現在、マーケティングを担当されている方の中には、「マーケティング用語がなかなか覚えられない」と感じているケースも多いのではないでしょうか。そこで、本記事ではデジタルマーケティングに抑えておきたい用語をまとめました。日本語で簡単に理解できるように解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
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「アーンドメディア」とは、自社製品やサービスをインターネット上で紹介するための「トリプルメディア」の1つです。アーンドとは、英語で「Earned(獲得)」を意味し、消費者からの信頼性を獲得するため目的として使われます。
「アトリビューション」は、消費者からの売上となるコンバージョンへの貢献度を測ることです。インターネット検索やSNS、動画コンテンツといった流入要素が拡大し、コンバージョンまでの道のりが複雑化しています。消費者がどのような経路をたどり、どのような広告を見た結果、コンバージョンにつながったのかを調べる際の用語です。
「アンノウンマーケティング」は、英語で「Unknown Marketing」と書き、企業にとって未知の潜在顧客に対するマーケティングです。コンバージョンにたどり着かなかったユーザーに対して、「ニーズの埋め合わせを行う」、「知りたい情報を細分化」し、さらなるコンバージョン増加を狙う際に用います。
「インフォマティブデータ」とは、メールアドレス・Cookie情報・IPアドレス・位置情報といった個人の特定に結びつけない形で使用される情報です。ユーザーの「行動(GPS)」、「閲覧履歴」をもとに広告を配信する「行動ターゲティング広告」で活用されています。
ユーザーに広告を配信する前に、許可をとることを「オプトイン」と言います。たとえば、ショッピングサイトで製品を購入する際に、「メールの配信を許可するか」、「店舗の広告配信設定を行うか」といったケースが該当します。2002年に施行された「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」に基づき、メールによる広告配信を行う際には、ユーザーの承諾を得なければなりません。
「オムニチャネル」は、さまざまな媒体を用いて潜在顧客との接点を持つことです。現代ではインターネットを活用したマーケティング戦略が主流ですが、店舗での宣伝活動・テレビコマーシャル・チラシ配布を行うことでさらなる効果を得られます。単一の媒体に依存するのではなく、さまざまな媒体によって顧客を獲得するための用語です。
「グロースハック」とは、自社製品やサービスを良質にするためマーケティング戦略です。従来のマーケティングでは、「顧客を集めることに注目」した取り組みが一般的でした。一方、グロースハックでは、「ユーザーの不満点からのサービス改善」、「既存ユーザーから、新規ユーザーへの拡散」といった新たに広告を出さずに、顧客を獲得する仕組みを作ることを焦点としています。
自社サイトを訪れたユーザーに対して、有益な情報を与えるのが「コンテンツマーケティング」です。ユーザーが必要としている製品やサービスについて、企業側が「記事」や「動画」といったコンテンツを通して情報を届けることで、売上となるコンバージョンの増加を見込めます。
「スコアリング」とは、潜在顧客が自社に対する価値を測定する際の数値です。マーケティングを行う際に、コンバージョンにつなげやすいユーザーに焦点を当てなければなりません。「Webページの閲覧」、「資料請求」、「体験購入」といったユーザーの行動によって採点を行い、マーケティングを行う優先順位を付ける手法です。
「ステップメール」は、メールを通してユーザーとの信頼関係を構築する手法です。「会員登録」、「商品購入」、「資料請求」などアクションを取ったユーザーに対して、有益な情報を掲載したメールを配信します。ステップメールとメールマガジンとの違いは、前者が「各ユーザーに適した情報を送る」のに対して、後者は、「ユーザーを問わずに最新情報や店側の情報などを断続的に送る」点です。
「データドリブン」は、膨大な情報を分析し、最適なアクションを進めるマーケティング戦略です。消費者の購買意識や行動が多様化している中で、売上に結びつけるためには、データの可視化が求められます。「どのような製品・サービスが求められているのか」、「どのように情報を拡散するべきか」をデータから分析することで、マーケティング活動を行います。
