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デジタルマーケティングファネルの基礎知識

2023年5月1日 (公開 :2021年3月10日)

最大数の顧客獲得や、売上アップを目指すためには、適切なタイミングでアプローチを行う必要があります。そこで、現代のデジタルマーケティングにおいて、消費者行動や心理を段階的に分ける「マーケティングファネル」の考え方が重要となりました。本記事では、マーケティングファネルの概念や、3つのファネルタイプの解説に加え、どのようにファネルを活用するのかをご紹介します。

📚 目次
      1.  
      2.  1 マーケティングファネルとは
      1.  2 3つのファネルタイプ
      1.            A  パーチェスファネル
      2.            B  インフルエンスファネル
      3.            C  ダブルファネル
      1.  3 消費行動の変化とファネル
      2.  4 まとめ
  1.  

 

マーケティングファネルとは

マーケティングファネルの「ファネル」とは、日本語の漏斗を意味し、消費者が商品やサービスを購入するまでのアクションを図式化・可視化したものです。理科の実験で使用した逆三角形の実験器具を図にし、購入までの一連のアクションが進むにつれて、数が絞られている様子を表しています。

マーケティングにファネルが採用されている背景には、各段階における消費者に対するアプローチを柔軟に変える必要があるためです。消費者がどの階層にいるかによって、求めている情報が異なるため、適切な対応を取らなければなりません。

たとえば、商品に興味を持ち始めた消費者に対しては、「競合他社の商品の事例」や、「購入することでどのような利益を得られるか」といった強い関心を与える情報を示すことが大切です。仮に、商品に興味がない消費者に対して、同じような対応を取ったところで、成果に結びつく可能性はほぼありません。

このように、消費者がファネル上のどこに存在しているかを見極め、適切なマーケティング施策を行うことで、さらなる売上向上を目指せるようになります。

 

3つのファネルタイプ

マーケティングファネルには、パーチェスパネル・インフルエンスパネル・ダブルパネルの3つのタイプがあります。また、それぞれのファネルには、消費者の行動・心理を表す階層があり、ステップごとにマーケティング施策を柔軟に行うことが求められます。

 

A パーチェスファネル

「パーチェスファネル」は、消費者の購買行動に関する動きを図式化したものです。ファネルの階層は、「①商品・サービスの認知」、「②興味・関心」、「③比較・検討」、「④購入」の4つのステップで、購入のアクションに近づくにつれて数が減っていく状態を示しています。一般的に、マーケティングファネルと言うと、パーチェスファネルを指すことが多く、メーカー・サービス系・小売店など、どの業界でも必要とされる考え方です。

パーチェスファネルで、とくに重視すべき階層は、3つ目の「比較・検討」です。興味・関心までは得られたものの、比較材料を消費者側に提示しないことによって、離脱数を増やしてしまう危険性があります。消費者に対して、競合他社の製品・サービスよりも優れているかの説明や、どのようなメリットを得られるかなど、購入につながるマーケティング施策が求められます。

 

B インフルエンスファネル

「インフルエンスファネル」とは、消費者が製品・サービスを購入したあとの行動を図式化したファネルです。パーチェスファネルでは、購買アクションに近づくにつれて数が減少していた一方、インフルエンスファネルは、「①継続」、「②紹介」「③発信・拡散」の階層で、ステップが進むにつれて数が増えていきます。より多くの見込み顧客数に情報が拡散され、認知度が高まっていく様子を示したのがインフルエンスファネルです。

誰でも簡単に情報の入手・発信が行えるようになったなかで、レビューや口コミも強い影響力を持つようになりました。従来、個人同士の情報交換ツールであったTwitterやInstagramなどのSNS媒体は、企業のマーケティング活動でも活用されています。さらに、近年では、「インフルエンサー」と呼ばれる社会的に高い影響力を持つ人材を通して、ブランディングを行う企業も少なくありません。

消費者自身の経験は、ほかの見込み顧客が購入を決める重要な参考となるため、パーチェスファネルだけでなく、インフルエンスファネルを意識したマーケティング活動も大切です。

ファネル-1

C ダブルファネル

ダブルファネルとは、「パーチェスパネル」と「インフルエンスファネル」を組み合わせたマーケティングファネルです。上記で解説したとおり、現代のデジタルマーケティング施策では、パーチェスファネルで終わるのではなく、さらなる顧客数を獲得するために、インフルエンスファネルも同時に進めなければなりません。

ダブルファネルは上の図のように2つのファネルを組み合わせたものが一般的ですが、「①プロモーション」、「②アクイジション」、「③リテンション」、「④インフルエンス」の4段階で表記する場合もあります。この場合はまず、CMや宣伝活動を通してプロモーションを実施し、顧客を徐々に獲得(アクイジション)していきます。

次に、継続的に顧客として育成するために、リテンションのマーケティング手法を実施します。付加価値のある商品の訴求や、サブスクリプション(月額制サービス)を導入することで、固定ファンを増やすのがリテンションの考え方です。そして、良質な固定ファンを通して、SNSでの発信を強めていき、新しいファンを新たに獲得するデジタルマーケティング施策をダブルファネルと呼びます。

 

消費行動の変化とファネル

消費者行動が多様化するなかで、広告量を増やしたり、展示会に出展したりしたところで、確実に結果が出るとは限らない時代となりました。マーケティングの効果を最大限に発揮するためには、ファネルに当てはめながら、消費者の心理を読み取り、段階的に施策を行う必要があります。

また、製品やサービスの性質に応じて、ファネルを使い分けることも大切です。シェアリングやサブスクリプションサービスが増えてきている中で、パーチェスファネルからダブルファネルへの転換が必要となりました。ファネル分析をすることによって、最終的なアクションに至るまでのステップを丁寧に進めることが求められます。

 

まとめ

デジタルマーケティングファネルは、企業の顧客獲得や売上増加に必要な概念です。それぞれのファネルおける段階毎に、適切なアプローチを実施することで、マーケティング効果を高められます。

さらに、ファネルを管理する上で、マーケティングオートメーション(MA)や、顧客管理システム(CRM)といったITツールを活用も重要です。これまで、数値として把握しにくかった消費者行動を可視化し、スムーズにマーケティングプロセスを進められます。

Topics: 集客, デジタルマーケティング

デジタルビジネスブログ編集部
執筆 デジタルビジネスブログ編集部

デジタルビジネス編集部の編集者や所属ライターが執筆しています。