。しかし、新型コロナウィルスの影響で、自宅勤務が増えたことにより経営に大きな打撃を受けました。そのような自社のビジネスが厳しい中でレストランへの募金サービスを開始し、ユーザーにはランチを選ぶという選択肢の代わりにレストランに募金するというオプションが追加されました。このようにレストラン以外の飲食サービスは飲食業界を支援するための仕組みを提供し始めています。

また、Meal Palだけでなく、レストラン予約サイトのRESYもテイクアウト予約の機能だけでなく、レストランに寄付できる機能を追加したり、レストランをサポートできるような仕組みを拡散したりしています。自分の店舗だけでなく、飲食業界全体に何ができるのかも重要になってきています。

 

飲食業界のマーケティングポイント

海外で新型コロナウィルスの中でも成功している事例などをご紹介してまいりましたが、最後に飲食業界に活用できるマーケティングのポイントをご紹介します。

レストラン

 

顧客体験

店員と顧客の接触が難しくなってきた今、従来どおりの店舗だけのコミュニケーションでは通用しなくなってきています。そのためより一層重要になってきているのが顧客体験です。オンライン経由でオーダーした場合にただ自社のメニューを告知するのではなく、天候や時間等を考慮したメニューや顧客それぞれの好みを理解したパーソナライズされたメニュー表示など顧客が体験を充実できるようなサービスの検討などが有効でしょう

そのためには、従来のSNSなどを活用したコミュニケーションはもちろんですが、どのように顧客のデータを集めるのか、顧客のデータをどのように活用していくのかなどのデータ活用が重要になってくるでしょう。まずは自社にどのようなデータがあるのか、顧客がどのように活動しているのかなどを把握することから始めてはいかがでしょうか。

コミュニティへの貢献

新型コロナウィルスへの影響は1店舗だけの問題ではなく、業界全体へ影響を与えています。もちろん自社のビジネス戦略を考えることも重要ですが、このような事態だからこそコミュニティへの貢献です。社会貢献への活動は業界を盛り上げるというだけでなく、ブランドイメージ向上やロイヤルティアップに繋がります。そのため、近隣の店舗と合わせて何ができるのかなどを検討してみることもおすすめです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。現在は飲食業界にとって厳しい状況です。しかし、このような状況だからこそ新たなビジネス、サービスを検討する機会になります。その時のポイントは顧客体験です。どのように今までの体験以上のものを提供できるのかを検討しましょう。どのようにデータを活用するのか、どのように顧客の情報を集めるのかなどから考え始めることがおすすめです。また、自社のことだけでなく、コミュニティへの貢献も一緒に意識することをしてはいかがでしょうか。

Topics: その他業界, デジタルマーケティング

デジタルブログ編集部
執筆 デジタルブログ編集部

ゼクシィネットなどの数多くのメディア制作に携わった後、Investing.com日本版編集長。現在はデジタルマーケティング統括責任者。メディアで培ったノウハウを生かし、HubSpotを中心としたデジタルマーケティング、コンテンツマーケティング、インサイドセールスなどを中心に執筆。HubSpot導入コンサルタントとしても活動中。