「トラッキング」とは、英語でTracking(追跡する)という意味があり、ユーザーの情報を取得することです。効率的にマーケティングを行うには、自社の製品やサービスに関心を持っているユーザーを探さなければなりません。「Webサイトのアクセス」、「自社広告のクリック」といった行動を分析することによって、ニーズを満たせるかを予測します。
「Trace(追跡)」と「Ability(可能性)」を組み合わせた造語が、「トレーサビリティ」です。もともとは運輸業での生産から流通までを可視化する言葉として使われていましたが、最近ではマーケティングにおける考え方にも取り入れられるようになりました。消費者がどのように自社の製品・サービスを知り、何を求めて購入したかを明確にすることで、今後の開発に役立てられます。
「パイプライン」は、潜在顧客から顧客としてステータスを切り替える際のプロセス全体のことです。営業では、まず始めに自社製品やサービスに興味のある潜在顧客を獲得します。その後、コンバージョンとなる「顧客」に切り替えるために、インサイドセールスを積極的に行わなければなりません。潜在顧客の獲得から、顧客として売上が立つまでの流れを「パイプライン」と言います。
「ホワイトペーパー」は、政府や自治体が発表する報告書を総称するものでした。しかし、現在では、企業の製品・サービス情報をまとめた資料もホワイトペーパーと呼ばれています。ホワイトペーパーを発行する目的は、見込み顧客のリードを獲得するためです。無料で情報を公開する代わりに、新たなリード情報を入手する手法として使われています。
リーチとは、インターネット広告の到達率を意味します。広告を配信し、実際にユーザー(ユニークユーザー)が広告を認識したことを示す指標です。インプレッションとの違いは、広告が表示された総数である一方、リーチは1ユーザーにつき1回の表示回数である点です。
「ABM」とは、「Account Based Marketing」の略で、価値の高い顧客を選択し、顧客に最適なアプローチを行うマーケティング戦略です。将来にわたって自社の利益につながる顧客を獲得するには、ペルソナを設計しながら、顧客のニーズに合わせなければなりません。ABMの手法を用いることで、売上の仕組み作りが可能です。
「AMP」は、「Accelerated Mobile Pages」の略で、Googleが推進しているモバイルページを高速に表示させるための手法です。世界中でスマートフォンを使用するユーザーが増えたことで、モバイル用に最適化されたコンテンツ作りがマーケティングで重要となりました。AMPに対応したページを作成すると、読み込み時間が短縮するほか、検索順位にも好影響を与えるとされています。
BIと呼ばれるビジネス・インテリジェンス(Business Intelligence)は、自社全体がデータに基づいて意思決定を行えるようにサポートすることです。営業・マーケティング活動を進める中で、膨大なデータが生まれます。部署ごとにデータを可視化し、分析、統合を行うことで、組織のパフォーマンス向上につなげられるのがメリットです。
「CDP」は、「Customer Data Platform」の頭文字を取った用語で、自社で顧客情報を管理しているプラットフォームです。効率的にマーケティングを展開するためには、見込み顧客の「年齢」、「性別」、「居住地」といった属性を振り分ける必要があります。自社製品・サービスを新たに販売する際に、CDPと呼ばれるプラットフォームからデータを取り出し、分析・活用をします。
「Cost Per Action」の略である「CPA」は、インターネット広告における1件のコンバージョンに発生したコストのことで、顧客獲得単価とも呼ばれています。計算式は、「全体にかかった広告費用」÷「成約につながった件数(コンバージョン件数)」で、広告の効果を確かめる際にも用いられる言葉です。
「CPC」とは、「Cost Per Click」の略で、主にリスティング広告に対して1クリックあたりの費用です。計算式は、「全体の広告費用」÷「ユーザーによるクリック数」で、CPCが低いほど、費用対効果の高い広告であるという意味です。
「CPM」は、「Cost Per Mille」の略です。Mile(1,000)という言葉が含まれている通り、インターネット広告を1,000回表示するごとに発生する広告費用を意味します。CPMを使う際に注意したいのが、1,000回のコンバージョン(売上)ではなく、「1,000回のインプレッション(掲載)」である点です。
