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海外の住宅・不動産業界におけるデジタルマーケティングの今

執筆者 デジタルブログ編集部 2020年10月26日 (公開 :2020年10月26日)

本稿では、海外の不動産や住宅のデジタルマーケティングにおける海外事例をご紹介します。ITの発達によりかつてはできなかったサービスが生まれ、業界のマーケティングを大きく変えてきています。ぜひ参考にしてください。

📚 目次
  1.  
  2.  1 Truilia
     2 Structurely
  3.  3 Compass
  4.  4 Opendoor
  5.  5 海外事例から学べるポイント
  6.            A  カスタマージャーニーからの課題の抽出
  7.            B  データの活用
  8.  6 まとめ
  9.  

 

Truilia

Truliaはアメリカで展開している100万件以上の物件がある不動産サイトです。アメリカでは、日本に比べて治安の問題や交通量などがエリアによって大きく異なるため、家の購入を検討したときに集めなければいけない情報が多くあります。Truiliaでは、無料では物件情報、平均価格、価格推移などの基本情報はもちろん、エリアの犯罪率、交通量、学校までの距離、レストラン数などありとあらゆる情報をマップ上で確認できます。

このような情報は閲覧できるだけでなく、フィルターとしても活用できるため自身が求めている条件で、購入物件や賃貸物件を検索できます。また、それ以外にも近隣地域の情報も閲覧できます。近隣地域の情報は、写真やドローン映像、近隣の居住者によるレビューやスーパー、レストランなどの情報も閲覧出来ます。物件情報だけでなく、実際に購入したり、賃貸したりしたときのイメージが湧きやすいようなサイトになっています。

日本では、このような情報を集めようとすると犯罪率は警視庁に、レストラン情報はGoogleMapなどそれぞれ別のサイトで情報を確認しなければいけません。しかし、Truiliaでは情報を一元化して確認できるため、検索において最高なユーザー体験を提供しています。

 

Structurely

Structurelyは不動産に特化したAIチャットボットを開発しました。不動産の販売においては、物件の内見や顧客の紹介など顧客とクライアントの間で様々なやり取りが求められます。このようなやり取りを通して、見込み顧客の獲得を目指しますが、人が対応しているとどうしても抜け漏れが起きてしまう場合があります。このような抜け漏れを避けるためにも利用されるのが、Structurelyが提供するAisaです。物件所有者はAisaに物件情報を登録することで、予約管理システムによる内見予約や他の物件の紹介をチャットボットで行ってくれます。

Aisaは開発の段階で、様々な不動産サービスと連携することで顧客からの物件予約の際の問い合わせや顧客対応マニュアルなどのデータをAIに学習させることで、従来人がどのように対応していたのかをAIに学習させました。このような学習を通して、ただの物件紹介などを機械的に行うチャットではなく、絵文字を使ったり、ユーモアな表現ができたりするなどユーザーがAIだとわからないほど人間的な対応ができるようになりました。不動産取引に特化することで、より人間らしいやり取りを実現した結果、ユーザー体験を高めたという実例になります。

 

Compass

Compassは不動産売買や賃貸情報を可視化したプラットフォームです。従来のアメリカの不動産取引は、売り手も買い手もエージェントに依頼し、ブローカーを通じて行われるのが一般的です。しかし、その時に問題になるのが、優秀な信頼できるエージェントをどのように探すかです。そこに注目したのがCompassです。Compassは一般顧客向けサービスとエージェント向けサービスを提供しています。一般顧客向けのサービスでは、物件情報だけでなく、担当しているエージェントが掲載されています。エージェントの情報は、経歴、学歴、過去の売買経験、人柄がわかるようなプライベート動画など顧客に安心してもらえるような情報を提供しています。また、エージェント向けには、特定地域全体の物件価格の分析や見込み顧客の信頼を得られる紹介ページ、顧客へ物件ページを紹介するためのアプローチをレコメンドしてくれます。また、顧客とのやり取りを全面的にサポートしてくれたりします。不動産売買において、重要になるのは情報の透明性です、情報の透明性を実現することで、信頼の構築につなげたり、取引効率を効率的にしたりするなどのメリットがあります。

 

Opendoor

Opendoorはオンライン買取、オンライン販売を実現しているビジネスです。従来の不動産の取引は、自宅の下取り、不透明な取引、管理料の管理など売買するためには大きく時間がかかる上に、不透明でした。このような大変な手続きをシンプルにしようというのがOpendoorのミッションでした。

OpenDoorでは、手続きは簡単です。まずオンラインで自宅の住所や築年数、修繕/改修の履歴などの物件情報を入力します。入力した情報をもとに、OpenDoorが独自に開発したアルゴリズムで2日あとに現金買取金額の仮オファーをします。懸念事項があれば、ホームアドバイザーが電話で懸念事項を解決し、最終的に買取金額が提示され、家の状況をチェックしたうえで修繕費用をひいた額が支払われます。このように手続きが多かった住宅販売をシンプルにすることを実現しました。

また、販売においてもオンラインでの不安を解消するようなサービスを提供しています。例えば、住んでみて納得できなかった場合、30日以内であれば販売手数料と購入料金をキャッシュバックします。このようなキャッシュバック制度は、不動産業界でも初です。また、通常アメリカでの保証期間は1年ですが、その倍での2年の修繕保証をつけています。その他、購入希望者が内見をしたい場合、ネットで申し込みをすればスマートフォンを鍵代わりに利用して内見ができるサービスなどがあります。

このようにOpendoorは従来の不動産取引の課題に目をつけ、新たなソリューションを提供した結果、現在大きく成長している事例の一つです。

住宅販売

海外事例から学べるポイント

海外で成功している不動産ビジネスの事例をご紹介しましたが、最後に学べるポイントをご紹介します。

カスタマージャーニーからの課題の抽出

従来の不動産取引においては、こうしなければいけないという暗黙のルールが多くありました。しかし、このような暗黙のルールの中には、顧客が実は不満に思っていることやより改善できるポイントがあり、そこに注目した新しいサービスを提供した結果大きく成功をしています。例えば、Opendoorは不動産取引の面倒さをよりシンプルにすることであるし、Truiliaは物件情報だけでなく近隣情報についても一気に調べたいという課題に答えることでした。このように、従来のルールに目をつけ、実は顧客の不満がどこにあるのかを抽出することが新たなビジネスチャンスに繋がる可能性があります。

 

データの活用

不動産取引では、情報の透明性が大きなカギの一つです。従来エージェントがどのように交渉しているかや物件についての詳細情報は隠されてしまいよくわからないという実態もありました。しかし、テクノロジーの発展により様々な情報が調べられるようになり、様々なデータが取れるようになってきています。このように情報の透明性が求められる中で、データをどのように活用するのか、どのように提供するのかが鍵になってきています。日本では、アメリカと違い犯罪率などのオープンデータが少ないという現状があります。しかし、企業が集められるデータなどを活用して、顧客に提供することで新たな顧客体験を実現できる可能性があります。自社で提供できるデータにどのようなものがあるのか、どのようなデータを収集できるのかなどを検討してはいかがでしょうか。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。現在不動産業界においても、不動産テックという言葉が出てくるようにDX(デジタルトランスフォーメーション)が鍵になってきています。しかし、ただデジタル化すればいいわけではありません。そのときに重要なのは、どのように顧客を理解するのか、どのようにデータを活用するのかです。まずは現在顧客にどのような課題があるのかを検討することから始めるのはいかがでしょうか。

Topics: デジタルマーケティング, デジタルトランスフォーメーション