DIGITAL BUSINESS BLOG

マーケティングやコンテンツなどデジタルビジネスに関する内容を発信しています

コンテンツマーケティングによる集客で製造業が成約率を上げる方法

2021年8月6日 (公開 :2020年8月7日)

コンテンツマーケティングはIT業界などパソコンを使う業界で活用するものだと考えていませんか?実はコンテンツマーケティングは幅広い業界で応用可能です。もちろん製造業でも上手にコンテンツマーケティグを実施する事で、集客や売り上げにおいて大きな効果を得る事ができます。今回は製造業がコンテンツマーケティングを用いて効率よく集客を行い、売り上げや成約率をUPさせるコツについて説明します。

 

目次

1 製造業だからこそコンテンツマーケティングが威力を発揮する

2 製造業の会社にあるよくあるパターン

3 情報発信戦略を見直す

4 発信するコンテンツを吟味する

5 コンテンツの作成

6 よくある陥りがちな問題点

7 まとめ


1 製造業だからこそコンテンツマーケティングが威力を発揮する

中間財(部品等)を作っている工場が販路拡大しようと考えた場合、ルート営業によって納品量を増やしたり、同じ会社から新たな仕事を獲得したりするなど、これまでお付き合いのある会社へのアプローチしかできないイメージはないでしょうか。しかし、製品や企業の魅力をITの活用をしながら発信すれば、思いがけないところからの発注や問い合わせを呼び込むことも十分可能です。これまで対面での営業が当たり前であったために、営業一人当たりが獲得可能な案件には上限がありました。ところが、コンテンツを活かした営業をインターネット上で行うことにより、営業マンの何倍もの効果を得ることも不可能ではなくなってきています。しっかりと戦略を練ってマネジメントをすれば、自社コンテンツは24時間365日働き続けてくれるからです。

スマートフォンやインターネットの普及によりユーザーはネット上から自発的に情報を検索しています。製造業という専門的な知識は、それを知らない一般のユーザーにとっては非常に有益な情報です。ユーザーの悩みをコンテンツ化し、解決方法を提案することにより、ユーザーとの多くの接点を作ることが可能になります。さらには、中国語や英語を用いたウェブサイトの作成により、日本の何倍もの大きな市場で戦う事が可能になります。実際、中国のアリババは最初製造業の部品を販売するサイトでしたが、今では世界最大級のショッピングサイトに変貌しています。

今の時代、ユーザーへの認知が難しいと思われる企業でも、オウンドメディアでヒットすることができれば、チャンンスはかなり広がるのです。

 

2 製造業の会社にあるよくあるパターン

製造業の企業でよく見かけるのが、何年も前にとりあえずホームページを作成して、会社概要だけを記載したものを更新もせずに放置している状況です。これは情報漏洩などのセキュリティリスクがあるだけでなく、もしもユーザーがホームページにたどり着いたとしても、ホームページの仕様が昔のままであれば、信頼できない企業との烙印を押されかねません。せっかく会社をアピールしようとして作ったホームページですが、顧客の印象が悪くなるものをいつまでも掲示しておけば逆にブランドを傷つけることになります。

もう一つのパターンは、継続的に発信は行えているが、内容が専門的すぎるというものです。発信するにもそのまま専門用語や業界用語を用いて解説していて、相手の理解はお構いなしに一方通行の発信している場合があります。仮にその分野における専門家しかサイトに訪れないのであれば何も問題は無いですが、検索機能を活用して発見するユーザーがほとんどであり、検索して訪れる方は当然専門分野についての知識が乏しいことが多いです。そのため、ユーザーにとって必要な情報をユーザー目線で解説している記事の方が読まれやすくアクセスも集まりやすくなります。

自社にてマーケティング担当者を確保するのが難しい場合は、その分野における専門家に相談・依頼をすることで、ホームページの活用を通した新規顧客獲得はグッと変化します。

 

3 情報発信戦略を見直す

情報の発信は行っているものの、リーチ数やコンバージョン数が伸びない場合は、根本的な部分から見直す必要があるかもしれません。

ポピュラーな分析手法として、3C分析やSWOT分析があります。3C分析では、市場・競合・自社の3つの視点から事業を分析します。市場分析では、どれだけのユーザーが必要としているのかを知り、顧客視点での分析を行います。中でも重要になるマクロ分析・ミクロ分析からは、景気変動や法律、業界のトレンドや変化から、今後自社がどのような影響を受けるのかについて考えます。これらの情報を収集せずに自社戦略を立てるのは無謀ともいえるでしょう。

次に競合分析です。同じ製品を製造している競合他社を分析します。ここでは「結果」と「なぜ結果が出たのか」の2つの要因から考えます。「結果」では、実際の売り上げや、利益率を考え、「なぜ結果が出たのか」では、営業手法やカスタマーサポートの面から、深く考えることで、他社にあるもの、ないものをまとめます。