「CRM(Customer Relationship Management)」は、顧客毎の情報を管理・分析をするマーケティング手法の1つです。ニーズが多様化する中で、自社製品やサービスを効率的に売るためには、消費者心理・行動を正確に理解しなければなりません。データベースの管理、顧客へのアプローチ、データの分析を一括して行います。
「CTA」は、「Call To Action」の略で、ユーザーに対して、自社に有益となるアクションを誘導するに用いる言葉です。たとえば、自社のWebサイトに「資料請求のクリックボタン」を掲載し、ユーザーへの消費を促します。「CTAボタン」と呼ばれることもあり、Webマーケティングに欠かせない存在です。
「CTR」とは、「Click Through Rate」の略で、インターネット広告のクリック率を表します。計算方法は、「クリック数」÷「広告の表示回数」で、ユーザーが広告に対して、どの程度の関心を持っているかを調べる際に用いられる用語です。
「CVR」とは、「Conversion Rate」の頭文字を取った用語で、コンバージョンレート(顧客転換率)のことです。Webページに訪れたユーザーの内、どれくらいの人数が特定の行動を行ったかを示します。一般的に、コンバージョンの目標として、売上を設定するケースが多いのですが、「会員登録」、「資料請求」、「広告収入」などもコンバージョンの1つです。
「DMP」は、「Data Management Platform」の略語で、インターネット上に蓄積された情報を管理するためのプラットフォームです。データ提供企業が保有している「オープンDMP」と、自社のみが保有している「プライベートDMP」の2種類に分類されます。
「KPI(Key Performance Indicator)」は、日本語に直すと「重要業績評価指標」という言葉です。「組織が目標を達成する上での度合いを定量的に示す数値」と一見難しいように思えますが、「売上件数」、「資料請求の件数」といた目標数値の設定を意味します。たとえば、「今月は10万円の売上だったから、来月の売上は15万円を目指したい」。このような目標を定めることを「KPIの設定」と呼び、組織全体で方向性を確認し、取り組められるようになります。
「LTV」は、「Lifetime Value」の略で、顧客から生涯にわたって得られる利益を意味します。1回きりではなく、2回、3回目を含んでおり、人物や企業と取引を始めてから終了するまでの利益を算出した数値です。
マーケティングに必要不可欠な「MA(マーケティングオートメーション)」は、顧客情報の収集や見込み顧客の育成を行えるツールです。自社Webサイト、メール、展示会といった機会で得た顧客情報を管理するほか、それぞれの見込み顧客をスコアリングし、成約につなげやすい環境を構築できます。
「O2O」は、「Online to Offline」を略した言葉で、Webサイトで集めた顧客をオフラインである店舗に誘導するマーケティング戦略です。主なO2Oマーケティングの取り組みとして、電子クーポンによる訴求が例として挙げられます。LINE、Facebook、TwitterといったSNSで割引クーポンを配布し、実際に店舗で使ってもらうことで自社の認知度や売上アップにつなげられます。
「ROAS(Return On Advertising Spend)」は、インターネット広告費用に対して得られた「売上」です。似た言葉にCPAがありますが、CPAは「コンバージョン」にかかった費用で、売上以外も含まれます。ROASの計算式は、「広告経由の売上」÷「広告費用」です。
「ROI(Return on investment)」は、マーケティング活動における「対費用効果」を意味する用語です。インターネット広告、コンテンツ作り、見込み顧客へのアプローチといったステップには費用(投資)が発生します。その費用に対して、どれくらいの売上が出たか、顧客数がどれだけ増えたかを数値として表す際に用います。
SFA(Sales Force Automation)は、顧客情報や案件を一括で管理する営業管理システムのことです。似たような用語に「CRM」がありますが、SFAは、顧客管理だけでなく、営業活動を効率的に行える点に違いがあります。
「SMM」は、TwitterやFacebook、Instagramなどを活用した「ソーシャルメディアマーケティング」のことです。SNS媒体が増え続けるなかで、Webサイトだけでは顧客を獲得するのが難しくなりました。見込み顧客を集めるためにも、SNS媒体を通したマーケティングが必要です。
マーケティング用語は、単語として見ただけでは覚えにくいですが、具体例を用いることで頭に定着させられます。本記事に掲載した用語をチェックしながら、実際の業務でも使用してみてください。