企業でコンテンツを用いた発信をしたいと考えているけど、SNS、動画など数ある中からどれを使ったら良いのか悩んでいないでしょうか。企業コンテンツの始めの一歩としてオススメなのが企業ブログの運営です。ブログは無料で取りかかることも可能であり、またコンテンツについて特別な知識のない初心者の方でも気軽に始めることができるのでオススメのツールです。今回はブログを立ち上げる前後に大事になってくる手順や、知っておくと役に立つ話についてまとめました。
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1 コンテンツマーケティングでなぜブログが重要なのか
コンテンツマーケティングとはSNS、動画、広告、記事、セミナーといったコンテンツを利用し、自社商品もしくはサービスを売るためのマーケティング手法です。そのコンテンツマーケティングの中核を担うといっても過言ではないのがブログです。
ユーザーが何か知りたいことがある際に使われるのがGoogleをはじめとした検索エンジンです。そこで目にとまるブログや参考記事をクリックして読むことが多く、ほとんどの人が悩みや知りたいことがあるたびに検索エンジンを使っています。インターネットにて様々なニーズを持った多くの人が答えを求めて検索するため、役に立つ情報の発信に価値が生まれます。
ただし、最近ではブログのみを強化するといった活用方法ではなく、ブログでのコンテンツを動画や音声メディア等とともに水平展開するのが効果的です。ブログはSNSや動画と連係して進めることで、より大きな拡散や詳しい内容の発信につながり、より効率的に活用することができます。
最近では、広告は売り込み色が強く、ユーザーから歓迎されにくい傾向があります。また、定期的に繰り返されるGoogleのアップデートにおいて、内容が充実しておりユーザーファーストのコンテンツが上位表示されやすい傾向が強まっています。それにより、コンテンツマーケティングにおいて広告手法の行き詰まりが顕著になっていることは確かです。
セミナーへの参加を例に挙げてみましょう。興味がありそうだと感じたタイトルのセミナーがあったとしても、概要だけを見ていきなりの参加表明は障壁が高いのではないでしょうか。セミナーの集客の際にも役に立つのが、ブログを使ったコンテンツマーケティングです。講師の人となりを紹介できたり、セミナー内容における専門的な知識を定期的に表現したりすることで信頼が醸成され、参加への障壁がだんだんと取り除かれていきます。
コンテンツマーケティングは、自分でコンテンツを作成して運用する場合にはお金をかけずに始めることができますが、運用後にすぐ結果が出るものではないので、根気強く継続して改善しなければいけません。コンテンツ作成やメディア運営にかかる費用や人材を自社で賄い、うまく運用することができれば、ローリスクハイリターンの事業に変貌します。コンテンツマーケティングを駆使して、ユーザーの役にたつ情報の発信をし続けることができたなら、認知度の向上や顧客の信頼、そして継続的な売上といった大きな成果が得られるようになります。そして、継続したコンテンツやノウハウの発信は自社の財産となり、顧客を得やすくなる仕組み作りにつながります。
2 ブログの立ち上げ前に決めたいこと
ブログを立ち上げる前に大切になってくるのが、ブログの設計についてです。ここがしっかりとしていないと途中で違う路線のブログになってしまったり、本来の目的が達成しづらくなってしまったりと方向性にブレが生じてきます。また、企業ブログでは担当者が複数人いる場合もあるため、目的や設計をちゃんと練ることで、チームとしてのマネジメントもしやすくなり、チームの誰がコンテンツを制作しても一貫した見やすいブログになります。
そこで考えていかなければいけないものが、KPI、ペルソナ、ジャーニーマップの設定です。KPIとは日本語で「重要評価指標」と訳され、目標を達成する上での指標となるものを指します。
「月間30%の成約率向上」が目標であれば、必要になる記事数や訪問者数、メルマガの登録者数やPV数の向上といった目標に対して取り組むべき小さなタスクをクリアしていくことで、目標の達成に近づけます。
ペルソナとは、ターゲットとして設定した架空の人物像のことで「性別、年齢、職業、年収、趣味」といった、人物像の要素を作成したものをいいます。このようにブログをはじめとしたコンテンツマーケティングでは情報を届ける人物像の設定がとても大切で、ペルソナの設定次第で商品の購買につながる人物に接触することが可能になります。一方で、この設定を間違えてしまうとただの無意味な情報になってしまうので、慎重かつ出来るだけ具体的にペルソナを作り上げましょう。
最後に、ジャーニーマップについて説明します。ジャーニーマップとは、顧客が商品を購入するまでの過程を図式化したもののことを指します。最終的に商品が購入されるまでに、ユーザーは何に興味を持ち、どのような記事に関心を抱き、どんなプロセスを経るのかを想定し、辿れるようにします。SNSからなのかブログからなのか、流入したユーザーをどのように商談まで持っていき購入してもらうのかといった事を図式化して分かりやすくすることにより、チームでの共有がしやすくなります。何より、可視化して見えるようにすることで取り組むべきことや進むべき方向性が明確になるという利点があります。