最後に自社分析です。自社の強みや弱みを知った上で、市場・競合と見比べてみます。自社がどのポジションにいるのかを知ることで、今後の展望が見えてきます。

2つ目のSWOT分析はStrength(活かすべき強み)、Weakness(克服すべき弱み)、Opportunity(市場の機会)、Threat(脅威となるもの)をそれぞれ分析します。SとOを組み合わせたり、WとTを掛け合わせたりすることで新たな戦略を生み出す手法です。

また、どの分析手法も同様ですが、確実にアウトプットして事業に活かしていくことが最重要だと言えます。最終的には誰に、何を、どうやって売るのかを簡潔に考える事が大切で、これが全ての戦略の基本となります。情報発信戦略

 

4 発信するコンテンツを吟味する

発信しているコンテンツがちゃんと的を射ているのかを吟味することは、とても重要です。ネジを製造している会社であれば、一般的にターゲットとして考えられるのが、既存のネジに満足をしていない技術者、または購買担当者になるでしょう。自社で製造しているネジの強度測定や使用する機械に関するノウハウの発信は、技術者にとって有益な情報になるに違いありません。このようにユーザーの感情や思考、不満といった仮説をチームで共有することで、課題の優先順位を決めることができるでしょう。

また、こうした専門的な知識に関するノウハウの提供は、ユーザーとの信頼関係の構築につながり、認知度向上はもちろんのこと、将来の取引先へと発展するかもしれません。自社で行っている測定実験やノウハウを惜しみなく継続して提供することができると、その分野での疑問を解決してくれるこの疑問にはここに聞けばいい、というポジションを築くことも可能です。実質このようにコンテンツでの情報発信から、ファンの獲得、そして不動の地位を築いている企業もたくさん存在します。

 

5 コンテンツの作成

いざオウンドメディアを作成した際に大事になってくることの1つとして、コンテンツの定期更新が挙げられます。作成したのは良いものの、その後は放置されているケースが最ももったいないのです。

定期更新によるメリットは、潜在顧客の発掘や幅広くターゲットユーザーに対してアプローチすることができる点などが挙げられますが、一番のメリットは発信し続ける事による自社に対する認知の向上や信頼度UPです。そのために今まで培ってきた経験やノウハウ、試験や測定実験の結果、トラブル対処法やメンテナンス方法など多岐に渡る情報をコンテンツ化するのです。

こうした専門的な分野の発信はとても高い価値を持つため、必要とするユーザーが自然と集まってくる状況になりやすくなります。近年ではInstagram、Facebook、TwitterといったSNSの発達により、これらを駆使してさらに幅広い人々に対してアプローチする事が可能となりました。SNSを連動させ、コンテンツを拡散させることもコンテンツマーケティングの重要なポイントです。

 

6 よくある陥りがちな問題点

製造業に限った事ではないですが、よく陥りがちな問題点として、マーケティングにあてるリソースが不足していて、情報発信が片手間になってしまっていることが挙げられます。そのため外注が必要になったり、マネジメントが煩雑になったりと情報発信が滞る事態はどの企業にもありがちです。

そこでオススメなのがマーケティングオートメーション化(MA)です。簡単に説明すると、ツールを活用しマーケティング活動を自動化、可視化する事により、顧客開拓を効率的に行うことです。コンテンツマーケティングでは投稿した記事を分析することにより、どの分野に強く興味を持っているのか、どこからきたユーザーなのかを理解することができます。そして、こうしたユーザーの顧客情報を獲得することで、マーケティングに活かせるのです。記事執筆、効果測定、顧客情報の獲得、見込み客の選定など検討してもらうための施策を行うことは、非常に労力もコストもかかる作業です。そこでマーケティングオートメーションを導入すればこれらを自動で行うことが可能となります。マーケティングオートメーションを初めて導入する場合、プロスペクト獲得からナーチャリング、顧客化まである程度ワンパッケージになっている商品がおすすめです。一度導入してしまうとIT知識がなくても自分たちで、ある程度更新ができるためです。またパッケージング化されたMAツールを導入することで、作業量が大幅に減るだけでなく、計測したデータの可視化により、次に実施する内容が見えやすくなるメリットもあります。

 

7 まとめ  

今回は製造業での集客や成約率を高めて、売り上げをアップさせる方法について解説しました。コンテンツマーケティングは導入後すぐに効果が出るといったものではありませんが、製造業の長年の経験やノウハウを継続してコンテンツ化していくことで、効果を実感する事ができます。また、MAを使って業務効率化を図れば、社員の負担や人件費の削減にもつながります。

コンテンツマーケティングに力を入れると、数年後の会社の売上だけでなく、その分野や業界において評判や知名度をUPさせることが可能になります。コンテンツマーケティングにぜひチャレンジしてみてください。

Topics: オウンドメディア, コンテンツマーケティング, 製造業

伊藤孝介
執筆 伊藤孝介

セールスプロモーション会社を経て独立し、フリーランスで地方自治体や中小企業のマーケティングリサーチ、販促企画などに携わる。 業務拡大のため2017年に合同会社を設立し、現在経営中。Webマーケティング・集客戦略をストーリーテーリングという手法を使って実践。マーケティング系ライター歴7年。マーケティング用語の解説や、事例紹介、WEBマーケティングなどが得意。