3 内容の吟味
その分野において独占状態にある企業でない限り、数多くのコンテンツがある中でユーザーに探して読んでもらうのはとても大変なことです。そこでユーザーの立場になって考えるユーザーファーストの思考を持つことが大切になります。仮に自身が読み進めたい、もしくは気になると思う記事はどういったものでしょうか。自分の知りたいことや、新しい気づきや発見が得られる、読んでいて面白い文章に違いありません。つまり、制作すべきコンテンツの内容は自社の専門分野について、素人でも分かりやすく解説してあり、かつ読んでいて面白い工夫をしたものであることがわかります。特に専門性の高い分野ほどわかりやすくまとめるのは難しく、それゆえにユーザーが知りたいものになりやすいので、ファンがつきやすいと言えます。また、ユーザーからの質問を動画やコラム記事等で反映することで親しみのあるコンテンツに仕上げることができます。しかし、考えすぎても頭が重くなるだけで進まないので、一番大切なことはまずやってみるということです。そして数々のコンテンツを発信する中で、トライ&エラーを繰り返した先に自身が思い描く結果が待ち受けています。
4 SEO対策
キーワード選定ツール
ペルソナやジャーニーマップを考え、内容が決まったらSEO対策をしていきます。その際に必要になってくるキーワード選定ツールを紹介します。
が無料で利用可能なものもあり、とても便利です。
SEO測定ツール
制作したコンテンツにどれだけの人が集まったのかを診断するSEO測定ツールでは
があります。
有料であればMIERUCA、SimilarWeb
などがありますが、SEOツールは数多く存在するので、どのツールが自社のニーズを満たすかをよく検討してから導入しましょう。
これらのツールを使用することで、ユーザーが調べる際に検索するキーワードを把握することができたり、どのページにどこからどれだけの間滞在したかを調べることができたりします。これにより、コンテンツの中身の改善や改良を行い続けることでアクセスの向上につながります。
5 ライティング・画像の準備
記事の執筆や画像の準備は社内で全て実施するのも良いですが、外注することでタスクを分散させると社員がコア業務に集中でき、効率化を図ることができます。
例えば、ランサーズやクラウドワークスなどのクラウドソーシング会社からライターを外注することで、面倒なコンテンツ制作作業を手放すことができます。その際には自社の書いて欲しい内容を的確に伝えるディレクション業務が重要になってきます。事前にしっかりと練ったペルソナやカスタマージャーニーを外注ライターと共有することで、双方にズレのないよい記事の作成ができます。そして、内容とは別にページの印象に大きく関わってくるのが画像です。こちらも無料の素材サイトphotoACやPixabayを活用すると良いでしょう。さらに差別化を図りたいと考えるのであれば有料素材サイト、ビクスタやシャッターストック、ゲッティイメージズなどを活用するとよいでしょう。
執筆や画像探しはもちろん、その上流工程である編集から外注したいという場合は、その道のプロであるコンテンツ制作会社に依頼するとよいでしょう。どういう内容のブログだとペルソナに対して効果的かなどの優良なアドバイスを受けながら制作を進めることができます。費用はかかりますが、それに値する品質のコンテンツを作成できるでしょう。
6 校正
せっかく作成した文章に違和感があると非常に残念な印象になってしまいます。投稿する前に必ず校正作業は取り入れましょう。作成した記事の誤字脱字はもちろんのこと、「てにをは」は合っているか、一文が長すぎて読みづらくないかなどをチェックすることを校正作業と呼びます。
例えば、単純な誤字脱字から漢数字とアラビア数字が混在していないか、複数のフォントが混ざっていないかといったことを丁寧に探して修正します。また、ブログの場合はキャラクターを意識した文章作成が重要な部分でもあり、語尾に「~です」が3回も続くような短調な文章は読んでいて違和感を感じてしまいます。文章作成後に表現や誤字脱字を直すことで読みやすく、違和感や単純ミスでユーザーからの信頼を落とすといったことが少なくなっていきます。
7 まとめ
読まれる記事にはいくつかの共通点があります。それは、ユーザーにしっかりと寄り添えているのかということ、面白いコンテンツになっているのかということです。ユーザーが読みやすい内容になっているのか、単純なミスが少なくて信頼できるものかというところまで考えることでユーザーに寄り添えている文章であると言えるでしょう。また、ブログをはじめとするコンテンツの発信は継続してこそ効果を実感できるものであるため、粘り強く取り組む強い意志が必要になってきます。
ブログをうまく活用して企業や商品の価値を伝えて売り上げ向上を目指しましょう。